扶桑薬品工業

扶桑薬品工業、2026年3月期は増収も研究開発費増で営業減益

決算サマリー 2026.08.19
扶桑薬品工業、2026年3月期は増収も研究開発費増で営業減益

※本記事は扶桑薬品工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

扶桑薬品工業の2026年3月期(2025年度)通期連結業績は、売上高62,307百万円(前年比+2.9%)、営業利益2,639百万円(同▲36.1%)、経常利益2,349百万円(同▲37.9%)、当期純利益2,011百万円となった。マキサカルシトールシリンジや輸液製剤が牽引し増収を確保したものの、原資材・製造委託品・導入品の価格高騰や人的資本投資の増加により原価率が悪化したほか、DMX-200の開発進捗に伴うマイルストーンペイメントなど研究開発費が大きく増加し、営業利益・経常利益は対前年35%強の減益となった。2026年度通期業績予想は売上高63,200百万円、営業利益2,000百万円を見込む。

目次

連結業績(当期実績)

2025年度は、医療ニーズの増大によりマキサカルシトールシリンジが増収に大きく寄与したほか、輸液やリクセルも堅調に推移し、売上高は前年比+2.9%の62,307百万円となった。一方で原資材・製造委託品・導入品の価格高騰やベースアップを含む人的資本投資の増加により原価率が悪化し、加えてDMX-200の開発進捗によるマイルストーンペイメントなど研究開発費が大きく増加したことで、営業利益は2,639百万円(前年比▲36.1%)、経常利益は2,349百万円(同▲37.9%)となった。なお前期は訴訟関連損失引当金繰入額87億4,400万円を特別損失に計上した影響で当期純損失であったため、当期純利益2,011百万円は前年との増減率が開示されていない。

項目当期(2025年度)前期(2024年度)増減
売上高62,307百万円60,563百万円+1,744百万円(+2.9%)
営業利益2,639百万円4,131百万円▲1,491百万円(▲36.1%)
経常利益2,349百万円3,780百万円▲1,431百万円(▲37.9%)
当期純利益2,011百万円△3,288百万円
2025年度通期 業績ハイライト
出典:2026年3月期(第103期)通期決算補足説明資料 P.3

主要領域別売上高(同期比)

領域別の売上高(仕切価×数量ベース)をみると、腎・透析領域は医療ニーズの増大によりマキサカルシトールシリンジが増収に大きく寄与し、リクセルも堅調に推移した。輸液領域はヴィーンシリーズを中心とした電解質輸液の新規増販に加え、大容量製品(注射用水1L、生理食塩液2L)の需要拡大により伸長した。後発品はドパコールが選定療養等により増収、アルガトロバンHI注が急性期領域で浸透し増収となった一方、炭酸ランタンODは減収した。その他は疾患啓発活動による拡販が奏功しセルニルトンが増収したほか、受託製造も伸長した。

領域2024年度2025年度2026年度計画
腎・透析領域34,73535,69036,438
輸液領域11,84113,15013,590
後発品9,5168,1827,588
その他9,46510,25210,429
主要領域別売上高(同期比)
出典:2026年3月期(第103期)通期決算補足説明資料 P.6

通期業績予想

2026年度通期業績予想は、透析剤を含む主力製品の増販や不採算品再算定・最低薬価引き上げ等により売上高63,200百万円(前年比+1.4%)を見込む。売上原価は中東情勢に伴う原資材価格の大幅な高騰を年内を目途とした一過性のものとして保守的に織り込み、原価率は75.3%へ悪化する見通し。販管費(研究開発費除く)は運送関連費の上昇や本社事務所移転等を含む人的資本投資により増加する一方、研究開発費はDimerix社へのマイルストーン支払い分が減少するものの治験費用が通期で発生することなどにより横ばいを見込む。これらにより営業利益は2,000百万円(同▲24.2%)、経常利益は1,400百万円(同▲40.4%)、当期純利益は1,300百万円(同▲35.4%)を予想する。

項目2025年度(実績)2026年度(予想)増減額増減率
売上高62,30763,200+893+1.4%
売上原価46,31247,500+1,188+2.6%
原価率74.3%75.3%
販管費13,35513,700+345+2.6%
(うち研究開発費)2,0132,100+87+4.3%
営業利益2,6392,000△639△24.2%
経常利益2,3491,400△949△40.4%
当期純利益2,0111,300△711△35.4%
2026年度通期業績予想
出典:2026年3月期(第103期)通期決算補足説明資料 P.9

研究開発の進捗

腎・泌尿器領域では、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を対象とした新規作用機序を有する候補物質DMX-200(Repagermanium)の国際共同第3相試験(ACTION3)を実施中。日本を含む21の国・地域で予定症例286例を超える333名の患者が治験に参加している。日本では2025年5月から治験を開始し、2025年9月29日に希少疾病用医薬品の指定を受けた。製造販売承認申請は2029年度、上市は2030年度を予定する。また、胚培養用培養液についても共同研究を進めている。

中期経営方針の進捗

中期経営方針「FUSOビジョン2030 Next Stage」のもと、徹底した品質管理と持続的な安定供給を行う基礎的医薬品メーカーであると同時に、腎臓・泌尿器領域のアンメットメディカルニーズに対応するスペシャリティファーマとして、2030年度に売上高700億円超、ROE8%超を目標とする。生産体制強化として岡山第二工場(鉄骨5階建て、製剤棟約7,000㎡+自動倉庫)を2026年12月に着工し、2028年3月竣工、2028年末の生産稼働開始を予定している。

株主還元

株主還元については、安定供給体制のさらなる強化に向けた投資や成長分野への投資と株主還元のバランスを考慮しつつ、2030年度まで累進配当とすることを目標としており、配当額はDOE(純資産配当率)2.0%を下限値とし、キャッシュフローの動向等を踏まえた機動的な自己株式取得も検討する。2026年度は年間90円(中間45円/期末45円)の配当を予定している。

年度1株当たり配当金
2024年度82円
2025年度90円
2026年度(予想)90円(中間45円/期末45円)
株主還元方針について
出典:2026年3月期(第103期)通期決算補足説明資料 P.15

※本記事は扶桑薬品工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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