※本記事はステラファーマが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ステラファーマの2026年3月期は、売上高323百万円(前期比△637百万円、△66.4%)、営業損失△748百万円、経常損失△778百万円、当期純損失△780百万円となりました。前期に計上された海外向売上が当期は計上されなかったこと等により売上高は大幅な減収となり、加えて人件費および研究開発費の増加により、営業損失・経常損失・当期純損失はいずれも拡大しました。2027年3月期は、製造体制再構築および中国向け売上の計上により売上高1,038百万円(+714百万円、221.0%)と大幅な増加を見込む一方、新製造委託先への移管費用ならびに研究開発・海外展開投資の継続により、損失計上を見込んでいます。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の売上高は323百万円で、前期から△637百万円(△66.4%)の減収となりました。損益面では、営業損失△748百万円(前期から△658百万円)、経常損失△778百万円(同△640百万円)、当期純損失△780百万円(同△640百万円)と、いずれも損失が拡大しています。資料は営業損益の差異内容として、前期に計上された海外向売上が当期は計上されなかったこと等による大幅な減収に加え、人件費および研究開発費の増加を挙げています。
| 項目 | 2026年3月期(当期) | 前期からの増減 |
|---|---|---|
| 売上高 | 323百万円 | △637百万円(△66.4%) |
| 営業損失 | △748百万円 | △658百万円 |
| 経常損失 | △778百万円 | △640百万円 |
| 当期純損失 | △780百万円 | △640百万円 |

KPI(消費換算数量)の推移
当社はKPIとして「消費換算数量」を開示しています。消費換算数量は、医療施設で実施された症例数に、当社が独自に算定している平均消費袋数を乗じて得た値を箱数に換算したものです。資料は、全国医療機関および各種関連学会での情報提供活動が奏功し、紹介件数が増加したことにより着実に伸長したと説明しています。
| 決算期 | 消費換算数量(箱数換算) |
|---|---|
| 2021年3月期(実績) | 65 |
| 2022年3月期(実績) | 72 |
| 2023年3月期(実績) | 116 |
| 2024年3月期(実績) | 137 |
| 2025年3月期(実績) | 165 |
| 2026年3月期(実績) | 179 |
製造委託先の変更と安定供給
2025年9月8日に、製剤化工程の委託先であるネオクリティケア製薬が準自己破産により取引停止となり、当社は新たな製造委託会社への移管を進めています。2025年10月2日に新委託先と契約を締結しました。資料によれば、昨年末までに試作は完了し、4月から実機試作製造および安定性試験等を実施、8月頃に製造所一変申請を提出し、2027年1月頃に承認取得を目指して進行中です。新たな製造会社の生産開始までは在庫品により供給を継続するとしています。
2027年3月期 業績予測
2027年3月期は、売上高1,038百万円(+714百万円、221.0%)、営業利益△696百万円(+52百万円)、経常利益△625百万円(+152百万円)、当期純利益△628百万円(+152百万円)を見込んでいます。資料は、製造体制再構築および中国向け売上の計上により売上高は大幅な増加を見込む一方、新製造委託先への移管費用(2027年3月期までの一時費用)ならびに研究開発・海外展開投資の継続により、損失計上を見込むと説明しています。
| 項目 | 2027年3月期(予測) | 前期からの増減 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,038百万円 | +714百万円(221.0%) |
| 営業利益 | △696百万円 | +52百万円 |
| 経常利益 | △625百万円 | +152百万円 |
| 当期純利益 | △628百万円 | +152百万円 |

株主還元
本決算説明会資料には、配当や自己株式取得など株主還元方針に関する記載はありません(開示なし)。
財務戦略(第三者割当増資による資金使途)
資料は第三者割当増資による資金使途として6つの成長テーマを挙げています。希少がんを対象とする臨床試験関連費用(再発膠芽腫の第Ⅲ相支援、初発膠芽腫の第Ⅱ相移行対応)1,473百万円、深部がん治療に向けた研究開発費用1,180百万円、次世代ホウ素化合物の非臨床試験費用2,345百万円、BNCT治療施設拡大に向けた対応費用240百万円、適応拡大に向けたマーケティング活動費用407百万円、海外展開および安定供給体制構築のための製造開発費用1,310百万円です。短期はBNCT治療拠点拡大・マーケティング、中期は希少疾患・海外向け製造開発、長期は深部がん・次世代薬剤に資金を配分するとしています。

成長戦略/開発パイプラインの進捗
当社はBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に使用されるホウ素医薬品の開発および製造販売を行っており、資料では「BNCT用の医薬品で薬事承認を取得している世界で唯一の企業」と説明しています。ステボロニン®点滴静注9000mg/300mLは、2020年に切除不能な局所再発または局所進行頭頸部癌を効能効果として日本での製造販売承認を取得しました。再発髄膜腫と切除不能な血管肉腫は2026年3月に承認申請を行い、資料では両疾患とも2026年末の承認、2027年より治療開始を予定としています。
| 対象疾患 | 開発ステージ(資料記載) |
|---|---|
| 切除不能な再発頭頸部癌及び局所進行頭頸部癌 | 製造販売承認取得・上市(2020年5月) |
| 再発悪性神経膠腫 | 第Ⅲ相医師主導治験実施中 |
| 再発髄膜腫 | 承認申請中 |
| 切除不能な血管肉腫 | 承認申請中 |
| 悪性黒色腫 | 局所に限局したメラノーマから適応を広げることも含めて、開発展開を検討 |
| 初発膠芽腫 | 第Ⅰ相医師主導治験実施中 |
| 胸部悪性腫瘍 | 第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験実施中 |

研究開発・海外展開
研究開発では、従来のBNCTの到達領域・深さ制限(体表から6cm~8cm)を超える次世代BNCTの研究開発を推進しており、FBPA-PET評価、非臨床試験、臨床試験等を通じて深部がん治療の実現に向けた研究開発を進めています。また、アカデミアとの連携により次世代BNCT用PVA製剤の開発を加速しています。海外展開では、2026年3月に中国・海南島において治療が開始され、鵬博(海南)BNCTセンターでは2026年4月治療開始とされています。イタリア(CNAO)については2028年~治験開始(予定)としています。
※本記事はステラファーマが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。