※本記事は日本ゼオンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本ゼオンの2026年3月期(2025年度)連結業績は、売上高4,120億円(前期比2%減)、営業利益364億円(同24%増)、経常利益400億円(同21%増)、親会社株主に帰属する当期純利益362億円(同38%増)となった。エラストマー素材は主原料価格下落に伴う販売価格改定で減収となったが、高機能材料は光学フィルムや電池材料の出荷増による稼働率向上と固定費削減で増益に寄与し、経常利益は期末にかけての為替差益、当期純利益は投資有価証券売却益の増加も押し上げ要因となった。ROEは9.9%。

連結業績(2026年3月期 実績)
高機能材料は光学フィルム、電池材料の出荷増によりYoY+2%の増収、エラストマー素材は主原料価格下落に伴う販売価格改定でYoY▲5%の減収となった。営業利益は高機能材料が光学フィルム・電池材料の出荷増による稼働率向上と固定費削減でYoY+28%、エラストマー素材は固定費削減でYoY+7%となり、全体で364億円となった。
| 項目 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,120億円 | 4,206億円 | ▲2% |
| 営業利益 | 364億円 | 293億円 | +24% |
| 経常利益 | 400億円 | 331億円 | +21% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 362億円 | 262億円 | +38% |
セグメント別業績
高機能材料は売上高1,242億円(前期比+26億円)、営業利益224億円(同+49億円)。光学フィルム・電池材料の出荷増や、前年同期に発生した生産不具合による損失の解消などが寄与した。エラストマー素材は売上高2,237億円(同▲129億円)、営業利益117億円(同+7億円)。合成ゴムの原料価格上昇に伴う販売価格改定と固定費削減で増益を確保した。
| セグメント | 売上高(当期) | 売上高(前期) | 営業利益(当期) | 営業利益(前期) |
|---|---|---|---|---|
| 高機能材料 | 1,242億円 | 1,216億円 | 224億円 | 176億円 |
| エラストマー素材 | 2,237億円 | 2,366億円 | 117億円 | 109億円 |
| その他の事業、消去等 | 641億円 | 625億円 | 23億円 | 8億円 |
| 合計 | 4,120億円 | 4,206億円 | 364億円 | 293億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の連結業績予想は、売上高4,050億円(前期比2%減)、営業利益380億円(同5%増)、経常利益370億円(同8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益360億円(同1%減)を見込む。原料価格およびユーティリティコストの高止まりに対してはサーチャージ方式で市場へ転嫁し、四半期単位では影響を受けるおそれがあるが年単位では吸収する方針。なお本予想はホルムズ海峡封鎖による影響を含まないベースケースである。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,050億円 | 4,120億円 | ▲2% |
| 営業利益 | 380億円 | 364億円 | +5% |
| 経常利益 | 370億円 | 400億円 | ▲8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 360億円 | 362億円 | ▲1% |

株主還元
2026年3月期はDOE4%以上の方針に基づき期末配当を4円増配し、年間配当は76円となった。自己株式の取得は1,000万株・100億円を上限に実施を完了した。2027年3月期の配当はDOE4%以上の方針に基づき年間79円(前期比+3円)を予想し、2010年度から17期連続の増配となる見込み。自己株式の取得は実施時期を精査のうえ検討する。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 配当金 | 76円/年 | 79円/年(前期比+3円) |
| 自己株式取得 | 1,000万株・100億円を上限に実施完了 | 時期を精査のうえ実施予定 |

中期経営計画/トピック
COP新プラント建設は工事進捗に遅れなく、竣工時期は2028年度上期のまま変更はない。単層カーボンナノチューブの能力増強設備は現行比数十倍の生産能力増強を目的とし、EV・ドローン・eVTOL等の民生用途やAIサーバーBBU・定置型ESS・ロボティクス等の産業分野向けの電池需要拡大に対応するもので、2028年内の稼働開始を見込む。同計画は経済産業省から「蓄電池に係る供給確保計画」として認定されている。また、COPおよび光学フィルム向け原料であるジシクロペンタジエンの安定確保とCO2排出量削減を目的に、残C5留分から高純度DCPDを再抽出する設備を2028年9月完工見込みで整備する。
※本記事は日本ゼオンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。