※本記事は神戸製鋼所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
神戸製鋼所は2026年5月11日、2026年3月期(2025年度)決算を発表した。素材系事業を中心に厳しい需要環境が続く中、機械が過去最高益を計上したことなどから経常損益は1,213億円を確保した。当期純損益は政策保有株式等の売却益を計上する一方、アルミ板製造資産の減損209億円を計上したことなどから937億円となった。2027年3月期(2026年度)は経常損益1,200億円、当期純損益1,000億円、年間配当80円を見込む。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は鉄鋼主原料及び発電用石炭の価格下落に伴う鉄鋼・電力での販売価格の低下や神戸発電所3号機の定期点検の延長等により2兆4,365億円(前期比△1,184億円)となった。経常損益は固定費を中心としたコストの増加に加え、建設機械での補償金収入の剥落、電力の神戸発電所3号機の定期点検の延長影響、在庫評価影響の悪化等により1,213億円(同△358億円)に減益。当期純損益は経常損益の悪化により、特別損益の改善があったものの、過去最高益であった前期からは減益し937億円(同△264億円)となった。ROICは5.3%、ROEは7.7%、純資産比率は46.4%、D/Eレシオは0.61倍だった。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 対前年増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 24,365億円 | 25,550億円 | △1,184億円 |
| 営業損益 | 1,298億円 | 1,587億円 | △288億円 |
| 経常損益 | 1,213億円 | 1,571億円 | △358億円 |
| 経常損益(在庫評価影響を除く) | 1,258億円 | 1,561億円 | △303億円 |
| 特別損益 | △4億円 | △161億円 | +156億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純損益 | 937億円 | 1,201億円 | △264億円 |

セグメント別の状況
経常損益は、鉄鋼アルミがメタルスプレッドの悪化や固定費を中心としたコスト増加等に加え在庫評価影響の悪化により28億円(前期比△207億円)に減益。機械は等方圧加圧装置(IP装置)での好調な需要等を受けた受注高増加により売上の増加やサービス案件の増加等で過去最高益となる467億円(同+141億円)となった。電力は石炭価格に関する増益影響の縮小や神戸発電所3号機の定期点検の延長影響等により347億円(同△175億円)に減益した。
| セグメント | 指標 | 2025年3月期実績 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期見通し |
|---|---|---|---|---|
| 鉄鋼アルミ | 売上高 | 11,161億円 | 9,969億円 | 10,220億円 |
| 鉄鋼アルミ | 経常損益 | 236億円 | 28億円 | 250億円 |
| 素形材 | 売上高 | 3,171億円 | 3,328億円 | 3,590億円 |
| 素形材 | 経常損益 | 107億円 | 87億円 | 100億円 |
| 溶接 | 売上高 | 939億円 | 964億円 | 1,000億円 |
| 溶接 | 経常損益 | 52億円 | 58億円 | 65億円 |
| 機械 | 売上高 | 2,651億円 | 2,827億円 | 2,790億円 |
| 機械 | 経常損益 | 325億円 | 467億円 | 400億円 |
| エンジニアリング | 売上高 | 1,748億円 | 1,938億円 | 1,960億円 |
| エンジニアリング | 経常損益 | 161億円 | 126億円 | 115億円 |
| 建設機械 | 売上高 | 3,880億円 | 3,895億円 | 4,290億円 |
| 建設機械 | 経常損益 | 187億円 | 123億円 | 160億円 |
| 電力 | 売上高 | 2,588億円 | 2,032億円 | 2,190億円 |
| 電力 | 経常損益 | 523億円 | 347億円 | 320億円 |
| その他 | 売上高 | 89億円 | 58億円 | 60億円 |
| その他 | 経常損益 | 38億円 | 50億円 | 50億円 |
| 調整額 | 売上高 | △679億円 | △649億円 | △500億円 |
| 調整額 | 経常損益 | △60億円 | △76億円 | △260億円 |

通期業績予想
2027年3月期は需要環境が中東情勢の影響を除き2026年3月期並みで推移すると想定。売上高は素材系事業や建設機械での販売数量の増加や原料価格上昇に伴う素材系事業での販売価格の上昇を見込むことなどから2兆5,600億円(前期比+1,234億円)の増収を見込む。経常損益は建設機械で販売台数の増加を見込むものの、鉄鋼メタルスプレッドの悪化や機械での本体売上の減少、中東リスク等により1,200億円(同△13億円)と前期並みを見通す。当期純損益は土地等の資産売却や海外子会社の清算等の特別利益を見込むことから1,000億円(同+62億円)の増益を見込む。ROICは5.5%程度、ROEは7.5%程度、純資産比率は49%程度、D/Eレシオは0.55倍程度を見込み、今中期経営計画(2024~2026年度)の目標達成を見込むとしている。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 対前年増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 25,600億円 | 24,365億円 | +1,234億円 |
| 営業損益 | 1,500億円 | 1,298億円 | +201億円 |
| 経常損益 | 1,200億円 | 1,213億円 | △13億円 |
| 経常損益(在庫評価影響を除く) | 1,155億円 | 1,258億円 | △103億円 |
| 特別損益 | 100億円 | △4億円 | +104億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純損益 | 1,000億円 | 937億円 | +62億円 |

中東情勢の影響
資料は、足元の状況が上期末まで継続する前提で△100億円の業績リスクを2027年3月期見通しに織り込んだとしている。想定されるリスクの概算(年間影響△200億円程度)として、機械系事業における中東向け売上の減少・時期ずれで△60億円、アルミ関連事業における原材料の代替調達コストアップで△10億円、原油市況高騰に伴う物流コスト・エネルギー・諸資材価格の高騰、販売価格転嫁で△100億円を挙げている。当社グループの連結売上高に占める中東向け販売の割合は機械系事業を中心に約1%(2026年3月期実績)としている。
株主還元
2026年3月期の配当は前回公表の通り中間・期末各40円の年間80円(配当性向33.6%)とする方針。2027年3月期も中間40円・期末40円の年間80円(配当性向31.8%)の方針としている。還元方針は、継続的かつ安定的に実施していくことを基本としつつ、財政状態、業績の動向、先行きの資金需要等を総合的に考慮して決定するとしている。
| 区分 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期方針 |
|---|---|---|
| 中間配当 | 40円 | 40円 |
| 期末配当 | 40円 | 40円 |
| 年間配当 | 80円 | 80円 |
| 配当性向 | 33.6% | 31.8% |

※本記事は神戸製鋼所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。