※本記事はUBEが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
UBEは2026年5月13日、2026年3月期の連結決算概要と2027年3月期の連結業績予想を公表した。2026年3月期の売上高は前期比5.0%減の4,623億円となったが、営業利益は同5.0%増の189億円、経常利益は同67.7%増の375億円と増益を確保した。親会社株主に帰属する当期純利益は239億円となり、前期の48億円の赤字から黒字に転換した。2027年3月期は売上高4,850億円(前期比4.9%増)、営業利益235億円(同24.1%増)を見込んでいる。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は、2025年4月に取得した高機能ウレタン事業(ウレタンシステムズ)が寄与した一方、ナイロンポリマーやカプロラクタム等の販売低迷、前年度に製鋼事業の経営権を他社へ譲渡し連結対象から除外した影響により、前期比5.0%減の4,623億円となった。営業利益は、アンモニア・カプロラクタム・ナイロンポリマーの減損損失計上が前期に一巡したことによる減価償却費の減少などにより、9億円増の189億円となった。経常利益は、持分法による投資損益の改善(うちUBE三菱セメントグループに係る持分法投資損益は156億円から126億円へ減少)や為替差損益の好転により151億円増の375億円となった。特別損益の改善もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は287億円増の239億円となり黒字に転換した。1株当たり当期純利益は245.76円(前期は49.60円の赤字)。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,868億円 | 4,623億円 | △245億円(△5.0%) |
| EBITDA | 455億円 | 464億円 | 9億円(2.1%) |
| 営業利益 | 180億円 | 189億円 | 9億円(5.0%) |
| 経常利益 | 224億円 | 375億円 | 151億円(67.7%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △48億円 | 239億円 | 287億円(-) |
セグメント別の状況(2026年3月期 実績)
機能品は、ポリイミド・分離膜・セラミックスの販売が低調だったこと等により売上高619億円(前期比6.4%減)、営業利益98億円(同16.4%減)。高機能ウレタンは2025年4月のウレタンシステムズ事業取得により売上高が156億円から465億円(同198.1%増)に拡大したが、事業統合(PMI)費用の計上や高機能コーティングの販売低調により営業利益は5億円の赤字(前期は2億円の赤字)となった。医薬は受託品の販売数量減少により売上高210億円(同33.3%減)、営業利益は13億円の赤字(前期は12億円の黒字)に転じた。樹脂・化成品は、ナイロンポリマーやラクタム・硫安の販売数量減少・価格下落により売上高2,512億円(同8.2%減)となったが、減損損失計上一巡による減価償却費減少やアンモニア工場の非定期修理年による補修費減少、エラストマー原料価格の下落により営業利益は82億円(前期は7億円の赤字)に改善した。機械は前年度第3四半期の製鋼事業譲渡の影響により売上高684億円(同21.3%減)、成形機・産機事業の製品販売低調により営業利益62億円(同20.8%減)。その他は石炭価格下落に伴う売電価格下落等により売上高345億円(同12.0%減)、営業利益19億円(同6.9%減)。
| セグメント | 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 機能品 | 売上高 | 662億円 | 619億円 |
| 機能品 | 営業利益 | 117億円 | 98億円 |
| 高機能ウレタン | 売上高 | 156億円 | 465億円 |
| 高機能ウレタン | 営業利益 | △2億円 | △5億円 |
| 医薬 | 売上高 | 315億円 | 210億円 |
| 医薬 | 営業利益 | 12億円 | △13億円 |
| 樹脂・化成品 | 売上高 | 2,736億円 | 2,512億円 |
| 樹脂・化成品 | 営業利益 | △7億円 | 82億円 |
| 機械 | 売上高 | 869億円 | 684億円 |
| 機械 | 営業利益 | 79億円 | 62億円 |
| その他 | 売上高 | 392億円 | 345億円 |
| その他 | 営業利益 | 21億円 | 19億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、機能品でポリイミド・分離膜・セパレータ等の販売数量増加、高機能ウレタンでウレタンシステムズ事業が12カ月間フル寄与することなどにより、売上高4,850億円(前期比4.9%増)、EBITDA565億円(同21.8%増)、営業利益235億円(同24.1%増)を見込む。経常利益は375億円(同0.0%減)とほぼ横ばい、親会社株主に帰属する当期純利益は245億円(同2.6%増)を予想する。総資産は10,200億円、有利子負債は4,150億円、自己資本は4,500億円を見込んでいる。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,850億円 | 4,623億円 |
| EBITDA | 565億円 | 464億円 |
| 営業利益 | 235億円 | 189億円 |
| 経常利益 | 375億円 | 375億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 245億円 | 239億円 |
| 総資産 | 10,200億円 | 9,463億円 |
| 有利子負債 | 4,150億円 | 3,582億円 |
| 自己資本 | 4,500億円 | 4,372億円 |

セグメント別では、機能品が売上高890億円(前期比25.4%増)・営業利益150億円(同52.1%増)、高機能ウレタンが売上高680億円(同46.1%増)・営業利益10億円(前期は5億円の赤字)、医薬が売上高210億円(同0.0%減)・営業利益5億円(前期は13億円の赤字)、樹脂・化成品が売上高2,390億円(同3.9%減)・営業利益50億円(同37.7%減)、機械が売上高700億円(同2.3%増)・営業利益45億円(同27.9%減)、その他が売上高360億円(同4.4%増)・営業利益15億円(同21.7%減)を予想する。なお、2027年3月期よりUBE America Inc.を「樹脂・化成品」から「機能品」へセグメント区分変更しており、上記比較における2026年3月期実績は新区分に組み替えた参考値である。

株主還元
株主還元は、株主資本配当率(DOE)2.5%以上を基本方針とし、中期経営計画の後半(2025~2030年度)には連結総還元性向30%以上(3ヵ年平均)を目指す累進配当としている。2026年3月期の1株あたり配当金は110.00円(中間55.00円、期末55.00円)を予定。2027年3月期の配当については、資本効率の改善と株主還元の充実に向けた配当方針(DOE水準)の見直しを進めており、年間配当金は現時点で未定としている。方針は2026年5月20日に公表し、同日開催の経営概況説明会で説明するとしている。
| 決算期 | 1株あたり配当金 | DOE |
|---|---|---|
| 2021年3月期 | 90円 | 2.6% |
| 2022年3月期 | 95円 | 2.7% |
| 2023年3月期 | 95円 | 2.5% |
| 2024年3月期 | 105円 | 2.6% |
| 2025年3月期 | 110円 | 2.7% |
| 2026年3月期(予定) | 110円 | 2.6% |

事業構造改革・サステナビリティ経営
資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、スペシャリティ事業の拡大と事業構造改革を推進している。構造改革では、タイにおけるカプロラクタムの生産を2026年3月に停止、ナイロンポリマーの生産を同月に縮小した(いずれも完了)。国内では、カプロラクタムとナイロンポリマーを2027年3月に生産停止、アンモニアは2028年3月に生産停止(現状の2系列を1系列に縮小)する計画としている。GHG排出量については2030年度に2013年度比50%削減(237万トン/年)を目標とし、2024年度実績は32%減(320万トン/年)。上記の構造改革の実施により2028年度には65%減(166万トン/年)を見込むとしている。
※本記事はUBEが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。