※本記事はジーエス・ユアサ コーポレーションが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションは2026年5月13日、2026年3月期(2025年度、4月~3月)の連結決算説明資料を公表した。売上高は6,090億円(前期比4.9%増)、営業利益は602億円(同20.3%増)となり、売上高・営業利益・のれん等償却前営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益・のれん等償却前親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも過去最高を更新した。同時に長期ビジョン(Vision 2035)のアップデートと第七次中期経営計画を公表し、事業区分を「モビリティ」と「社会インフラ」の2軸に再定義した。2027年3月期は増収を見込む一方、営業利益・経常利益・当期純利益は減益を予想している。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の連結業績は、売上高6,090億円(前期比4.9%増)、営業利益602億円・利益率9.9%(同+1.3ポイント、20.3%増)、経常利益582億円・利益率9.6%(同+1.6ポイント、25.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益419億円・利益率6.9%(同+1.7ポイント、37.6%増)となった。ROE・ROIC・総還元性向の算定基礎となるのれん等償却前営業利益は610億円・利益率10.0%(同+1.3ポイント)、のれん等償却前親会社株主に帰属する当期純利益は426億円・利益率7.0%(同+1.6ポイント)で、いずれも過去最高となった。ROEは11.5%(前期9.2%)、ROICは14.8%(前期14.8%で横ばい)。特別利益には三菱ロジスネクスト株式売却による投資有価証券売却益70億円を計上した一方、特別損失にはトルコ拠点売却に関連した関係会社整理損失引当金繰入額33億円を計上した。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減(前期比) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,090億円 | 5,803億円 | +287億円(+4.9%) |
| 営業利益(利益率) | 602億円(9.9%) | 500億円(8.6%) | +102億円 +1.3pt(+20.3%) |
| のれん等償却前営業利益(利益率) | 610億円(10.0%) | 507億円(8.7%) | +103億円 +1.3pt |
| 経常利益(利益率) | 582億円(9.6%) | 463億円(8.0%) | +119億円 +1.6pt(+25.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(利益率) | 419億円(6.9%) | 304億円(5.2%) | +115億円 +1.7pt(+37.6%) |
| EPS(1株当たり当期純利益) | 417.33円 | 303.25円 | +114.08円 |

セグメント別業績
セグメント別業績は、自動車電池(国内・海外)、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、特殊電池およびその他の区分(前中計までの区分)で開示されている。なお、セグメントの営業利益・営業利益率はのれん等償却前ベースであり、合計は連結の営業利益602億円ではなく、のれん等償却前営業利益610億円と一致する。自動車電池(国内)は、新車向けの売価見直しおよびアンチモンの価格スライド、補修向けの高付加価値製品増加により増収増益となった。自動車電池(海外)は、東南アジア地域の補修市場向け販売数量が堅調に推移した一方、トルコは市況低迷により国内販売が大きく減少したが、米国IRA補助金の計上(当年度分に加え過年度分を含む)などにより増収増益となった。産業電池電源は、非常用(原子力向け・データセンター向け等)および常用向けの案件増加により増収増益となった。車載用リチウムイオン電池は、ホンダ向けHEVおよび三菱自動車向けPHEVの販売数量拡大により増収増益となった。特殊電池およびその他は、潜水艦用リチウムイオン電池の契約単価見直しや航空機用リチウムイオン電池(補修向け)の販売減少により増収減益となった。
| セグメント | 2026年3月期 売上高 | 2026年3月期 営業利益(利益率) | 2025年3月期 売上高 | 2025年3月期 営業利益(利益率) |
|---|---|---|---|---|
| 自動車電池(国内) | 1,080億円 | 117億円(10.8%) | 1,019億円 | 107億円(10.5%) |
| 自動車電池(海外) | 2,645億円 | 245億円(9.3%) | 2,601億円 | 187億円(7.2%) |
| 産業電池電源 | 1,241億円 | 184億円(14.8%) | 1,131億円 | 179億円(15.8%) |
| 車載用リチウムイオン電池 | 899億円 | 49億円(5.5%) | 828億円 | 14億円(1.7%) |
| 特殊電池およびその他 | 225億円 | 15億円(6.7%) | 224億円 | 21億円(9.5%) |
| 合計 | 6,090億円 | 610億円(10.0%) | 5,803億円 | 507億円(8.7%) |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の連結業績予想は、売上高6,600億円(前期比8.4%増)、営業利益600億円・利益率9.1%(同△0.8ポイント、0.3%減)、経常利益560億円・利益率8.5%(同△1.1ポイント、3.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益360億円・利益率5.5%(同△1.4ポイント、14.0%減)と、増収減益を予想している。IRA補助金を除いた営業利益は前期実績567億円から33億円増加、利益率は△0.2ポイントとする見通しが示されている。第七次中期経営計画の開始にあわせ、開示セグメントを「モビリティ」と「社会インフラ」の2軸に変更し、航空・宇宙・防衛事業を独立開示するとともに、自動車電池(海外)に含まれていた産業用海外事業を社会インフラへ組み替えている(変更による影響額は2025年度実績で売上高約310億円、営業利益約13億円)。セグメント別予想では、自動車電池(国内)は売上高1,130億円・営業利益115億円(10.2%)、自動車電池(海外、組替後)は売上高2,240億円・営業利益230億円(10.3%)、車載用リチウムイオン電池は売上高1,070億円・営業利益50億円(4.7%)、産業電池電源(組替後)は売上高1,900億円・営業利益195億円(10.3%)、航空・宇宙・防衛は売上高230億円・営業利益25億円(10.9%)を見込む。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減(前期比) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,600億円 | 6,090億円 | +510億円(+8.4%) |
| 営業利益(利益率) | 600億円(9.1%) | 602億円(9.9%) | △2億円 △0.8pt(△0.3%) |
| 経常利益(利益率) | 560億円(8.5%) | 582億円(9.6%) | △22億円 △1.1pt(△3.8%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(利益率) | 360億円(5.5%) | 419億円(6.9%) | △59億円 △1.4pt(△14.0%) |
| EPS | 358.88円 | 417.33円 | △58.45円 |
| 年間配当金 | 98円 | 90円 | +8円 |

株主還元
2026年3月期の年間配当金は90円(前期75円、+15円)となり、総還元性向は21.2%(前期24.3%、△3.1ポイント)となった。第六次中期経営計画(2023~2025年度)の財務目標に対しては、売上高・のれん等償却前営業利益・ROE・ROICはいずれも修正目標を上回った一方、総還元性向は目標の30%以上に対し21.2%にとどまった。第七次中期経営計画では新たな配当方針として、株主資本配当率(DOE)3.0%を目安とする累進配当を掲げており、2027年3月期の年間配当金予想は98円(前期比+8円)としている。
中期経営計画(第七次中期経営計画・長期ビジョン)
2026年度から2028年度までの第七次中期経営計画では、事業を「モビリティ」(鉛蓄電池を中心に収益性を重視した事業運営)と「社会インフラ」(基盤構築フェーズと位置づけポジション確立を優先)の2軸に再定義した。財務目標として、2028年度に売上高7,200億円、営業利益650億円・利益率9.0%、ROE9%以上、ROIC9%以上を掲げる。セグメント別では、モビリティで売上高4,600億円・営業利益410億円(8.9%)、社会インフラで売上高2,550億円・営業利益255億円(10.0%)を目指す。株主還元は株主資本配当率(DOE)3.0%を目安とする累進配当とし、自己資本比率は40%以上を維持する方針。第七次中期経営計画の3ヵ年累計で、営業キャッシュ・フロー1,800億円、投資キャッシュ・フロー△2,250億円、フリー・キャッシュ・フロー△450億円を見込む。長期ビジョン(Vision 2035)では、2035年度に売上高8,000億円以上、営業利益750億円以上を目指すとしている。

※本記事はジーエス・ユアサ コーポレーションが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。