※本記事はアキレスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
アキレス株式会社は2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の連結決算を発表した。売上高は818億円(前期比+3.4%)、営業利益は29億円(前期は△4億円の赤字)となり黒字転換し、上方修正後の計画(営業利益23億円)も上回って着地した。高付加価値分野であるメディカル分野向けフィルムや半導体関連部材の伸長に加え、粗利益率の改善や原価低減が業績を押し上げた。2027年3月期は事業環境の不確実性を織り込み、営業利益22億円の慎重な計画を策定している。
連結業績(2026年3月期 実績)
営業利益は前期の△436百万円から2,972百万円へ3,409百万円改善した。増減要因は、増収に伴う粗利拡大+496百万円、粗利益率向上+2,712百万円、販売・管理費抑制+200百万円。売上総利益は17,692百万円(売上総利益率21.6%、前期比+3.3pt)、経常利益は3,919百万円(前期は△220百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,116百万円(前期427百万円、+394.7%)、EPSは154.87円(前期30.67円)、ROEは5.1%(前期1.1%、+4.0pt)となった。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 79,093百万円 | 81,802百万円 | +2,709百万円(+3.4%) |
| 売上総利益 | 14,484百万円(18.3%) | 17,692百万円(21.6%) | +3,208百万円(+22.2%) |
| 販売費及び一般管理費 | 14,920百万円(18.9%) | 14,719百万円(18.0%) | △200百万円(△1.3%) |
| 営業利益(△は損失) | △436百万円(△0.6%) | 2,972百万円(3.6%) | +3,409百万円 |
| 経常利益(△は損失) | △220百万円(△0.3%) | 3,919百万円(4.8%) | +4,140百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 427百万円(0.5%) | 2,116百万円(2.6%) | +1,688百万円(+394.7%) |
| 1株当たり純利益(EPS) | 30.67円 | 154.87円 | +106.10円 |
| ROE | 1.1% | 5.1% | +4.0pt |

セグメント別(事業部門別)の状況
第一事業部は、高機能フィルムのメディカル分野向け・エレクトロニクス分野向けや、半導体ウエハー搬送用・製造工程用部材の伸長を牽引に、売上高は46,293百万円から49,910百万円(YoY+8%)へ増収。収益性の高い分野の増収と集約生産等による原価低減が寄与し、セグメント利益は1,002百万円から3,287百万円(YoY+228%)、利益率は2.2%から6.6%へ大きく改善した。第二事業部は断熱資材(非住宅分野で堅調)や国内の防災製品、建装資材の価格改定効果により売上高は22,684百万円から22,964百万円(YoY+1%)、セグメント利益は1,882百万円から2,390百万円(YoY+27%)、利益率は8.3%から10.4%に改善した。シューズBUは消費者物価上昇に伴う市場環境の悪化や価格改定の影響で売上高が10,116百万円から8,928百万円(YoY△12%)に減少したが、価格改定とコスト低減活動により損益は△972百万円から△321百万円へ6億円改善し、利益率も△9.6%から△3.6%に改善した。
| 区分 | 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 第一事業部 | 売上高 | 46,293百万円 | 49,910百万円 |
| 第一事業部 | セグメント利益 | 1,002百万円 | 3,287百万円 |
| 第一事業部 | 利益率 | 2.2% | 6.6% |
| 第二事業部 | 売上高 | 22,684百万円 | 22,964百万円 |
| 第二事業部 | セグメント利益 | 1,882百万円 | 2,390百万円 |
| 第二事業部 | 利益率 | 8.3% | 10.4% |
| シューズBU | 売上高 | 10,116百万円 | 8,928百万円 |
| シューズBU | セグメント損益 | △972百万円 | △321百万円 |
| シューズBU | 利益率 | △9.6% | △3.6% |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、重点分野であるフイルムのメディカル分野向けおよび工業資材のエレクトロニクス(半導体関連)分野向けを中心とした伸長が続く見通しから、売上高は82,500百万円(前期比+0.9%)を計画する。一方、原材料価格や為替、地政学リスクなど事業環境の不確実性の高まりを踏まえ、営業利益は2,200百万円(△26.0%)、経常利益は2,000百万円(△49.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,300百万円(△38.6%)と慎重かつ堅実な計画を策定した。なお、中東情勢の緊迫化による直接的影響は、現時点で合理的に算定することが困難であり業績予想には織り込んでいない。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 81,802百万円 | 82,500百万円 | +0.9% |
| 営業利益 | 2,972百万円 | 2,200百万円 | △26.0% |
| 経常利益 | 3,919百万円 | 2,000百万円 | △49.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,116百万円 | 1,300百万円 | △38.6% |
| 1株当たり純利益(EPS) | 154.87円 | 95.13円 | △38.6% |
| 1株当たり配当金(DPS) | 40.00円 | 30.00円 | △25.0% |

株主還元
株主還元の基本方針として、配当は直近の経営状況を踏まえ、①配当性向30%以上、②1株当たり配当金(DPS)50円、を意識した配当を行うとしている。継続的・安定的な配当を基本としつつ、自己株式の取得も連結業績や成長投資、株価の状況等を総合的に勘案しながら柔軟に実施し、総合的な株主還元の充実を図る方針。2027年3月期のDPSは30.00円を予定している(2026年3月期実績は40.00円)。

中期経営計画/トピック
中期経営計画「Vision2030」ではFY25~FY27を「再構築・強化期」と位置づけ、①選択と集中の徹底、②新たな価値の創造、③グローバル戦略の推進の3つの全社戦略を推進している。売上高は2025年3月期790億円→2026年3月期818億円→2027年3月期予想825億円→2028年3月期計画880億円、営業利益は2025年3月期△4億円→2026年3月期29億円→2027年3月期予想22億円→2028年3月期計画30億円、営業利益率は△0.6%→3.6%→2.7%→3.4%、ROEは1.1%→5.1%→2028年3月期計画5.0%以上と、収益力の改善を計画している。海外売上高は2025年3月期172億円から2026年3月期214億円へ拡大し、2028年3月期計画では220億円を見込む。成長分野では、半導体ウエハー搬送容器が世界シェア40%(当社推定)を握り、世界の半導体ウエハー出荷面積は2023年12,602百万平方インチから2028年予想15,485百万平方インチへ拡大が見込まれる。メディカル分野向けフィルムも、世界のバイオ医薬品市場規模が2025年6,666億米ドルから2034年予想14,000億米ドルへ9年で2.1倍(年平均+8.6%)に拡大する見通しの中で事業拡大を進める方針。
※本記事はアキレスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。