※本記事は東和薬品が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東和薬品の2026年3月期(2025年4月~2026年3月)連結決算は、売上高2,737億円(前期比+5.4%)、営業利益231億円(同-0.6%)となった。経常利益は、デリバティブ評価益を約53億円計上したことにより280億円(同+7.4%)と増益。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、三生医薬ののれん減損損失を約147億円計上したことにより52億円(同-72.3%)と大幅減益となった。計画比では、売上高97.8%、営業利益85.6%と計画未達だった。
連結業績(当期実績)
売上高は、東和薬品ほかにおいて販売数量・単価がともに伸びたことと、Towa INTにおいて欧州がBtoB・BtoCともに伸長したことにより増収。営業利益は、三生医薬ほかの事業ミックス悪化による売上原価率の上昇を補いきれず減益となった。計画比では、東和薬品ほかで限定出荷解除後の売上が想定より伸びなかったことと、三生医薬ほかでニューアプリケーション事業が落ち込んだことにより、売上高・営業利益ともに計画未達となった。(以下、単位:百万円)
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 273,710 | 259,594 | +5.4% |
| 売上原価 | 174,606 | 164,865 | +5.9% |
| 売上総利益 | 99,104 | 94,729 | +4.6% |
| 販管費 | 76,001 | 71,486 | +6.3% |
| 営業利益 | 23,102 | 23,242 | -0.6% |
| 経常利益 | 28,079 | 26,152 | +7.4% |
| 税引前当期純利益 | 13,165 | 26,330 | -50.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,250 | 18,986 | -72.3% |
セグメント別の状況
国内セグメントは、東和薬品ほか(東和薬品、ジェイドルフ製薬、大地化成、グリーンカプス製薬、九州医薬)と三生医薬ほか(三生医薬、サン・フレイルラボラトリ)に区分される。東和薬品ほかは、生産数量の増加に伴う市場への供給数量の増加や、近年追補品の拡売・仕切り価戦略の効果による単価上昇により増収増益。三生医薬ほかは、国内健康食品事業が伸長したものの、ニューアプリケーション事業が失注により落ち込み、事業ミックスが悪化して大幅減益となった。海外セグメント(Towa INT)は、欧州でニトロソアミン基準厳格化前の駆け込み需要による受託製造の増加やBtoC主力製品の伸長により増収増益となったが、米国はニトロソアミン問題による主力製品の売上悪化が続き減収となった。(以下、単位:百万円)
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 |
|---|---|---|---|
| 国内セグメント | 売上高 | 216,976 | 206,103 |
| 国内セグメント | セグメント利益 | 27,097 | 27,216 |
| 東和薬品ほか | 売上高 | 188,102 | 177,481 |
| 東和薬品ほか | セグメント利益 | 26,236 | 25,169 |
| 三生医薬ほか | 売上高 | 28,873 | 28,621 |
| 三生医薬ほか | セグメント利益 | 861 | 2,046 |
| 海外セグメント(Towa INT) | 売上高 | 57,630 | 53,865 |
| 海外セグメント(Towa INT) | セグメント利益 | 458 | 449 |
| 欧州 | 売上高 | 38,432 | 33,296 |
| 欧州 | セグメント損失 | -700 | -1,141 |
| 米国 | 売上高 | 19,197 | 20,569 |
| 米国 | セグメント利益 | 1,159 | 1,591 |

通期業績予想
2027年3月期は、売上高3,040億円(前期比+11.1%)、営業利益320億円(同+38.5%)、当期純利益215億円(同+309.5%)を計画。東和薬品ほかにおける生産数量増加とセールスミックス改善、三生医薬ほかにおける事業ミックス改善、Towa INTにおける欧州BtoCと米国での新製品発売により増収増益を見込む。三生医薬のれん償却費は約34億円/年から約9億円/年に減少する。経常利益にはデリバティブ評価損益を含めていない(前期はデリバティブ評価益を約53億円計上)。当期純利益は、前期に計上した減損損失約147億円の反動により大幅増益の計画。(以下、単位:百万円)
| 項目 | 予想 | 前期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 304,000 | 273,710 |
| 売上原価 | 190,000 | 174,606 |
| 売上総利益 | 114,000 | 99,104 |
| 販管費 | 82,000 | 76,001 |
| 営業利益 | 32,000 | 23,102 |
| 経常利益 | 30,000 | 28,079 |
| 税引前当期純利益 | 30,000 | 13,165 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 21,500 | 5,250 |

株主還元
本資料に配当や自己株式取得等の株主還元方針に関する記載はありません。
中期経営計画/トピックス
第6期中期経営計画2024-2026「PROACTIVE Ⅲ」について、2027年3月期計画を踏まえた計数目標の進捗は、売上高(連結3,000億円達成、単体2,000億円達成)と研究開発費(累計550億円以上)が達成見込みである一方、営業利益(累計800億円以上)はやや下回る見通し。さらなる増産に向けた設備投資の拡大や安定供給のための棚卸資産増加により有利子負債が想定より増加したため、ROIC(最終年度・連結)は目標6%以上(のれん影響あり)を下回る見通し。
| 項目 | 目標 | 進捗状況・見通し |
|---|---|---|
| 売上高(最終年度・連結) | 3,000億円達成 | 3,040億円 |
| 売上高(最終年度・単体) | 2,000億円達成 | 2,080億円 |
| 営業利益(累計・連結) | 800億円以上 | 783億円 |
| ROIC(最終年度・連結、のれん影響あり) | 6%以上 | 5.3% |
| ROIC(最終年度・連結、のれん影響なし) | 7%以上 | 5.9% |
| 研究開発費(累計・連結) | 550億円以上 | 554億円 |
| 設備投資(累計・連結) | 600億円以上 | 793億円 |

2026年3月期には、国内健康食品事業やニューアプリケーション事業の外部環境悪化、東和薬品とのシナジー創出の遅れにより、三生医薬ののれん減損損失を約147億円計上した。これにより2027年3月期以降ののれん償却費は、約34億円/年から約9億円/年に減少する見込み(2032年3月期まで)。また、限定出荷品目数は2026年4月時点で92品目となり、2025年3月末から153品目減少した。2025年8月に自主回収を発表した注射用アンプル製品16品目についても、2026年4月時点で全15品目(販売中止1品目を除く)が通常出荷となっている。

※本記事は東和薬品が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。