※本記事は日本電気硝子が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本電気硝子の2025年12月期は、ディスプレイ用ガラス基板の需要が年間を通して堅調に推移し販売価格の改定が進んだほか、半導体・データセンター向け製品を中心に電子デバイス事業も好調に推移した。売上高は3,114億円(前期比4.1%増)、営業利益は341億円(同457.6%増)、経常利益は377億円(同203.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は296億円(同144.9%増)となった。1株当たり配当金は年間150円(前期130円)とした。
連結業績(2025年12月期 実績)
営業損益の増減要因として、資料はディスプレイ事業等の販売価格改定、電子デバイス事業の売上高増加、生産性の改善、減価償却費の減少(減損損失計上に伴うものを含む)、物流費・原燃料費の低下を挙げている。営業外損益は62億円から36億円に減少したが、これは主に海外子会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替差益が24/12期の45億円から25/12期は11億円に減少したことによる。特別損益は113億円から41億円に減少した。資料は、前期はディスプレイ事業(126億円)・複合材事業(111億円)の減損損失を計上していたこと(当期はこの剥落が増益要因)に加え、固定資産売却益の減少(△205億円)、投資有価証券売却益の減少(△49億円)、事業構造改革費の計上(△39億円)を特別損益の増減要因として挙げている。
| 項目 | 24/12期 | 25/12期 | 増減割合 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,992億円 | 3,114億円 | 4.1% |
| 営業利益(利益率) | 61億円(2.0%) | 341億円(11.0%) | 457.6% |
| 営業外損益 | 62億円 | 36億円 | △42.7% |
| 経常利益 | 124億円 | 377億円 | 203.9% |
| 特別損益 | 113億円 | 41億円 | △63.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 120億円 | 296億円 | 144.9% |
| 1株当たり当期純利益 | 141.67円 | 382.33円 | 169.9% |
| 1株当たり配当金 | 年間130円 | 年間150円 | ‐ |

事業分野別の状況
電子・情報分野は、ディスプレイ用ガラス基板が年間を通して堅調な需要を維持し販売価格を改定したほか、非ディスプレイ(超薄板ガラス等)も販売拡大した。電子デバイスは半導体向け・データセンター向け製品を中心に需要が好調に推移し、その他製品の需要も緩やかに回復したことから、売上高は前期を上回った。機能材料分野のうち複合材は、厳しい競争環境が続き販売が低迷したうえ、事業構造改革に伴い6月に英国子会社の事業活動を停止したことから、売上高は前期を下回った。医療・耐熱・建築は、医薬用管ガラスが前期並みの出荷となる一方で販売価格の改定が進み、放射線遮蔽用ガラス・耐熱製品・防火ガラスの需要は堅調に推移し、売上高は前期並みとなった。
| 事業分野 | 24/12期 | 25/12期 |
|---|---|---|
| 電子・情報 | 1,575億円(53%) | 1,737億円(56%) |
| 機能材料 | 1,416億円(47%) | 1,376億円(44%) |
通期業績予想(2026年12月期)
2026年12月期は、売上高3,200億円(25/12期比2.8%増)を見込む一方、営業利益は330億円(同3.3%減)、経常利益は330億円(同12.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は230億円(同25.7%減)と減益を予想している。想定為替レートは1ドル=150円、1ユーロ=180円とし、世界経済は米中の関税政策や中東情勢等により先行き不透明な状況が続くと見込んでいる。1株当たり配当金は年間160円を計画している。
| 項目 | 25/12期実績 | 26/12期通期予想 | 25/12期比増減割合 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,114億円 | 3,200億円 | 2.8% |
| 営業利益 | 341億円 | 330億円 | △3.3% |
| 経常利益 | 377億円 | 330億円 | △12.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 296億円 | 230億円 | △25.7% |
| 1株当たり配当金予想 | 150円 | 160円 | ‐ |

設備投資・減価償却費の見通し
26年12月期の設備投資は450億円程度(完工ベース)を見込み、全電気溶融技術の展開、能力増強・生産性改善投資、低誘電ガラスファイバ「D2ファイバ」への投資のほか、プロセス開発・自動化対応・定期修繕等に充てるとしている。減価償却費は260億円程度を見込む。
| 項目 | 25/12期実績 | 26/12期予想 |
|---|---|---|
| 設備投資 | 343億円 | 450億円程度 |
| 減価償却費 | 242億円 | 260億円程度 |
株主還元
資料は配当について「20年以上減配せず継続的に水準引き上げ」と説明し、26/12期は年間160円/株を計画している。自己株式の取得は25/12期に約200億円実施し、26/12期は200億円取得を計画(2026年2月6日公表)している。中期経営計画EGP2028の期間中は、自己株式取得総額1,000億円を予定するとともに、継続的な配当拡大(目標DOE3.0%)を財務戦略の一環として掲げている。また、政策保有株式の縮減にも取り組んでおり、25/12期は2銘柄の株式を全数売却・1銘柄を一部売却し、連結純資産に占める政策保有株式割合は7.3%(25/12期末)となった。

中期経営計画EGP2028/トピック
中期経営計画「EGP2028」(“STRONG GROWTH”)は、28/12期の経営目標として売上高4,000億円、営業利益500億円、営業利益率12.5%、ROE8%、株主資本水準4,000億円程度を掲げ、事業戦略(既存事業の強化、戦略事業の拡大、調達リスクマネジメント)、財務戦略(政策保有株式の縮減、資産の圧縮、バランスシートの管理と株主還元の充実)、サステナビリティ戦略(カーボンニュートラルの推進、人材戦略、サプライチェーンマネジメント)を柱としている。トピックとして、次世代メモリ用ガラス薄膜(東北大学大学院工学研究科との共同開発、2025年9月公表)、低誘電ガラスファイバ「D2ファイバ」(2025年12月公表、2026年第4四半期から量産開始予定)など半導体・AIサーバー関連の新製品開発を進めているとしている。

※本記事は日本電気硝子が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。