ツバキ・ナカシマ

ツバキ・ナカシマ、2025年12月期は在庫評価減・のれん減損で最終赤字 FCFは過去最高

決算サマリー 2026.08.28
ツバキ・ナカシマ、2025年12月期は在庫評価減・のれん減損で最終赤字 FCFは過去最高

※本記事はツバキ・ナカシマが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

株式会社ツバキ・ナカシマの2025年12月期(通期)は、売上収益698.4億円(前期比8.6%減、為替影響除く)、営業利益は▲222.6億円(前期は8.1億円の黒字)となった。営業利益には在庫評価減65億円と、のれん等の減損損失167億円という一過性の非資金項目が含まれており、これらを除いたベースの営業利益は9.5億円で前期とほぼ同水準だった。当期利益(継続事業及び非継続事業の合算)は▲269.9億円の赤字となった。一方、在庫削減や設備投資の抑制により、フリー・キャッシュ・フローは116.4億円と過去最高を達成した。なお、2025年10月3日にボールねじ及びボールウェイの製造販売事業(リニア事業)を非継続事業として譲渡しており、売上収益・営業利益・税引前利益は継続事業のみの数値を報告している。

目次

連結業績(2025年12月期 実績)

通期の売上収益は前期比8.6%減収(為替影響除く)となり、通期計画715.0億円に対し2.3%の未達だった。営業利益は一過性損失を除いたベースでは計画10.0億円にほぼ沿う9.5億円だった。米国関税の影響は、直接影響が約1.3億円、間接影響が約11億円発生したとしている。

項目前期(2024年12月期実績)当期(2025年12月期実績)増減額(為替影響除く)通期計画
売上収益759.2億円698.4億円▲65.3億円715.0億円
営業利益8.1億円▲222.6億円▲229.9億円10.0億円
営業利益(一過性損失除く)9.5億円
EBITDA40.6億円▲17.8億円▲57.6億円
税引前利益17.5億円▲239.2億円▲256.0億円▲6.0億円
当期利益9.1億円▲269.9億円▲278.9億円▲8.0億円
FY2025 前期比と計画比
出典:株式会社ツバキ・ナカシマ 2025年12月期 決算説明資料 P.12

一過性損失(在庫評価減・のれん減損)

在庫評価減65.2億円は、在庫管理の見直しを進める中で、主に米国2工場とセラミック事業で保有する在庫の回収可能価額が簿価を下回ったことにより計上した。減損損失166.9億円は、プレシジョン・コンポーネントビジネスにおいてのれん150億円、欧州事業の固定資産16億円を計上したもので、のれん簿価はFY2024の362億円からFY2025は212億円となった。背景として、欧州における事業環境の変化とセラミック事業の競争環境の激化を挙げている。これらの一過性損失を除くと、コスト改善(調達最適化+4.1億円、生産性改善+13.3億円等の合計+17.4億円)により営業利益は9.5億円となった。

FY2025 営業利益増減要因(前期比)
出典:株式会社ツバキ・ナカシマ 2025年12月期 決算説明資料 P.17

セグメント別(地域別)の状況

単一事業(プレシジョン・コンポーネント)を地域別に開示している。日本は前期比0.7%減とほぼ横ばいだったが、欧州が前期比15.3%減、アジア(除く中国)が19.4%減となるなど、欧州の需要弱含みと米国関税の影響により事業環境は厳しい状況が続いた。その他(ブロア・リアルエステート事業)は前期比11.3%増加した。

区分当期(2025年12月期実績)前期(2024年12月期実績)増減比(為替影響除く)
グループ連結698.4億円759.2億円▲8.6%
プレシジョン・コンポーネント689.2億円751.0億円▲8.8%
日本115.8億円116.6億円▲0.7%
北米137.6億円148.6億円▲6.2%
欧州220.7億円251.6億円▲15.3%
中国164.4億円171.8億円▲3.3%
アジア(除く中国)50.8億円62.5億円▲19.4%
その他(ブロア・リアルエステート)9.1億円8.2億円+11.3%
FY2025通期 セグメント別・地域別売上収益(前期比)
出典:株式会社ツバキ・ナカシマ 2025年12月期 決算説明資料 P.13

通期業績予想

2026年12月期は、前述の在庫評価減・減損損失は一過性の非資金項目であり、2026年12月期の業績には影響しないとしている。中期経営計画で示したとおり、営業利益25.0億円、当期利益5.0億円で黒字転換を見込む。為替前提は1ドル145円、1ユーロ170円、1人民元20.30円(2025年12月期の期中平均レート実績は1ドル149.71円、1ユーロ169.00円、1人民元20.82円)。

項目当期(2025年12月期実績)次期(2026年12月期見通し)増減額
売上収益698.4億円700.0億円+1.6億円
営業利益▲222.6億円25.0億円+247.6億円
税引前利益▲239.2億円11.0億円+250.2億円
当期利益▲269.9億円5.0億円+274.9億円
基本的1株当たり当期利益▲697.02円12.91円+709.93円
1株当たり配当0.0円0.0円
FY2026通期見通し
出典:株式会社ツバキ・ナカシマ 2025年12月期 決算説明資料 P.21

株主還元

2025年12月期の配当は0円(無配)。2026年12月期についても、内部留保の充実による財務基盤の強化を優先し、無配とする予定としている。

中期経営計画

中期経営計画2025-2029では、2025年度を「膿だし」の年、2026年度を「改善初年度」と位置付け、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)をFY2024の260日からFY2029に175日へ短縮する目標を掲げている。2025年度はCCCの短縮、設備投資の抑制、遊休資産売却、リニア事業(ボールねじ及びボールウェイの製造販売事業)の譲渡完了、政策保有株式の売却等により、財務改善に向け計画を超過する大幅なキャッシュを創出したとしている。成長セグメントと位置づけるインド市場・航空防衛・セラミックボール・高機能プラスチック(EPC)は、2026年度にいずれも2桁の増収を見込むとしている。

※本記事はツバキ・ナカシマが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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