※本記事は大紀アルミニウム工業所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
大紀アルミニウム工業所の2026年3月期連結業績は、売上高331,109百万円(前期比10.4%増)、営業利益7,268百万円(同50.4%増)、経常利益5,620百万円(同49.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,680百万円(同426.4%増)となり、売上高・各利益とも前期実績および期初計画値をそれぞれ上回った。LME価格及び販売単価の上昇により売上高が増加したほか、製品及び商品の需要が堅調に推移し、販売価格是正や材料転換を進めたことで収益も伸長した。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上面では、米国の利下げや中国のアルミ生産制限、中東情勢の緊迫化に伴う供給懸念によりLME価格が上昇し、前年比10%の増収となった。国内では輸出価格の高騰を要因としたスクラップ価格の高止まりによる原料コストの上昇があったものの、製品及び商品の堅調な需要に支えられた。海外においても販売価格の是正や材料転換を進め、収益の回復軌道に至りつつある。計画値(2025年5月14日公表)に対しては、売上高が達成率104.4%、営業利益が119.0%、経常利益が114.2%、親会社株主に帰属する当期純利益が109.5%となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 331,109百万円 | 299,795百万円 | +31,313百万円(10.4%増) |
| 営業利益 | 7,268百万円 | 4,834百万円 | +2,434百万円(50.4%増) |
| 経常利益 | 5,620百万円 | 3,749百万円 | +1,871百万円(49.9%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,680百万円 | 699百万円 | +2,981百万円(426.4%増) |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 93.01円 | 17.48円 | +75.53円(432.1%増) |
| 自己資本利益率(ROE) | 4.9% | 1.0% | ― |

事業別の状況
事業別の構成比では、合金事業が売上高構成81.8%・営業利益構成79.0%と最大の割合を占め、原料事業が売上高構成16.0%・営業利益構成14.7%、ダイカスト事業が売上高構成1.3%・営業利益構成5.3%、エンジニアリング事業が売上高構成1.0%・営業利益構成0.1%となっている。なお、事業別の実額(売上高・利益の金額)は資料に開示されていない。製品販売数量は、国内が自動車向けを中心としたダイカスト用及び鋳物用合金は前年同期並みだったものの、圧延向けcan材原料の高騰による生産調整等の影響で通期累計は前年同期比1.2%減となった。海外はインドネシア、インド及びマレーシアの連結子会社で製品販売数量が回復し、通期累計は前年同期比2.2%増となった。
| 事業 | 売上高構成比 | 営業利益構成比 |
|---|---|---|
| 合金事業 | 81.8% | 79.0% |
| 原料事業 | 16.0% | 14.7% |
| ダイカスト事業 | 1.3% | 5.3% |
| エンジニアリング事業 | 1.0% | 0.1% |

通期業績予想
2027年3月期は、中東情勢の影響を除くアルミ需要環境は自動車向けを含め引き続き堅調に推移する見込み。中東情勢に関しては、原料の供給懸念によるLME価格や原油市況高騰に伴う物流・エネルギーコストの上昇、一部輸送停滞などの影響が見られているものの、事業運営及び業績は安定的に推移しており現時点で重要な影響は生じていないとしている。売上面ではLME価格の高騰の影響により売上高は増加し、収益面では特に海外子会社において原料価格と製品販売価格のスプレッドを確保できる見込み。製品販売数量は国内2.9%増、海外9.8%増でグループ全体として6.6%増の年間51万トンを計画している。資料は2027年3月期の売上高について「過去最高となる予想」、利益については「過去3番目の高水準となる見込み」としている。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 386,700百万円 | 331,109百万円 | +55,590百万円(16.8%増) |
| 営業利益 | 12,160百万円 | 7,268百万円 | +4,891百万円(67.3%増) |
| 経常利益 | 11,380百万円 | 5,620百万円 | +5,759百万円(102.5%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8,840百万円 | 3,680百万円 | +5,159百万円(140.2%増) |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 223.39円 | 93.01円 | +130.38円(140.2%増) |
| 区分 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 製品販売数量計 | 510,000t | 478,521t | 6.6%増 |
| うち国内 | 232,000t | 225,410t | 2.9%増 |
| うち海外 | 278,000t | 253,110t | 9.8%増 |

株主還元
2026年3月期の1株当たり配当金は中間配当25円、期末配当30円の年間55円(予定)で、前期の55円(中間25円・期末30円)から横ばいとなる見込み。2027年3月期は中間配当35円、期末配当35円の年間配当70円を計画しており、2026年3月期比15円増となる。連結配当性向は30%程度、DOE(連結株主資本配当率)は3.0%程度を目安とする方針で、株主に対する継続的かつ安定的な利益還元を経営の最重要政策と位置付けている。自己株式の取得については、中長期的な成長のための内部留保等を総合的に判断し、適切な時期に実施を検討するとしている。なお、2025年3月期の連結配当性向は314.7%だった。

中期経営計画・設備投資
同社は、2030年に想定される外部環境変化とそれに伴う事業への影響を考察し、優先的に取り組むべき重要課題を特定して長期経営計画VISION2030「DAIKI∞NEXT∞」に組み込んでいる。2030年のあるべき姿を目指した基本戦略として、成長分野への投資、経営基盤の強化、環境保全、地域や社会の貢献と発展、人材の育成と活用を掲げ、それぞれのロードマップを策定し、三次にわたって中期経営計画を展開している。設備投資については、2026年3月期に当社白河工場での過熱水蒸気キルン新設設置工事、連結子会社セイシン(タイランド)における新工場建設を実施したほか、2027年3月期は当社亀山工場での過熱水蒸気キルン新設設置工事、連結子会社ダイキアルミニウムインダストリー(タイランド)における溶解炉更新工事を計画している。
※本記事は大紀アルミニウム工業所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。