鳥居薬品・JT医薬事業・エダラボン事業と続くM&Aの説明が通期・四半期とも大きく厚みを増し、粒度は細分化した。
調査の概要
本記事は、東証プライム市場の時価総額上位500社を対象に、決算短信の「経営成績等の概況」相当部分の記載がどう変化したかを調べた調査の一部で、塩野義製薬分です。
通期: 2025年3月期決算短信 と 2026年3月期決算短信(開示日: 2025年5月12日 → 2026年5月12日)
四半期: 2026年3月期 第1四半期決算短信 と 2027年3月期 第1四半期決算短信(開示日: 2025年7月28日 → 2026年8月3日)
ここでいう定性文とは、決算短信のうち「1. 経営成績等の概況」相当の見出しから、次の大見出しの手前までの記述を指します。文字数は、タイトル名(『』)を除外し、空白を除いて計測しています。
通期決算短信の比較
文字数: 6,297字 → 6,884字(前期比+9.3%、増加)
見出し構成の変化: 変化なし
粒度の判定: 細分化
セグメント情報注記: あり(3字) → あり(3字)
変化の型: 出来事型、要因分析深化型
増えた要素
- 鳥居薬品の連結子会社化とJTグループ医薬事業(JT医薬事業)の吸収分割承継に関する説明
- 見通しにおけるエダラボン(Radicava)事業獲得・米国での希少疾患事業立ち上げの言及
- JTグループ医薬事業M&Aによる創薬基盤(AI・量子コンピューター等)強化の説明
要約: 見出し構成は同一だが、鳥居薬品の連結子会社化とJT医薬事業の吸収分割承継という大型M&Aの説明が加わり、国内・海外事業双方でセグメント言及が大幅に増加した(7→18)。次期見通しでもエダラボン事業・希少疾患事業の新規記述が加わった。
四半期決算短信の比較
文字数: 2,087字 → 3,263字(前期比+56.3%、増加)
見出し構成の変化: 変化なし
粒度の判定: 細分化
セグメント情報注記: あり(158字) → あり(3字)
変化の型: 出来事型、会計基準変更型
増えた要素
- 田辺ファーマからのエダラボン事業承継に関する説明(暫定的な会計処理を含む)
- ViiV Healthcare社の持分法適用関連会社化に伴う会計処理・損益影響の説明
- 前年度M&A(鳥居薬品・JT医薬事業・Akros)の取得原価配分確定に伴う遡及修正の説明
要約: 田辺ファーマからのエダラボン事業承継、ViiV社の持分法適用会社化など複数のM&A・会計処理の説明が新たに加わり、セグメント言及も1→15と急増した。売上・利益の内訳説明も詳細化した。
定性文の全文(前期・今期)
通期 2025年3月期
出典: 塩野義製薬 2025年3月期 決算短信〔IFRS〕、開示日 2025年5月12日(https://www2.jpx.co.jp/disc/45070/140120250509538686.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況① 販売および利益の状況当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)の業績は、以下の通りであります。(単位:百万円)当連結会計年度 前連結会計年度 増減 増減率(%)売上収益 438,268 410,073 28,195 6.9売上収益(ライセンス移管438,268 435,081 3,186 0.7に伴う利益含む)営業利益 156,603 153,310 3,292 2.1
※1コア営業利益 158,362 170,421 △12,059 △7.1税引前利益 200,750 198,283 2,466 1.2親会社の所有者に帰属する170,435 162,030 8,405 5.2当期利益
※2EBITDA 179,296 188,745 △9,449 △5.0
※1 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益※2 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益売上収益(ライセンス移管に伴う利益を含む)につきましては4,383億円(前期比0.7%増)となりました。前連結会計年度はADHD治療薬のライセンス移管に伴う一時金250億円が計上されていましたが、海外事業およびロイヤリティー収入の増加を中心に、各事業が伸展した結果、当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を上回り、3年連続で過去最高の売上収益を更新する結果となりました。利益面につきまして、売上収益に占める製品構成の変化に伴う売上原価の増加に加え、主要な開発プロジェクトへの積極的な投資や為替の影響による研究開発費の増加、さらにはグローバル展開に伴う販売費および一般管理費の増加等により、費用は前連結会計年度に比べて増加しました。一方で、前連結会計年度は特別早期退職プログラムの実施による一過的な費用が発生したこともあり、費用全体の増加幅は限定的となりました。結果として費用は増加したものの、各事業の伸展により売上収益が増加したことで、営業利益は1,566億円(同2.1%増)となりました。また、税引前利益につきましては2,008億円(同1.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては1,704億円(同5.2%増)、EBITDAにつきましては1,793億円(同5.0%減)となりました。当連結会計年度は、グローバル展開や中長期の成長に向けた新規事業ならびに成長ドライバーに対する積極投資を行ったことで、売上収益と営業利益について3年連続で過去最高業績を更新する結果となりました。■国内医療用医薬品国内の医療用医薬品の売上収益は988億円(前期比34.6%減)となりました。これは、前連結会計年度に計上されたADHD治療薬のライセンス移管に伴う一時金250億円の影響に加え、感染症薬の売上が減少したことが主な要因です。前連結会計年度と比較して、 COVID-19の流行が極めて低調に推移したことで、ゾコーバの売上は減少しました。一方で、COVID-19治療薬市場におけるゾコーバのシェアは、前連結会計年度と比較して大きく拡大しました。また、インフルエンザ治療薬のゾフルーザについても高い市場シェアを獲得し、今冬のインフルエンザの流行拡大時には着実に売上を計上しました。各製品はそれぞれの治療薬市場において、計画通りのシェアを獲得しており、今後も流行が拡大した際には安定して業績に貢献することが期待されます。当連結会計年度のCOVID-19関連製品およびインフルエンザ関連製品(ゾフルーザ、ラピアクタ)の売上収益の合計は518億円となりました。また、当連結会計年度においては2024年12月より不眠症治療薬クービビックの販売を新たに開始しました。■海外子会社および輸出海外事業における売上収益は591億円(前期比18.4%増)となりました。欧米市場ではセフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja)の販売が好調に推移し、米国事業は234億円(同30.6%増)、欧州事業は168億円(同24.0%増)の売上収益となりました。セフィデロコルの成長の要因としては、既上市国における臨床エビデンスの蓄積による市場浸透が挙げられます。引き続き、セフィデロコルの販売国の拡大や既上市国
※でのさらなる浸透、サブスクリプション型償還モデルの採用国の拡大を通じ、欧米事業の成長を促進してまいります。中国における売上収益は、87億円(同18.3%減)と対前年で減収となりましたが、一方でセフィデロコルの承認申請の実施や、ナルデメジンの第3相臨床試験での主要評価項目の達成など、新薬ビジネスへの転換に向けて着実に事業を進展させることができました。
※ 抗菌薬の処方量と切り離し、国が開発企業に対して固定報酬を支払う代わりに、必要なときに抗菌薬を受け取ることができるモデル■ロイヤリティー収入およびヴィーブ社からの配当金収入ヴィーブ社からのロイヤリティー収入は、 経口2剤合剤や長時間作用型製剤(Long Acting製剤:LA製剤)の力強い成長に加え、為替の影響もあり、2,404億円(前期比22.8%増)となりました。その他のロイヤリティー収入は、43億円(同6.8%減)となりました。ヴィーブ社からの配当金は、ヴィーブ社のビジネスが順調に進捗したことで、 403億円(同18.8%増)となりました。以上の結果から、当連結会計年度のロイヤリティー収入およびヴィーブ社からの配当金収入の合計は、2,850億円(同21.6%増)となり、過去最高の金額を更新しました。
② 研究開発の状況2024年度は、COVID-19関連プロジェクトや注力プロジェクトを中心に積極的に研究開発活動を推進し、進展させました。■研究次世代3CLプロテアーゼ阻害剤であるS-892216について、COVID-19の治療および予防を目的として、長時間作用型製剤と経口剤の2種類の製剤で開発が進行中です。2024年度は長時間作用型製剤における曝露前予防の適応
※について、研究を進展させるとともに、米国BARDAから開発支援として、375百万ドル(約585億円)の助成金を受領する契約を締結しました。 ※1ドル=156円換算、契約締結時の為替レート水準2024/2025シーズンの予防接種における推奨株であるJN.1系統に対応したCOVID-19予防ワクチンのS-268024については、今後の推奨株に対応したワクチン開発に向けて、研究を進展させ、2024年度は第3相臨床試験を開始しました。S-567123(ユニバーサルワクチン)は、単剤で幅広い変異に対して予防効果を発揮することが期待される次世代型ワクチンです。まずは、COVID-19に対するユニバーサルワクチンの開発を目指しており、2024年度は非臨床試験や治験薬製造に向けた検討を進展させました。S-917091は、インテグラーゼ阻害薬とは異なる作用機序の抗HIV薬候補です。インテグラーゼ阻害薬と併用することで、超長時間作用型(3ヵ月以上に1回投与)のHIV治療を可能とすることを目指し、2024年度は各種の研究を進展させました。S-898270は、学習記憶を始めとする認知機能を向上させることが期待される認知症治療薬候補です。2025年度上期中の第1相臨床試験の開始を目指し、研究を進展させました。■開発COVID-19の経口抗ウイルス薬エンシトレルビル(日本での製品名:ゾコーバ)については、COVID-19患者の同居家族または共同生活者を対象に実施した、グローバル第3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)にて、主要評価項目を達成しました。経口抗ウイルス薬がCOVID-19の発症抑制効果を示した世界初の臨床試験であり、この結果に基づき、日本ではCOVID-19の予防に関する効能・効果追加申請を行いました。グローバルでの申請については、本試験結果と、これまでに実施した臨床試験の結果を踏まえて、各規制当局と協議を進めています。なお、米国においては、先行してCOVID-19の予防を適応として、ローリング・サブミッション(段階的申請)を開始しました。COVID-19予防ワクチン(起源株1価)であるコブゴーズ筋注は、これまで主に使用されてきたmRNAワクチンとは異なり、長年にわたり国内外で広く使用され、その有効性と長期的な安全性が実証された技術を基盤とする組み換えタンパクワクチンです。2024年度は、SHIONOGI初のワクチンとして、初回免疫における国内製造販売承認を取得しました。S-337395は、経口の新規RSウイルス感染症治療薬です。現時点ではRSウイルスに対する有効な抗ウイルス薬が存在しないため、新たな治療選択肢として期待されています。2024年度は、第2相臨床試験(ヒトチャレンジ試験)において、主要評価項目を達成し、後期臨床試験の開始に向け進展させることができました。ズラノロンは既存薬とは異なる新規の作用機序を有する抗うつ薬で、1日1回14日間の経口投与により、効果を発揮する薬剤です。2024年度は、第3相臨床試験において、プラセボ群に対して、統計学的に有意なうつ症状の改善や即効性、良好な忍容性を確認し、国内での製造販売承認申請を実施しました。S-606001は、低分子の経口ポンペ病治療薬候補です。ポンペ病は世界での患者数が5万人ほどと推定されている希少疾患で、既存治療では満たすことができないアンメットニーズが残されていることから、本剤は、新たな治療選択肢として期待されています。2024年度は、国内第1相臨床試験を進展させました。SASS-001は、睡眠障害に卓越した専門性を持つApnimed社と共同で開発を進める、経口の睡眠時無呼吸症候群を対象とした治療薬候補です。2024年度は第2相臨床試験を開始しました。エンデバーライドは、小児のADHD患者を対象とした治療用アプリです。2024年度は、国内第3相臨床試験の良好な結果に基づき、国内での製造販売承認を取得しました。
(2)当期の財政状態の概況当連結会計年度末の資産合計は1兆5,353億49百万円で、前連結会計年度末に比べて1,184億31百万円増加しました。非流動資産は、6,768億44百万円で、仕掛研究開発資産等の無形資産や使用権資産、その他の金融資産の増加等により前連結会計年度末に比べて441億32百万円増加となりました。流動資産は8,585億4百万円で、3ヶ月超の定期預金および債券(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増減、現金及び現金同等物やその他の流動資産の増加等の結果、前連結会計年度末に比べて742億98百万円増加しました。資本については1兆3,624億97百万円となりました。配当金の支払があった一方で、当期利益の計上により、前連結会計年度末に比べて1,099億34百万円増加しました。負債については1,728億52百万円で、前連結会計年度末に比べて84億96百万円増加しました。非流動負債は434億59百万円で、リース負債の増加等により前連結会計年度末に比べて130億10百万円増加しました。流動負債は1,293億92百万円で、その他の金融負債の減少等により、前連結会計年度末に比べて45億14百万円減少しました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の増加、営業債権の減少、法人所得税の支払額の減少等により、前連結会計年度に比べて411億76百万円多い1,954億60百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出の増加や定期預金の増減等により、前連結会計年度に比べて1,220億2百万円多い1,160億80百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いが増加した一方で、自己株式の取得による支出が前連結会計年度に比べて減少したことにより、前連結会計年度に比べて619億44百万円少ない649億8百万円の支出となりました。これらを合わせた当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は167億4百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、3,747億95百万円となりました。〔キャッシュ・フロー指標のトレンド〕2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期親会社所有者
83.9% 87.2% 88.7%帰属持分比率時価ベースの親会社
134.1% 155.1% 124.4%所有者帰属持分比率キャッシュ・フロー
0.1 0.1 0.1対有利子負債比率インタレスト・1,885.3 937.5 639.7カバレッジ・レシオ(注) 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
(4)今後の見通し2026年3月期の業績につきましては、以下の通り見込んでおります。〔連結業績予想〕(単位:百万円)親会社の所有者に売上収益 営業利益 税引前利益帰属する当期利益2026年3月期予想 530,000 175,000 222,000 180,000■売上収益売上収益について、国内事業は、COVID-19の治療率向上やゾコーバのシェア拡大による急性呼吸器感染症薬の伸長に加え、クービビックをはじめとする新製品の貢献により、増収を見込んでいます。一方、海外事業においては、セフィデロコルの堅調な販売により現地通貨ベースでは拡大を想定しているものの、為替影響により減収となる見込みです。また、ヴィーブ社からのHIV関連製品に関するロイヤリティー収入については、2024年度に引き続き、Dovatoや長時間作用型治療薬Cabenuva、予防薬Apretudeの売上増加により、増収を見込んでいます。さらに、JTグループ医薬事業のM&Aによる売上収益の拡大を見込んでおります。これらの結果より、売上収益全体としては増収となる見通しです。■利益利益面については、国内注力品の増加による情報提供活動の拡大に加え、エンシトレルビルの欧米展開に向けた販売体制の構築や、コーポレート機能のグローバル化、DX推進に伴う販売費および一般管理費の増加を見込んでいます。研究開発費については、グローバル市場で成長ドライバーとなりうる製品の開発を一層加速させるため、創業以来最大規模となる投資を予定しています。これらにより費用全体は増加する見込みですが、それを上回る売上収益の増加を見込んでおり、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のすべての利益項目で増益の見通しです。
通期 2026年3月期
出典: 塩野義製薬 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕、開示日 2026年5月12日
1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況① 販売および利益の状況当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の業績は、以下の通りであります。なお、2025年9月より鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品)を連結範囲に含めております。また、2025年12月より日本たばこ産業株式会社の医薬事業(以下、JT医薬事業)を吸収分割により承継しております。(単位:百万円)当連結会計年度 前連結会計年度 増減 増減率(%)売上収益 499,677 438,268 61,409 14.0営業利益 166,725 156,603 10,121 6.5
※1コア営業利益 160,752 158,362 2,389 1.5税引前利益 238,916 200,750 38,165 19.0親会社の所有者に帰属する205,159 170,435 34,723 20.4当期利益
※2EBITDA 187,720 179,296 8,424 4.7
※1 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益※2 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益売上収益は4,997億円(前期比14.0%増)となりました。海外事業およびロイヤリティー収入の安定した成長に加え、日本たばこ産業(以下、JT)グループの医薬事業(JT医薬事業、国内グループ会社である鳥居薬品、米国グループ会社のAkros社)のM&Aにより鳥居薬品を連結子会社化し売上収益を計上したことで、国内事業も大きく拡大しました。これらの結果、各事業が順調に進展し、当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を上回り、4期連続で過去最高を更新しました。
※利益面につきましては、米国事業における新製品の上市に向けた準備、成長に向けた事業投資に伴うPMIなどに積極的に取り組んだ結果、前連結会計年度に比べて販売費及び一般管理費を中心に費用が増加したものの、営業利益は1,667億円(同6.5%増)となり4期連続で過去最高を更新しました。また、税引前利益につきましては2,389億円(同19.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,052億円(同20.4%増)、EBITDAにつきましては1,877億円(同4.7%増)となりました。当連結会計年度は、2030年Visionの実現に向け、事業の拡大とグローバル化に向けた大規模な事業投資を実施しつつ、売上収益および各利益項目すべてにおいて過去最高業績を達成することができました。
※ Post Merger Integration:企業買収後の統合プロセス■国内医療用医薬品国内の医療用医薬品の売上収益は1,235億円(前期比25.0%増)となりました。2025年9月1日に鳥居薬品を連結子会社化したことで、同社の売上を7ヵ月分計上しています。加えて、塩野義製薬および鳥居薬品の注力製品を、両社でコ・プロモーションすることによって、それぞれの強みを活かした営業活動を推進し、相互補完的に医療機関への情報提供を強化したことによって、売上収益の拡大を実現しました。製品別にみると、急性呼吸器感染症薬の売上収益は338億円(同34.8%減)となりました。前連結会計年度と比較してCOVID-19の流行が極めて低調に推移したことから、抗新型コロナウイルス薬ゾコーバの売上は減少しました。一方で、冬季におけるインフルエンザ流行の拡大に伴い、抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザの売上は増加しました。両薬剤ともに、それぞれの治療薬市場において、高いマーケットシェアを維持し続けることで、一定の売上収益を計上しましたが、急性呼吸器感染症領域全体の売上収益は前連結会計年度を下回る結果となりました。一方で、QOL疾患領域においては、不眠症治療薬クービビックについて、発売から1年が経過し、14日間の投薬期間制限が解除されたことから処方機会が拡大し、売上収益は26億円(同224.1%増)と前連結会計年度を大きく上回りました。さらに、2026年3月には、新規作用機序を有するうつ病治療薬ザズベイの販売を開始しました。■海外子会社および輸出海外事業における売上収益は650億円(前期比9.9%増)となりました。欧米においてはセフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja)の販売が好調に推移し、米国事業は287億円(同22.9%増)、欧州事業は208億円(同23.4%増)の売上収益となりました。中国事業は62億円(同28.3%減)の売上収益となりました。これは、医療費抑制政策による影響を受けた後発医薬品の売上減少が主な要因です。一方で、2026年1月にグラム陰性菌による複雑性尿路感染症を適応としてセフィデロコルの承認を取得したほか、2025年5月にはオピオイド誘発性便秘症治療薬ナルデメジンの新薬承認申請が受理されるなど、新薬事業への転換に向けた取り組みを着実に進めました。■ロイヤリティー収入およびヴィーブ社からの配当金収入ViiV Healthcare Ltd.(以下、ヴィーブ社)からのロイヤリティー収入は、 経口2剤合剤や長時間作用型製剤(Long Acting Injectable:LAI製剤) の力強い成長により2,613億円(前期比8.7%増)となりました。その他のロイヤリティー収入は、スイス ロシュ社に導出した抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザの売上が堅調であったことに加え、2025年12月1日に事業買収により当社が承継したJT医薬事業関連のロイヤリティーが新たに計上されたことから、173億円(前期比304.9%増)と大幅に増加しました。ヴィーブ社からの配当金は、同社の事業が順調に進展したことで524億円(同30.0%増)となりました。
② 研究開発の状況当連結会計年度は、重点領域である感染症領域および社会的影響度の高いQOL疾患領域のプロジェクトを中心に、研究開発活動を積極的に推進しました。■研究サルベコウイルス亜族全般(SARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)および 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含むウイルス群)に対して、ウイルスの働きを抑える抗体を誘導することで、感染症の発症を予防するワクチンであるS-567123の研究が進展し、第1相臨床試験を開始しました。本ワクチンは、ウイルスの変異が生じにくい領域を標的とした抗体を誘導することから、SARS-CoV-2の新たな変異株への効果も期待される次世代型のワクチンです。また、アルツハイマー型認知症の症状改善を目的とした治療薬候補であるS-898270についても研究が進展し、第1相臨床試験を開始しました。本剤は、神経・シナプス機能の亢進を介した認知機能改善が期待されます。これらの研究活動の推進に加え、低分子創薬を中心とした自社創薬力の強化を目的として、JTグループ医薬事業のM&Aを実施しました。本M&Aを通じて、経験豊富なメディシナルケミスト(創薬化学研究者)等の多くの専門人材の拡充に加え、JT医薬事業が保有するAIや量子コンピューター等の先端技術プラットフォームを獲得・統合することで、創薬基盤の強化を実現しました。創薬型製薬企業としての強みをさらに高め、グローバルで競争力のある自社製品の創出を目指します。■開発感染症領域においては、COVID-19に対する経口の抗ウイルス薬であるエンシトレルビル(日本での製品名:ゾコーバ)のグローバル第3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)の良好な結果に基づき、COVID-19の予防を適応として米国で承認申請を実施し、米国FDAにより申請が受理されました。欧州においては、曝露後予防および治療の両方の適応で承認申請を行いました。あわせて、国内では曝露後予防に関する承認を取得するとともに、小児(6~11歳)を対象とした治療での製造販売承認申請を実施しました。さらに、年齢層の拡大(0~5歳)に向けて 第3相臨床試験を開始しました。また、COVID-19に対する次世代の抗ウイルス薬S-892216については、経口薬による治療適応取得に向けて、第2相臨床試験において良好な試験結果を取得し、第3相臨床試験の準備を進めました。さらに感染予防を目的とした長時間作用型製剤における曝露前予防の適応取得に向けた開発も進展しました。SARS-CoV-2の変異株であるJN.1系統に対応したCOVID-19予防ワクチンのS-268024については、第3相臨床試験において主要評価項目を達成し、有効性および良好な安全性が確認されました。この結果をもとに、国内で製造販売承認事項一部変更申請を行いました。抗インフルエンザウイルス薬バロキサビル マルボキシル(日本での製品名:ゾフルーザ)については、国内で小児患者への投与を想定した顆粒剤の製造販売承認を取得しました。これにより、より幅広い患者層への治療選択肢の提供が可能となりました。多剤耐性菌を含むグラム陰性菌感染症を対象とした注射用抗菌薬であるセフィデロコルについては、中国において、複雑性尿路感染症を適応として承認を取得しました。社会的影響度の高いQOL疾患領域においては、希少疾患であるポンペ病を対象とした低分子の経口治療薬候補であるS-606001のグローバル 第2相臨床試験を開始しました。本疾患は筋力低下や呼吸機能障害を伴う遺伝性代謝疾患であり、既存治療では十分に満たされていないアンメットニーズが存在しており、本剤は新たな治療選択肢として期待されています。新規作用機序を有する経口うつ病治療薬であるズラノロン(日本での製品名:ザスベイ)については、国内で製造販売承認を取得しました。本剤は、1日1回14日間の経口投与により効果を発揮する薬剤です。国内第3相臨床試験において、投与開始後2日からプラセボに対して有意なうつ症状改善効果を示したことから、即効性が期待されます。固形がんを対象にした抗CCR8抗体であるS-531011については、第1/2相臨床試験の第1相パートの結果を取得し、第2相臨床試験を開始しています。また、JTグループ医薬事業のM&Aの実施に伴い、旧JT医薬事業および鳥居薬品の有する複数の有望な開発品を獲得しました。
(2)当期の財政状態の概況当連結会計年度末の資産合計は2兆5,768億70百万円で、前連結会計年度末に比べて1兆415億21百万円増加となりました。非流動資産は、ヴィーブ社への追加出資により持分法適用関連会社となったことから、持分法で会計処理されている投資が増加となりました。また、鳥居薬品の連結子会社化やJT医薬事業の吸収分割に伴う有形固定資産やのれん、無形資産の増加により1兆2,665億35百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,896億90百万円増加となりました。なお、当該のれんや無形資産等の金額については取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。流動資産は大型投資に伴う借入により現金及び現金同等物の増加、3ヶ月超の定期預金(流動資産のその他の金融資産に含みます)、営業債権の増加等により1兆3,103億35百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,518億31百万円増加となりました。資本については1兆6,862億5百万円となりました。配当金の支払及びその他の資本の構成要素の減少の一方で、当期利益の計上等により、前連結会計年度末に比べて3,237億8百万円増加となりました。負債については8,906億65百万円で、前連結会計年度末に比べて7,178億13百万円増加となりました。非流動負債は632億35百万円で、繰延税金負債の増加等により前連結会計年度末に比べて197億75百万円増加となりました。流動負債は8,274億30百万円で、大型投資に伴う借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて6,980億37百万円増加となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加や売上債権の増加、法人所得税の支払額の増加等の一方で、税引前利益の増加等により、前連結会計年度に比べて181億12百万円多い2,135億72百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、持分法適用会社株式の取得による支出や定期預金の増減等により、前連結会計年度に比べて3,900億56百万円多い5,061億37百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入により、前連結会計年度に比べて6,642億29百万円多い5,993億21百万円の収入となりました。これらを合わせた当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は3,366億2百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、7,113億97百万円となりました。〔キャッシュ・フロー指標のトレンド〕2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期親会社所有者
87.2% 88.7% 65.4%帰属持分比率時価ベースの親会社
155.1% 124.4% 114.6%所有者帰属持分比率キャッシュ・フロー
0.1 0.1 3.2対有利子負債比率インタレスト・
937.5 639.7 620.5カバレッジ・レシオ(注) 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
(4)今後の見通し2027年3月期の業績につきましては、以下の通り見込んでおります。〔連結業績予想〕(単位:百万円)親会社の所有者に売上収益 営業利益 税引前利益帰属する当期利益2027年3月期予想 700,000 220,000 220,000 210,000■売上収益売上収益について、国内事業は、抗新型コロナウイルス薬ゾコーバおよび抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザが、それぞれの治療薬市場において、高い市場シェアを獲得しています。これらの製品は、感染症の流行が発生した際に、安定的に業績へ貢献することを見込んでいます。さらに、感染症領域以外の成長基盤の確立に向けて、鳥居薬品の有する非感染症領域の豊富な製品群に加え、不眠症治療薬のクービビック、うつ病治療薬のザズベイといった新製品群の成長により、国内事業全体として着実な成長を見込んでいます。海外事業については、欧米を中心にこれまで着実に成長してきたセフィデロコルに加えて、エダラボン(日本での製品名「ラジカット」、米国での製品名「Radicava」)事業を獲得しました。主に、米国において、感染症領域以外の柱となる領域として、希少疾患事業を立ち上げることで、グローバルでの飛躍的な成長を見込んでいます。また、エンシトレルビルについては、発症予防の適応での承認取得および販売開始を通じて、グローバル展開を推進します。ロイヤリティー収入については、ヴィーブ社からのHIV関連製品に関するロイヤリティー収入が、Dovatoや長時間作用型治療薬Cabenuva、予防薬Apretudeの売上増加により、増収となる見通しです。加えて、旧JT医薬事業が受領していたロイヤリティー収入が年間を通じて計上されます。結果として、売上収益全体では、5期連続の増収となる見通しです。■利益利益面については、前期に完全子会社化した鳥居薬品との融合を通じた国内事業の強化に加え、米国におけるRadicava事業の価値最大化に向けた取り組みにより販売費及び一般管理費の増加を見込んでいます。また、M&Aに伴う無形資産の発生等もあり、償却費の増加を見込んでいます。研究開発費については、M&Aによって獲得したパイプラインを統合し、優先順位づけに基づく開発品の選択と集中を進めるとともに、後期臨床試験を中心とした投資を継続することから、費用の増加を見込んでいます。以上のように、費用全体は増加する見通しですが、これらを上回る飛躍的な売上収益の増加を見込んでおり、営業利益は5期連続、親会社の所有者に帰属する当期利益は3期連続の増益となる見通しです。
四半期 2026年3月期 第1四半期
出典: 塩野義製薬 2026年3月期 第1四半期 決算短信〔IFRS〕、開示日 2025年7月28日(https://www2.jpx.co.jp/disc/45070/140120250728521233.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当四半期の経営成績の概況当第1四半期連結累計期間(自 2025年4月1日 至 2025年6月30日)の業績は、以下のとおりであります。(単位:百万円)当第1四半期 前第1四半期増減 増減率(%)連結累計期間 連結累計期間売上収益 99,781 97,586 2,195 2.2営業利益 35,097 28,110 6,987 24.9
※1コア営業利益 35,618 28,166 7,452 26.5税引前四半期利益 46,328 36,525 9,802 26.8親会社の所有者に帰属する39,355 30,637 8,718 28.5四半期利益
※2EBITDA 40,632 33,083 7,548 22.8
※1 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益※2 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益売上収益につきましては998億円となりました。売上収益の内訳について、国内医療用医薬品は141億円(前年同期比8.5%減)となりました。この主な要因としましては、COVID-19の流行が前年同期と比較して低調に推移したことで、ゾコーバの売上が減少したことによります。一方、ゾコーバは経口抗ウイルス薬市場における高い市場シェアを維持しており、また経口抗ウイルス薬による治療率の向上も見られることから、感染が拡大した際には安定的に売上収益に貢献することが期待されます。海外子会社および輸出の売上収益は142億円(前年同期比
4.9 % 減 ) と な り ま し た 。 米 国 ・ 欧 州 と も に セ フ ィ デ ロ コ ル ( 米 国 の 製 品 名 :Fetroja、 欧 州 の 製 品 名 :Fetcroja)の販売が堅調に推移しましたが、中国等における売上減少に伴い減収となりました。ロイヤリティー収入は、長時間作用型製剤(Long Acting製剤:LA製剤)や経口2剤合剤の成長により、639億円(前年同期比4.7%増)となりました。これらの結果より、全体の売上収益は前年同期比で2.2%の増収となりました。利益面につきましては、米国事業における販売関連費用の計上に伴い、販売費及び一般管理費が増加しましたが、売上原価及び研究開発費の減少がこれを上回り、営業利益は351億円(前年同期比24.9%増)となりました。また、税引前四半期利益につきましては463億円(前年同期比26.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては394億円(前年同期比28.5%増)と、いずれも増益となりました。
(2)当四半期の財政状態の概況当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1兆5,382億84百万円で、前連結会計年度末に比べて29億35百万円増加しました。非流動資産は、鳥居薬品株式会社に対する株式公開買付けに伴い関連会社株式(その他の非流動資産に含みます)の増加により、7,620億97百万円となり、前連結会計年度末に比べて852億52百万円の増加となりました。流動資産は、3ヶ月超の定期預金および債券(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増加、鳥居薬品株式会社に対する株式公開買付けに伴う現金及び現金同等物の減少により、7,761億87百万円となり、前連結会計年度末に比べて823億17百万円減少しました。資本については1兆3,784億84百万円となり、四半期利益の計上、配当金の支払、在外営業活動体の外貨換算差額(その他の資本の構成要素に含みます)の増加により、前連結会計年度末に比べて159億87百万円増加しました。負債については1,598億円で、前連結会計年度末に比べて130億52百万円減少しました。非流動負債は、426億86百万円で、前連結会計年度末に比べて7億73百万円の減少となりました。流動負債は1,171億13百万円で、未払法人所得税の減少等により、前連結会計年度末に比べて122億78百万円の減少となりました。
(3)当四半期のキャッシュ・フローの概況当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益の増加により、前年同期に比べ75億43百万円多い410億43百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、鳥居薬品株式会社に対する株式公開買付けに伴う持分法適用会社株式の取得、定期預金の増減、無形資産の取得の減少等により、前年同期に比べ398億23百万円多い1,306億72百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金の増加等により、前年同期に比べ45億46百万円多い293億80百万円の支出となりました。これらを合わせた当第1四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は1,199億68百万円の減少となり、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の四半期末残高は、2,548億26百万円となりました。
(4)今後の見通し2025年5月12日に公表した2026年3月期連結業績予想から変更はございません。
四半期 2027年3月期 第1四半期
出典: 塩野義製薬 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔IFRS〕、開示日 2026年8月3日(https://www2.jpx.co.jp/disc/45070/140120260803506986.pdf)
1.経営成績等の概況(1)当四半期の経営成績の概況当第1四半期連結累計期間(自 2026年4月1日 至 2026年6月30日)の業績は、以下のとおりであります。2026年4月に田辺ファーマ株式会社(以下、田辺ファーマ)よりエダラボン事業を承継しております。当第1四半期連結会計期間において取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っております。前連結会計年度に株式を追加取得したViiV Healthcare Ltd.(以下、ViiV社)の持分法適用にあたっては、当第1四半期連結会計期間において取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っております。前連結会計年度に実施した鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品)の株式取得および日本たばこ産業株式会社の医薬事業(以下、JT医薬事業)の承継ならびにAkros Pharma Inc.(以下、Akros)の株式取得について、当第1四半期連結会計期間において企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の金額の遡及的な修正を行っております。(単位:百万円)当第1四半期 前第1四半期増減 増減率(%)連結累計期間 連結累計期間売上収益 163,310 99,781 63,528 63.7営業利益 66,911 35,097 31,813 90.6
※1コア営業利益 72,479 35,618 36,861 103.5税引前四半期利益 73,736 46,328 27,407 59.2親会社の所有者に帰属する97,696 39,355 58,340 148.2四半期利益
※2EBITDA 93,360 40,632 52,728 129.8
※1 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益※2 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益売上収益につきましては、1,633億円(前年同期比63.7%増)となり、第1四半期連結累計期間における過去最高を更新しました。売上収益の主な内訳は、国内医療用医薬品が335億円(前年同期比137.3%増)、海外子会社および輸出が422億円(同196.6%増)、ロイヤリティー収入が801億円(同25.3%増)となりました。国内医療用医薬品につきましては、鳥居薬品の連結子会社化に伴う同社製品の売上収益の計上およびALS等治療薬であるエダラボン事業の承継に伴うラジカットの売上収益の計上ならびに不眠症治療薬クービビックの処方拡大が増収に寄与しました。海外子会社および輸出につきましては、北米(米国・カナダ)におけるエダラボン(米国・カナダでの製品名:RADICAVA)の売上収益の計上に加え、セフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja)の欧米における売上収益が前年同期を上回ったことにより、増収となりました。ロイヤリティー収入につきましては、ViiV社のHIVフランチャイズに係る売上収益の増加に伴うロイヤリティー収入の増加に加え、旧JT医薬事業に関連するロイヤリティー収入を計上したことにより、増収となりました。利益面では、前連結会計年度に実施した鳥居薬品の連結子会社化およびJT医薬事業の承継並びに当第1四半期連結累計期間に実施したエダラボン事業の承継に伴い、売上原価および各種費用が増加した一方、売上収益の増加ならびにViiV社の持分法適用関連会社化に伴う持分法投資利益の計上により、営業利益は669億円(前年同期比
90.6%増)となりました。売上原価は、鳥居薬品の連結子会社化およびエダラボン事業の承継に伴って増加しました。販売費及び一般管理費は、JT医薬事業承継およびエダラボン事業承継に係る無形資産償却費、米国事業の販売関連費用ならびに鳥居薬品の連結子会社化により増加しました。また、研究開発費は、JT医薬事業承継および鳥居薬品の連結子会社化により増加しました。税引前四半期利益は、737億円(前年同期比59.2%増)となりました。営業利益が増加した一方で、ViiV社の持分法適用関連会社化に伴い、前連結会計年度まで金融収益として計上していたViiV社からの受取配当金については、当第1四半期連結累計期間より連結財政状態計算書の「持分法で会計処理されている投資」から減額しております。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、977億円(前年同期比148.2%増)となりました。税引前四半期利益の増加や、米国子会社においてエダラボン事業承継に伴い将来の課税所得が見込まれることにより繰越欠損金に対して繰延税金資産を計上したことなどにより法人所得税費用が減少したことが主な要因です。営業利益、税引前四半期利益および親会社の所有者に帰属する四半期利益は、いずれも第1四半期連結累計期間における過去最高を更新しました。
(2)当四半期の財政状態の概況当第1四半期連結会計期間末の資産合計は2兆6,550億57百万円で、前連結会計年度末に比べて695億38百万円増加しました。非流動資産は、田辺ファーマからのエダラボン事業の承継に伴うのれんや無形資産の増加により、1兆7,284億5百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,532億22百万円の増加となりました。なお、当該のれんや無形資産等の金額については取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。流動資産は、エダラボン事業の承継に伴う現金及び現金同等物の減少により、9,266億51百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,836億83百万円減少しました。資本については1兆7,727億64百万円となり、四半期利益の計上による増加、在外営業活動体の外貨換算差額(その他の資本の構成要素に含みます)の増加、配当金の支払による減少により、前連結会計年度末に比べて824億73百万円増加しました。負債については8,822億93百万円で、前連結会計年度末に比べて129億35百万円減少しました。非流動負債は、678億59百万円で、前連結会計年度末に比べて1億19百万円の増加となりました。流動負債は8,144億33百万円で、未払金(その他の金融負債に含みます)や未払法人所得税の減少等により、前連結会計年度末に比べて130億54百万円の減少となりました。なお、前連結会計年度に実施した鳥居薬品の株式取得およびJT医薬事業の承継ならびにAkrosの株式取得について、当第1四半期連結会計期間において企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の金額の遡及的な修正を行っております。当第1四半期連結会計期間末との比較・分析にあたっては、遡及修正後の金額を用いております。
(3)当四半期のキャッシュ・フローの概況当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の増加により、前年同期に比べ20億65百万円多い431億9百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、田辺ファーマからのエダラボン事業の承継に伴う事業譲受による支出等により、前年同期に比べ2,930億58百万円多い4,237億31百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金の増加等により、前年同期に比べ47億57百万円多い341億38百万円の支出となりました。これらを合わせた当第1四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は4,124億59百万円の減少となり、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、2,989億37百万円となりました。
(4)今後の見通し2026年5月12日に公表した2027年3月期連結業績予想から変更はございません。
本記事は各社が開示した決算短信の記載を機械的に抽出・比較し、AIが要約したものです。数値・表現は原資料をご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。