※本記事はデジタルガレージが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
デジタルガレージの2026年3月期(通期)は、連結税引前利益が30億円(前期は102億円の損失)となり、前期に計上した投資評価損の反動等により132億円の増益となった。プラットフォームソリューション(PS)は税引前利益91億円(前期比+3.6%)、ロングタームインキュベーション(LTI)は18億円(同+80.8%)、グローバル投資インキュベーション(GII)は△12億円(前期△89億円)。決済取扱高は9.1兆円(同+21.1%)に拡大した。今期を新中期経営計画への移行期と位置付け、カカクコムの株式公開買付けやIon Pacificとの戦略提携によるオフバランス化を進めている。
連結業績(当期 実績)
連結税引前利益は2,966百万円(前期は10,216百万円の損失)。主にGIIセグメントで前期に計上した暗号資産領域の投資先に係る評価損の反動等により、前期比13,182百万円の増益となった。全社調整は△6,642百万円(前期△10,997百万円)。
| 項目(百万円) | FY25.3 | FY26.3 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 連結税引前利益 | -10,216 | 2,966 | +13,182 | – |
| PS | 8,757 | 9,074 | +317 | +3.6% |
| LTI | 969 | 1,752 | +783 | +80.8% |
| GII | -8,946 | -1,218 | +7,728 | – |
| 全社調整 | -10,997 | -6,642 | +4,354 | – |

セグメント別の状況
PSセグメントは決済取扱高が9.1兆円(前期7.5兆円、+21.1%)に拡大した一方、決済事業は加盟店の解約等により収益成長が軟化し固定費増を吸収しきれず減益(税引前利益6,767百万円、前期比△3.7%)。マーケティングは決済・金融ビジネス市場の活性化を追い風に伸長し、税引前利益2,307百万円(同+27.5%)となった。PS全体の税引前利益は9,074百万円(同+3.6%)。LTIはカカクコム等からの持分法利益が想定通り減少したものの、アプリペイやMusubellなど複数の戦略事業が収益化フェーズへ移行し事業損失が縮小、税引前利益は1,752百万円(同+80.8%)となった。GIIは前期に計上した暗号資産領域の投資先に係る評価損の反動等により△1,218百万円(前期△8,946百万円)、投資事業収入は3年累計157億円(24.3期~26.3期)となった。
| 区分 | 指標 | FY25.3 | FY26.3 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 決済 | セグメント収益(百万円) | 17,641 | 19,523 | +10.7% |
| マーケティング | セグメント収益(百万円) | 4,976 | 5,670 | +14.0% |
| PS計 | セグメント収益(百万円) | 22,644 | 25,193 | +11.3% |
| 決済 | セグメント利益(百万円) | 7,023 | 6,767 | -3.7% |
| マーケティング | セグメント利益(百万円) | 1,809 | 2,307 | +27.5% |
| PS計 | セグメント利益(百万円) | 8,757 | 9,074 | +3.6% |

通期業績予想
当期中を目途に新中期経営計画を公表予定のため、今期のPSセグメント業績予想は非開示となっている。会社は現中期経営計画(24.3期~28.3期)の5ヵ年目標として、税引前利益成長率5年CAGR20%以上、決済取扱高15兆円以上(28.3期)、投資事業収入5年累計300億円以上、株主還元(普通配当)5年総額100億円以上を掲げており、3年目時点の進捗は下表のとおり。
| KPI(5ヵ年目標) | 目標 | 進捗実績 | 評価・見通し |
|---|---|---|---|
| 税引前利益成長率(5年CAGR) | 20%以上 | +9.4%(3年CAGR) | テイクレート競争や組織戦略の判断ミスに伴う固定費増加により計画からビハインド |
| 決済取扱高(28.3期) | 15兆円以上 | 9.1兆円(FY26.3) | 一部の大型加盟店離反等が影響し前期単年度目標の10兆円には届かず |
| 投資事業収入(5年累計) | 300億円以上 | 157億円(3年累計) | Ion Pacificとの戦略提携により目標の早期達成の見通し |
| 株主還元・普通配当(5年総額) | 100億円以上 | 65億円(3年累計) | 記念配当を含め3年累計65億円を実施、オフバランス化によるキャッシュ創出を踏まえ前倒し達成見込み |

株主還元
株主還元方針は、PSセグメントを中心とした基礎事業キャッシュフローをベースとした累進配当(配当性向30%目安)を基本とし、新規事業(LTI)による配当上乗せを目指す。加えて、投資事業キャッシュフローによる特別配当・自己株式取得等の追加還元を積極的に検討する。3年累計では記念配当を含め65億円の配当を実施し、5年総額100億円以上の目標は前倒し達成が見込まれている。カカクコムに対する公開買付けが2027年3月期中に完了した場合、想定キャッシュイン約250億円のうち約35億円を機動的な株主還元に充当する計画。

中期経営計画/トピック
現中期経営計画は投資事業のオフバランス化進展に伴い「投資事業収入300億円」と「株主還元100億円」の達成見込みとなったことを踏まえ、決済周辺領域への集中投資を軸とした新中期経営計画へ移行する。具体的には、EQT(Akkergeelster Limited)とのコンソーシアムによりカカクコムに対し株式公開買付けを実施し、成立した場合カカクコムは上場廃止、当社は約20%の株式を継続保有する予定(2027年3月期中に本取引が完了した場合、関係会社株式売却益として約300億円を計上の見込み)。また、世界最大級のセカンダリーファンド運用会社「Ion Pacific」との戦略的パートナーシップにより、保有する投資ポートフォリオの大部分を共同ファンドへ段階的に移管しオフバランス化を進める。決済事業と金融を融合した新事業として、りそなグループとの共同でSME向けデジタル金融事業「Digital Garage Bank(DG Bank、仮称)」の期中ローンチを予定している。
※本記事はデジタルガレージが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。