※本記事はエンビプロ・ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
エンビプロ・ホールディングスは2026年6月期、連結売上高444億30百万円(前期比▲9.5%)と減収となったものの、営業利益32億24百万円(前期比+231.6%)、経常利益35億82百万円(前期比+194.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益24億23百万円(前期比+106.2%)と大幅な増益となった。資料は業績のポイントとして「取引形態の一部変更に伴う収益認識基準の適用により、売上高が減少」「構造改革の成果の表面化や主要金属価格の上昇により主要セグメントで増益」「選別技術の深化および回収・販売強化により、収益の改善が進展」を挙げている。
連結業績(2026年6月期 実績)
2026年6月期の連結業績は以下の通り。7月30日開示予想に対する進捗率も資料に記載されている(売上高100.1%、営業利益100.8%、経常利益102.4%、純利益101.0%等)。
| 項目 | 2026年6月期(当期) | 2025年6月期(前期) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 取扱量(千t) | 491 | 611 | ▲120 | ▲19.6% |
| 売上高(百万円) | 44,430 | 49,090 | ▲4,660 | ▲9.5% |
| 営業利益(百万円) | 3,224 | 972 | +2,252 | +231.6% |
| 経常利益(百万円) | 3,582 | 1,216 | +2,366 | +194.6% |
| 税引前利益(百万円) | 3,366 | 1,516 | +1,850 | +122.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 2,423 | 1,175 | +1,248 | +106.2% |
| 限界利益(百万円) | 12,268 | 9,877 | +2,391 | +24.2% |
| EBITDA(百万円) | 4,624 | 2,345 | +2,279 | +97.2% |

セグメント別の状況
資源循環事業は、主要金属価格が上昇する中で選別技術を深化させ高付加価値品の回収・販売を強化したことにより収益の改善が進展し、増収増益となった。グローバルトレーディング事業は、金属原料のトレーディング事業で構造改革の成果が徐々に表れる中、主要金属価格の上昇や新たな販路開拓等により収益性が向上し、大幅な増益を達成したが、取扱量減少により売上高は減少した。物流代行サービス事業は堅調に推移した一方、ホルムズ海峡の実質的な封鎖がドバイ向けの貨物に影響したと資料は述べている。リチウムイオン電池リサイクル事業は、電池材料に用いられるリチウム及びコバルト相場が堅調に推移する中、加工受託案件を中心に取扱量を増加させたことにより増収増益となったが、加工委託先において火災が発生し在庫消失等により特別損失を計上した。その他事業では、障がい福祉サービス事業が登録利用者の減少等により減収減益、サステナビリティコンサルティング事業が受注減少により減収減益となった。
| 区分 | 指標 | 2026年6月期(当期) | 2025年6月期(前期) |
|---|---|---|---|
| 資源循環事業 | 取扱量(千t) | 239 | 237 |
| 資源循環事業 | 売上高(百万円) | 23,940 | 21,015 |
| 資源循環事業 | セグメント利益(百万円) | 2,627 | 1,159 |
| グローバルトレーディング事業 | 取扱量(千t) | 344 | 464 |
| グローバルトレーディング事業 | 売上高(百万円) | 24,730 | 31,590 |
| グローバルトレーディング事業 | セグメント利益(百万円) | 703 | 269 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | 売上高(百万円) | 2,641 | 1,693 |
| リチウムイオン電池リサイクル事業 | セグメント利益(百万円) | 704 | 223 |
| その他 | 売上高(百万円) | 450 | 491 |
| その他 | セグメント利益(百万円) | 40 | 95 |

通期業績予想
2027年6月期は取扱量増加により増収を予想する一方、営業利益・経常利益・当期純利益は前期比で減益を予想する。セグメント別では、資源循環事業は売上高266億円(前期比+11.1%)・セグメント利益29億円(前期比+10.4%)と増収増益を、グローバルトレーディング事業は売上高266億円(前期比+7.6%)・セグメント利益5億円(前期比▲29.0%)と増収減益を予想する。リチウムイオン電池リサイクル事業は、加工委託先の罹災により生産能力に制限がかかった状態が継続することを想定し、売上高17億50百万円(前期比▲33.7%)・セグメント利益50百万円(前期比▲92.9%)と大幅な減収減益を想定している。業績予想の前提条件として、鉄スクラップ46,000円/t、電気銅2,000円/kg、金23,000円/g、銀400円/g、ニッケル2,500円/kg、コバルト8,500円/kg、為替150円/USDが資料に記載されている。
| 項目 | 2027年6月期(予想) | 2026年6月期(実績) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 取扱量(千t) | 550 | 491 | +59 | +12.0% |
| 売上高(百万円) | 49,000 | 44,430 | +4,569 | +10.3% |
| 営業利益(百万円) | 2,700 | 3,224 | ▲524 | ▲16.3% |
| 経常利益(百万円) | 3,100 | 3,582 | ▲482 | ▲13.5% |
| 税引前利益(百万円) | 3,100 | 3,366 | ▲266 | ▲7.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 2,100 | 2,423 | ▲323 | ▲13.4% |
| ROE(%) | 11.1 | 13.6 | ▲2.5% | – |

株主還元
配当基本方針として、株主資本配当率(DOE)2.5%を下限に、人件費などの上昇や積極的な設備投資を行う中で短期的に利益が変動する局面においても、安定的かつ持続的な株主還元の実現を掲げている。2026年6月期のDOEは3.8%(1株配当25円)、2027年6月期はDOE3.1%を予想し1株配当22円を計画する。資料には2025年6月期に788百万円、2026年6月期に172百万円の自己株式の取得を実施したと記載されている。
| 項目 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 2027年6月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 1株配当金(円) | 15 | 25 | 22 |
| 配当性向(%) | 38.3 | 29.4 | 29.9 |
| 総還元性向(%) | 103.7 | 36.5 | 29.9 |

今後の主な取り組み
重要戦略事業として、都市鉱山に含まれる未利用資源を回収する金銀滓事業では、生産フロー全般の改善による品位向上や、自治体・製造業・同業者等との取引母集団の拡大に取り組むとしている。リチウムイオン電池(LIB)リサイクル事業では、小型LIBの発火事故急増や指定再資源化製品の対象拡大により回収量増加を想定する一方、大型LIB(車載)は成長鈍化、大型LIB(ESS)は需要急拡大を想定。加工委託先の罹災を受け、既存システムの改善(処理量・ブラックマス回収率の向上)、新工場計画の推進、グループ各社との連携による集荷網拡大に取り組むとしている。ポリマーCE事業では、複合材前処理破砕機の更新、ケミカルリサイクル実証事業への原料提供、廃タイヤチップ・廃ゴムを配合したCEゴムマットの製造能力増強、再生プラスチックを配合した人工芝用カラーゴムチップの上市などを進めるとしている。
※本記事はエンビプロ・ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。