※本記事はタカラバイオが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
タカラバイオの2025年3月期(通期)は、売上高45,039百万円(前期比3.5%増)の増収となったものの、売上総利益26,067百万円(前期比3.1%減)、営業利益2,263百万円(前期比24.6%減)、経常利益2,592百万円(前期比23.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,041百万円(前期比29.6%減)と減益となった。世界的なライフサイエンス研究市場の低迷が続くなか、為替変動による増収効果はあったものの、研究開発費を抑制しても補いきれず営業利益が減少した。2026年3月期は売上高52,500百万円(前期比16.6%増)、営業利益2,500百万円(前期比10.5%増)を見込む。
連結業績(2025年3月期 実績)
営業利益減少の要因として、資料は売上数量減少▲276百万円、売上構成差▲2,417百万円、為替変動影響+1,852百万円(売上総利益の減少計▲841百万円)、人件費・その他経費の増加▲1,326百万円、研究開発費の抑制+1,426百万円、販売費及び一般管理費の減少(計)+100百万円を挙げ、これらにより営業利益は前期比▲740百万円の2,263百万円になったとしている。試薬事業の地域別売上高は、米国12,879百万円(前期比+234百万円)、中国7,262百万円(同+1,477百万円、現地通貨ベースで+18.3%)、日本6,497百万円(同▲847百万円)、欧州3,411百万円(同▲270百万円)などとなった。
| 項目 | 2025年3月期(実績) | 前期比増減額 | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 45,039百万円 | +1,533百万円 | +3.5% |
| 売上原価 | 18,972百万円 | +2,374百万円 | +14.3% |
| 売上総利益 | 26,067百万円 | ▲841百万円 | ▲3.1% |
| 販売費及び一般管理費 | 23,804百万円 | ▲100百万円 | ▲0.4% |
| 営業利益 | 2,263百万円 | ▲740百万円 | ▲24.6% |
| 経常利益 | 2,592百万円 | ▲812百万円 | ▲23.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,041百万円 | ▲439百万円 | ▲29.6% |
| 要因 | 金額(前期比) |
|---|---|
| 売上数量減少 | ▲276百万円 |
| 売上構成差 | ▲2,417百万円 |
| 為替変動影響 | +1,852百万円 |
| 人件費・その他経費の増加 | ▲1,326百万円 |
| 研究開発費の抑制 | +1,426百万円 |
| 営業利益の減少(計) | ▲740百万円 |

カテゴリー別売上高の状況
遺伝子医療は、レトロネクチン®、AM製品が売上を伸ばし前期比17.1%増の3,757百万円。機器は、PCR関連装置(日本)・シングルセル解析システム(米国)が増収し前期比31.3%増の1,172百万円。受託は、ベクター製造受託や品質試験受託が増収した一方、細胞加工受託の減収の影響が大きく全体では前期比1.5%増の8,113百万円にとどまった。遺伝子解析/検査は、シングルセル解析、空間解析などの新メニューが好調で前期比8.1%増の3,588百万円。試薬は、世界的なライフサイエンス研究市場の低迷の影響を受けたが、為替変動の影響により前期比1.9%増の31,995百万円となった。
| カテゴリー | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(予想) | 予想の前期比 |
|---|---|---|---|
| 試薬 | 31,995百万円 | 37,103百万円 | 16.0%増 |
| 機器 | 1,172百万円 | 1,768百万円 | 50.8%増 |
| 受託 | 8,113百万円 | 10,203百万円 | 25.8%増 |
| 再生医療等製品 | 4,102百万円 | 5,717百万円 | 39.3%増 |
| 遺伝子解析/検査 | 3,588百万円 | 4,081百万円 | 13.7%増 |
| その他 | 422百万円 | 405百万円 | 4.1%減 |
| 遺伝子医療 | 3,757百万円 | 3,424百万円 | 8.9%減 |
| 合計 | 45,039百万円 | 52,500百万円 | 16.6%増 |

通期業績予想(2026年3月期)
2026年3月期の連結業績予想は、売上高52,500百万円(前期比16.6%増)、売上総利益30,025百万円(前期比15.2%増)、販管費27,525百万円(前期比15.6%増)、営業利益2,500百万円(前期比10.5%増)、経常利益2,500百万円(前期比3.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円(前期比24.8%増)を見込む。上期は営業利益▲1,450百万円、経常利益▲1,430百万円と赤字を見込み、下期に営業利益3,950百万円(前期比114.0%増)を計画する。営業利益の増加要因として、資料は売上数量増加+4,854百万円、売上構成差▲355百万円、為替変動影響▲541百万円、研究開発費の増加▲785百万円、販売費及び一般管理費の増加▲3,721百万円を挙げている。
| 項目 | 2026年3月期(通期予想) | 2025年3月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 52,500百万円 | 45,039百万円 | 16.6%増 |
| 売上総利益 | 30,025百万円 | 26,067百万円 | 15.2%増 |
| 販売費及び一般管理費 | 27,525百万円 | 23,804百万円 | 15.6%増 |
| 営業利益 | 2,500百万円 | 2,263百万円 | 10.5%増 |
| 経常利益 | 2,500百万円 | 2,592百万円 | 3.6%減 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,300百万円 | 1,041百万円 | 24.8%増 |

中期経営計画の進捗と各事業の施策
資料は、「中期経営計画2025」について、事業構造の変革を進め試薬/機器事業の持続的成長とCDMO事業の飛躍的成長によりコロナ・クリフからの脱却とV字回復を目指す計画であったが、世界的なライフサイエンス研究市場の低迷が続き定量目標未達となる見込みであるとし、その方向性は堅持して次期中期経営計画/長期経営構想に繋げるとしている。2026年3月期も市場環境の急速な回復は見込めず、米中貿易摩擦の各事業への影響が顕在化するなど事業環境が激変しているとしている。各事業の施策として、試薬事業(日本)ではCurio社製品の国内展開とOEM/カスタム製品へのシフトを加速、試薬事業(米国・欧州)ではCurio社製品とNGS関連製品の拡販による大幅増収を計画、機器事業ではシングルセル/空間解析分野など既存PCR分野以外への事業展開を加速するとしている。受託事業では、2025年5月1日付でViSpot株式会社を吸収合併し、ウイルス安全性評価試験の受託サービスをCDMO事業に組込むとしている。遺伝子医療事業のTBI-1301プロジェクトでは、2025年度より検証的試験を実施し本承認取得時期を早める計画に変更するとしている。

※本記事はタカラバイオが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。