※本記事はエーアイが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
エーアイは2026年3月期(連結会計初年度)決算で、連結売上高1,850百万円と過去最高を記録した。当初計画(2025年5月公表)比で連結営業利益は108.3%増、経常利益は182.1%増となり、いずれも当初計画を大幅に上回った。前期に発生した段階取得に係る差損の反動もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は110百万円と黒字に転換した。
連結業績(2026年3月期 実績)
株式会社フュートレックとの合併後初めての通期予算となり、売上原価・販売管理費は増額したが、原価率の高い音声収録に係る受託案件が減少したことで売上原価率は2.4%の微減となった。前期は営業外収益として違約金収入や為替差益が寄与していたが、当期は上場関連費用等を営業外費用として計上したことが影響し経常利益は減少した。一方、前期は特別損失として段階取得に係る差損143,980千円により最終赤字となったが、当期は投資有価証券売却50,000千円などが寄与し、当期純利益は大幅に増加した。
| 項目(単位:千円) | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,850,060 | 1,486,037 | +24.5% |
| 売上原価 | 874,285 | 736,848 | +18.7% |
| 売上総利益 | 975,774 | 749,188 | +30.2% |
| 販売管理費 | 875,219 | 640,152 | +36.7% |
| 営業利益 | 100,554 | 109,035 | △7.8% |
| 経常利益 | 79,331 | 130,185 | △39.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益及び損失 | 110,959 | △15,689 | – |

セグメント別(事業別)の状況
音声事業は既存顧客を中心に売上は堅調に推移し、セグメント利益も黒字化した。CRM事業は新規製品開発が順調に完了し、顧客データ活用ツールとしての機能を強化したCDPツールとして4月21日にリニューアル販売を開始、売上は前期比+97.2%と大幅に伸長した。ライバーマネジメント事業はIRIAMで活動するVライバーのマネジメントに加え、オンラインゲームとのコラボなど収益源の拡大を図る。その他事業はデジタル教科書が正式な教科書と決定されたことに伴い教科書出版会社からの発注が増加し、前期比で大幅な売上増となった。
| 事業 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 音声事業 | 1,127 | 1,160 | △2.8% |
| CRM事業 | 569 | 288 | +97.2% |
| ライバーマネジメント事業 | 68 | – | – |
| その他事業 | 84 | 36 | +129.7% |
| 合計 | 1,850 | 1,486 | +24.5% |

通期業績予想
2027年3月期の連結業績予想については、子会社である株式会社スーパーワンの株式譲渡に関する具体的な検討を進めているところであり、連結業績に与える影響が大きいことから現時点では未定としている。今後確定した時点で速やかに公表するとしている。単体ベースの見通しでは、音声事業において主力の消防・防災分野で「緊急防災・減災事業債」の延長に伴う駆け込み需要の反動やNICTの音声収録に関する入札案件の大幅減少が見込まれることから減収減益を、CRM事業では売上高微増・営業利益は大幅増を見込んでいる。
| 項目(単体・単位:百万円) | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,490 | 1,684 | △11.6% |
| 音声事業 | 915 | 1,115 | △17.9% |
| CRM事業 | 575 | 569 | +0.9% |
| 営業利益 | 19 | 94 | △78.9% |
| 音声事業 | △34 | 96 | △135.7% |
| CRM事業 | 56 | 8 | +604.5% |

株主還元
配当に関する基本方針は、業績の推移、財務状況、事業計画に基づく資金需要等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら経営成績に合わせた利益配分を基本とし、配当性向20%程度を目処に配当水準の向上に努めるとしている。合併によるコストの削減とリソースの適正配分を行い、前期からの黒字転換を達成したことから、2026年3月期の期末配当は1株につき4円00銭(配当性向22.5%)とした。2027年3月期の配当については、業績予想等の着地が見えてきた時点で配当性向等を総合的に勘案し決定する予定であり、現時点では未定としている。
| 項目 | 2026年3月期 | 2027年3月期 |
|---|---|---|
| 期末配当金(1株当たり) | 4円00銭 | 未定 |
| 配当性向 | 22.5% | 未定(20%程度を目処) |
中期経営計画
2026年3月期は、株式会社フュートレックとの合併後初めての通期予算を作成し、経営統合による経営の効率化・管理コストの削減、音声合成と音声認識を中心とした音声事業の推進、CRM事業の新サービスの構築および黒字化体質の構築に取り組んだ。2027年3月期は、CRM事業の拡大、音声対話プラットフォームや音のAI検査等を中心とした音声事業の再構築を進め、「音声事業」「CRM事業」の2軸それぞれの強みを高め、外的要因に左右されないライセンスビジネスの基盤を構築し、中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)の達成を目指すとしている。音声事業では「音声合成」「音声認識(音のAI検査)」の2本柱から「音声合成」「音声対話」「音声認識」「音のAI検査」「新領域」の5本柱への拡大を掲げ、CRM事業ではリソースビジネスからの脱却とノンカスタマイズモデル(SaaS)による収益拡大を目指す。数値目標として、2029年3月期にROE8%以上、営業利益率10%以上を掲げている。

※本記事はエーアイが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。