※本記事は出光興産が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
出光興産は2026年5月12日、2025年度(2026年3月期)通期決算を発表した。石炭価格下落の影響があったものの、燃料油セグメントのプラスのタイムラグや電力・再生可能エネルギーセグメントの改善により、営業+持分損益(在庫影響除き)は前年比+294億円増の2,441億円となった。11月公表の業績予想との対比では、3月の原油価格上昇に伴うプラスのタイムラグ影響により+691億円の増益となった。当期純利益(在庫影響除き)は1,923億円(前年比+675億円、+54.1%)。株主還元は配当36円/株に加え、5月12日に250億円の自己株式取得を決議し、総還元性向50%以上の水準とした。
連結業績(当期 実績)
連結損益計算書ハイライトでは、原油・石炭価格の下落や為替レートの変化(152.6円/USD→150.7円/USD)を背景に売上高は前年比▲11.8%の81,059億円となった一方、営業利益は前年比+30.8%の2,122億円、持分法投資損益を加えた営業+持分は2,147億円(前年比+299億円、+16.2%)。特別損益の改善(前年▲564億円→▲75億円)もあり、当期純利益は1,719億円(前年比+678億円、+65.2%)となった。
| 項目 | 24年度 | 25年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 91,902 | 81,059 | ▲10,843(▲11.8%) |
| 営業利益 | 1,622 | 2,122 | +500(+30.8%) |
| (内 在庫影響) | ▲299 | ▲294 | +5 |
| 持分法投資損益 | 226 | 25 | ▲201(▲88.9%) |
| 営業+持分 | 1,848 | 2,147 | +299(+16.2%) |
| (在庫影響除き) | 2,147 | 2,441 | +294(+13.7%) |
| 経常利益 | 2,148 | 2,296 | +148(+6.9%) |
| 特別損益 | ▲564 | ▲75 | +489 |
| 当期純利益 | 1,041 | 1,719 | +678(+65.2%) |
| (在庫影響除き) | 1,248 | 1,923 | +675(+54.1%) |
セグメント別の状況
セグメント別の営業利益+持分法投資損益(在庫影響除き)は、燃料油がタイムラグ改善(前年比+967億円)や輸出の増加(数量+32、価格+416)などにより前年比+551億円増の2,071億円となった。電力・再生可能エネルギーは前年発生したトラブルの解消及び前年実施の減損に伴う償却費減などにより▲18億円と105億円改善した。一方、資源は石炭の価格下落(▲360億円)やコスト増(▲35億円)、数量減(▲27億円)などにより331億円と前年比▲442億円の減益となった。
| セグメント | 24年度 | 25年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 燃料油 | 1,520 | 2,071 | +551 |
| 基礎化学品 | ▲80 | ▲68 | +11 |
| 高機能材 | 282 | 334 | +52 |
| 電力・再生可能エネルギー | ▲123 | ▲18 | +105 |
| 資源 | 774 | 331 | ▲442 |
| (内 石油開発) | 187 | 140 | ▲46 |
| (内 石炭) | 587 | 191 | ▲396 |
| その他 | ▲227 | ▲209 | +17 |
| セグメント合計 | 2,147 | 2,441 | +294 |

通期業績予想
2026年度よりIFRS任意適用を開始し、セグメント利益の指標を「営業利益+持分法投資損益」から「金融費用除き税引前損益」に変更した(会計基準変更のため前年との単純比較は不可)。26年度は原油価格下落を前提とした大幅なマイナスのタイムラグの発生を見込み、金融費用除き税引前損益(在庫影響除き)は1,400億円、当期純利益(在庫影響除き)は900億円を予想する。
| 項目 | 25年度実績(日本基準) | 26年度予想(IFRS基準) |
|---|---|---|
| 営業+持分投資損益(在庫影響除き) | 2,147(2,441) | - |
| 金融費用除き税引前損益(在庫影響除き) | - | 1,200(1,400) |
| 当期純利益(在庫影響除き) | 1,719(1,923) | 750(900) |

| セグメント | 25年度実績(営業+持分法投資損益) | 26年度予想(金融費用除き税引前損益) |
|---|---|---|
| 燃料油(在庫影響除き) | 2,071 | 1,050 |
| 基礎化学品 | ▲68 | ▲300 |
| 高機能材 | 334 | 320 |
| 電力・再生可能エネルギー | ▲18 | 40 |
| 資源 | 331 | 450 |
| (内 石油開発) | 140 | 160 |
| (内 石炭) | 191 | 290 |
| その他 | ▲209 | ▲160 |
| セグメント合計(在庫影響除き) | 2,441 | 1,400 |
| 在庫影響 | ▲294 | ▲200 |

株主還元
2025年度の配当は36円/株(中間18円/株、期末18円/株)。5月12日には250億円の自己株式取得を決議し、配当及び自己株式取得により総還元性向50%以上の水準とした。2026年度の配当は現時点で36円/株(中間・期末ともに18円/株)を予定し、2026年度より累進配当を導入する。2026~2030年度は在庫影響除き当期純利益に対して総還元性向50%以上の水準を継続する方針。
中期経営計画/トピックス
5月12日に中期経営計画を公表した。また、LNG事業への本格参入に向けMidOcean Energyへ5億米ドルの出資を決定したほか、三井と出光の合弁会社プライムポリマーが行うPO事業と住友のPP事業・LLDPE事業の統合について、公正取引委員会から排除措置命令を行わない旨の通知を受領した。ベトナム・ニソン製油所は2025年度、高稼働を継続し、タイムラグ及び在庫影響等を除けば営業段階では黒字であったが、金利負担の大きさから最終赤字となり、スポンサー間で劣後ローンの単利化など金利負担低減策を準備中である。
※本記事は出光興産が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。