カルナバイオサイエンス

カルナバイオサイエンス、2025年12月期は当期純損失2,171百万円 資金調達で財務基盤を強化

決算サマリー 2026.08.27
カルナバイオサイエンス、2025年12月期は当期純損失2,171百万円 資金調達で財務基盤を強化

※本記事はカルナバイオサイエンスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

カルナバイオサイエンス株式会社は2025年12月期の連結決算を発表した。売上高は579百万円(前期比9.0%減)、当期純損益は2,171百万円の損失(前期は2,178百万円の損失)となった。創薬支援事業は大口顧客の研究フェーズ移行の影響などで減収となった一方、創薬事業ではdocirbrutinib(AS-1763)等の臨床試験費用を中心に投資を継続した。会社は2025年12月18日に通期計画を修正しており、実績は修正後計画を上回った(損失額は縮小)。財務面では新株予約権付社債の発行などにより資金調達を実施した。

目次

連結業績(2025年12月期 実績)

2025年12月期の連結業績は、売上高579百万円(前期比9.0%減)、営業損益2,074百万円の損失(前期は2,076百万円の損失)、経常損益2,144百万円の損失(前期は2,080百万円の損失)、当期純損益2,171百万円の損失(前期は2,178百万円の損失)となった。研究開発費は1,851百万円(前期比35百万円減)だった。会社は2025年12月18日に通期計画を修正しており、実績は売上高・営業損益・経常損益・当期純損益のいずれも修正後計画を上回った(損失額が縮小)。(注)百万円未満は切り捨てて表示している。

項目2024年12月期実績2025年12月期実績前年比2025年12月期12/18修正計画
売上高636579△57(△9.0%)560
営業損益△2,076△2,074+1△2,133
経常損益△2,080△2,144△64△2,196
当期純損益△2,178△2,171+7△2,223
研究開発費1,8861,851△351,896
売上高・営業費用推移
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.9

セグメント別(創薬支援事業・創薬事業)の状況

事業別では、創薬支援事業の売上高は579百万円(前期比9.0%減)となった。国内向けおよび中国向けのタンパク質販売は堅調に推移した一方、国内向けプロファイリングサービスおよび欧州向けのタンパク質販売は、大口顧客がプロファイリングサービスやタンパク質を使用しない研究フェーズに入った影響を受けて低調に推移した。創薬支援事業の営業損益は50百万円の損失(前期は34百万円の損失)となった。創薬事業は開発段階プログラムへの積極的な投資を継続し、営業損益は2,024百万円の損失(前期は2,041百万円の損失)となった。docirbrutinib(AS-1763)のフェーズ1b試験が順調に進捗し、docirbrutinibおよびmonzosertib(AS-0141)の臨床試験費用・治験薬製造関連費用を中心に開発段階プログラムへの投資を継続した。

事業指標2024年12月期実績2025年12月期実績
創薬支援売上高636579
創薬支援営業損益△34△50
創薬営業損益△2,041△2,024
地域2023年2024年2025年前年比
国内22319816914.9%減
米国4262762596.2%減
欧州112614722.2%減
その他155991023.3%増

創薬支援事業の地域別売上高では、国内が前年比14.9%減、米国が前年比6.2%減、欧州が前年比22.2%減となった一方、その他地域は前年比3.3%増となった。国内は大口顧客の研究フェーズがプロファイリングの利用頻度が低い段階にあることなどの影響を受けた。米国はタンパク質販売がバイオベンチャーからの受注獲得により小幅な減少にとどまる一方、NanoBRETサービスが低迷したことなどにより地域全体では減収となった。欧州は前年度に大口顧客の研究が進展しキナーゼタンパク質を使用しないフェーズに移行した影響が続いた。その他地域は主要顧客である中国CRO向けのタンパク質販売が好調に推移した。

自社開発パイプラインの概要
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.11

財務状況と資金調達

2025年12月期末の連結総資産は1,229百万円(前期末2,772百万円から1,542百万円減少)、現金及び預金は516百万円(前期末2,108百万円から1,591百万円減少)となった。純資産合計は309百万円(前期末2,475百万円から2,166百万円減少)で、当期純損失の計上が主因である。自己資本比率は25.1%(前期末89.2%)、1株当たり純資産は16.16円(前期末129.62円)だった。会社は2025年7月から11月にかけて、第1回から第3回までの無担保転換社債型新株予約権付社債を発行し、総額6.75億円の資金調達プログラムを計画どおり完了した。さらに2026年1月29日には、docirbrutinib(AS-1763)開発促進新株予約権、第2回無担保普通社債、代表取締役への第三者割当増資を組み合わせた資金調達を発表し、調達額は合計4,726百万円(社債の買入消却・償還費用2,100百万円を控除後2,626百万円)とした。調達資金の使途は、docirbrutinib(AS-1763)およびmonzosertib(AS-0141)の臨床開発費用1,335百万円、開発化合物の創製・研究費用等762百万円、運転資金529百万円としている。

資金調達の概要
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.32

2026年12月期業績計画

会社が公表した2026年12月期の計画は、売上高720百万円、営業損益2,028百万円の損失、経常損益2,053百万円の損失、当期純損益2,090百万円の損失である。研究開発費は1,950百万円を計画している。創薬事業におけるマイルストーン収入・契約一時金収入は収入獲得の時期・金額の予想が困難なため、2026年の事業計画には織り込んでいない。

項目2025年12月期実績2026年12月期計画
売上高579720
営業損益△2,074△2,028
経常損益△2,144△2,053
当期純損益△2,171△2,090
研究開発費1,8511,950
2026年事業計画
出典:2025年12月期 決算説明資料 P.37

パイプラインの進捗

自社開発パイプラインは、docirbrutinib(AS-1763)、sofnobrutinib(AS-0871)、monzosertib(AS-0141)の3化合物である。docirbrutinibは2025年12月のアメリカ血液学会(ASH2025)にてフェーズ1b試験の途中結果を発表し、因果関係のあるグレード3以上の有害事象の発生割合は13%、CLL/SLL・MCL・WM患者の全ての症例で腫瘍縮小が認められたとしている。sofnobrutinibは2023年にフェーズ1試験を完了し、現在は導出もしくは共同開発を目指して活動している。monzosertibはフェーズ1試験の最後の患者の治験が終了しデータ解析中で、フェーズ1b試験(医師主導治験)の開始に向けてテキサス大学MDアンダーソンがんセンターとMOUを締結した。導出済みパイプラインでは、ギリアド社へのDGKα阻害剤導出について、2025年8月にギリアド社のポートフォリオ優先付けに基づく決定によりフェーズ1試験への新規患者登録が中止された一方、ライセンス契約は引き続き有効に存続しているとしている。住友ファーマとの共同研究は開発候補化合物を選定中である。

※本記事はカルナバイオサイエンスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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