※本記事はARCHIONが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ARCHIONは、三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)と日野自動車株式会社の経営統合完了を受けて2026年4月1日に事業を開始した会社である。2026年5月14日付の説明資料では、日野自動車の2025年度(2026年3月期)連結決算実績(J-GAAP)を参考情報として示すとともに、ARCHIONの2027年3月期(2026年度)連結業績見通し(IFRS)を公表した。同見通しは、日野とふそうの実績を合算・調整した2026年3月期プロフォーマ実績を基準に算出されている。
ARCHION発足の経緯
当社は、三菱ふそうトラック・バス株式会社と日野自動車株式会社の経営統合により誕生した。2026年4月1日より前において当社には事業運営実績がなく、2026年3月31日時点における過去の連結財務諸表も作成されていない。本資料には、経営統合の効果を反映した未監査のプロフォーマ財務情報が含まれる。
2027年3月期 連結業績見通し(IFRS)
ARCHIONは2027年3月期(2026年度)の連結業績見通しとして、売上高24,250億円(2026年3月期プロフォーマ実績比+8%)、営業利益1,100億円(同+52%)、営業利益率4.5%を見込む。比較対象となる2026年3月期プロフォーマ実績の営業利益725億円は、北米認証関連の一時的な特別損失369億円を除いた数値である。親会社株主に帰属する当期純利益は700億円を見込むが、これは負ののれん発生益を除外した数値であり、2026年3月期プロフォーマ実績の当期純利益1,145億円には繰延税金資産の計上による利益が含まれているため、単純な期間比較には留意が必要である。
| 項目 | 2026年3月期プロフォーマ実績 | 2027年3月期見通し | 増減 |
|---|---|---|---|
| 連結売上台数(千台) | 218 | 230 | +12(+6%) |
| 売上高(億円) | 22,460 | 24,250 | +1,790(+8%) |
| 営業利益(億円) | 725 | 1,100 | +375(+52%) |
| 営業利益率(%) | 3.2% | 4.5% | +1.3%pts |
| 当期純利益(億円) | 1,218 | 770 | -448(-37%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 1,145 | 700 | -445(-39%) |
| 配当性向 | - | 約30% | - |
| 1株当たり配当金(円) | - | 8円 | - |

事業別売上高の見通し
事業別売上高は、新車販売、補給部品&サービス、その他事業(産業用エンジン、トヨタ向け部品・ダイナOEM等)の3区分で構成される。2027年3月期は、販売数量の増加に加え大中型の構成比上昇および為替レートの好影響により新車販売が+9%、日本を中心とした継続的な需要により補給部品&サービスが+5%となる見通しである。
| 事業区分 | 2026年3月期プロフォーマ実績(億円) | 2027年3月期見通し(億円) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 新車販売 | 13,250 | 14,400 | +9% |
| 補給部品&サービス | 5,150 | 5,400 | +5% |
| その他事業 | 4,100 | 4,450 | +9% |
| 合計 | 22,460 | 24,250 | +8% |

日野自動車 2025年度(2026年3月期)決算実績(参考、J-GAAP)
参考情報として開示された日野自動車の2026年3月期(25年度)連結決算実績(J-GAAP)によると、売上高は15,653億円(前期比▲1,319億円、▲7.8%)、営業利益は821億円(同+246億円、+42.7%、売上高営業利益率5.2%)、当期純利益は844億円(前期は▲2,178億円)となった。グローバル販売台数は108.6千台(前期比▲16.4千台、▲13.1%)で、国内は小型トラックの出荷遅れにより32.5千台(前年比▲21.2%)、海外はアジア・北米市場の低迷により76.1千台(同▲9.2%)となった。当期純利益の増益には、北米認証関連の特別損失が前期▲2,584億円から当期▲369億円に縮小したことや、繰延税金資産の計上(+492億円)が寄与した。
| 項目 | 2025年3月期(24年度) | 2026年3月期(25年度) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 16,972 | 15,653 | ▲1,319(▲7.8%) |
| 営業利益(億円) | 575 | 821 | +246(+42.7%) |
| 当期純利益(億円) | ▲2,178 | 844 | +3,022 |
| グローバル販売台数(千台) | 125.0 | 108.6 | ▲16.4(▲13.1%) |

株主還元
ARCHIONは初年度となる2027年3月期から株主還元を実施する方針である。2027年3月期の年間配当予想は1株当たり8円、配当性向は約30%相当を見込む。中期的な配当性向目標は40%とし、段階的な引き上げを目指すとしている。なお、配当予想および配当性向は、負ののれん発生益等の特殊要因を除いた親会社株主に帰属する当期純利益をもとに算出されている。
| 項目 | 2027年3月期見通し |
|---|---|
| 1株当たり配当金(DPS) | 8円 |
| 配当性向 | 約30%相当 |
| 中期配当性向目標 | 40% |

今後の見通しに関する留意点
2027年3月期見通しの前提には、中東地域の情勢変化に伴う車両・補給部品の出荷減少(販売台数1万3千台減の見込み)や物流コストの増加、原材料・エネルギー価格の高騰などが織り込まれている。中東地域の販売構成比は約10%であり、世界全体の車両販売への直接的な影響は限定的としている。また、資本配分(キャピタルアロケーション)については2026年5月15日開催のキャピタルマーケットデーで説明するとしている。
※本記事はARCHIONが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。