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エア・ウォーター、2026年3月期は純利益639億円の赤字 事業利益は745億円に増加

決算サマリー 2026.08.26
エア・ウォーター、2026年3月期は純利益639億円の赤字 事業利益は745億円に増加

※本記事はエア・ウォーターが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

エア・ウォーターは2026年3月期の連結決算を発表した。連結子会社で発覚した在庫に関する不適切な会計処理を受け、外部専門家による特別調査委員会の調査と全連結子会社211社を対象とした自主点検を実施し、過年度決算の訂正を行ったうえでの開示となった。売上収益は10,668億円(前期比+537億円、+5.3%)、独自指標の事業利益は745億円(同+43億円、+6.1%)と増収増益だったが、海外事業を中心としたのれん・固定資産の減損損失1,080億円や調査関連費用130億円などの非経常要因1,117億円を計上した結果、営業利益は▲372億円、親会社所有者帰属利益は▲639億円といずれも赤字に転落した。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

事業利益は営業利益から非経常的な損益を除いた独自指標で、産業ガスの価格施策進展や半導体関連の好調などにより堅調に推移した。一方、非経常要因は前期の▲77億円から▲1,117億円へ悪化し、その主因はインド産業ガスやデンタル関連、高出力UPS、北米産業ガスなどののれん・固定資産の減損損失▲1,080億円と、自主点検・特別調査委員会対応などの調査関連費用▲130億円である。営業キャッシュ・フローは1,076億円で過去最高となった。

項目当期(2026年3月期)前期(2025年3月期)増減
売上収益10,668億円10,131億円+537億円(+5.3%)
事業利益745億円702億円+43億円(+6.1%)
非経常要因▲1,117億円▲77億円▲1,040億円
営業利益▲372億円625億円▲997億円
親会社所有者帰属利益▲639億円399億円▲1,039億円
1株あたり配当額75円75円±0円

セグメント別の状況

5事業セグメントのうち、売上収益はヘルス&セーフティー(歯科材料卸の歯愛メディカルの新規連結などで+21.8%)、その他の事業、エネルギーソリューション、アグリ&フーズが増収となった一方、デジタル&インダストリーは北米・インドの停滞などで▲4.2%の減収だった。事業利益は全セグメントで増益となったが、営業利益はデジタル&インダストリーがインド産業ガスや高出力UPSなどののれん減損▲735億円を計上して▲409億円の赤字に転落したほか、ヘルス&セーフティーもデンタル関連の減損▲164億円などにより減益となった。

セグメント売上収益(当期)売上収益(前期)事業利益(当期)事業利益(前期)
デジタル&インダストリー3,299億円3,445億円326億円338億円
エネルギーソリューション985億円927億円101億円82億円
ヘルス&セーフティー2,685億円2,205億円162億円135億円
アグリ&フーズ1,530億円1,497億円71億円65億円
その他の事業2,169億円2,057億円134億円118億円
セグメント別業績状況(2025年度実績)
出典:エア・ウォーター 2026年3月期 通期決算説明資料 P.30

通期業績予想(2027年3月期)

2027年3月期は、売上収益11,400億円(+732億円、+6.9%)、事業利益764億円(+19億円、+2.6%)を見込む。非経常要因は▲284億円へ縮小し、自主点検対応・特別調査委員会運営・監査対応強化・特別注意銘柄指定の解除対応などの外部サポート費用として250億円程度を想定している。この結果、営業利益は480億円、親会社所有者帰属利益は280億円といずれも黒字転換する見通し。

項目予想(2027年3月期)実績(2026年3月期)増減
売上収益11,400億円10,668億円+732億円(+6.9%)
事業利益764億円745億円+19億円(+2.6%)
非経常要因▲284億円▲1,117億円+833億円
営業利益480億円▲372億円+852億円
親会社所有者帰属利益280億円▲639億円+919億円
2027年3月期 連結業績予想
出典:エア・ウォーター 2026年3月期 通期決算説明資料 P.25

株主還元

2026年3月期の1株あたり配当額は75円で前期と同額を維持した。2027年3月期の配当額は未定としている。

項目2025年3月期2026年3月期2027年3月期予想
1株あたり配当額75円75円未定
配当・株主還元(配当実績及び配当予想)
出典:エア・ウォーター 2026年3月期 通期決算説明資料 P.28

不適切会計事案とガバナンス改革

2025年7月、連結子会社で在庫を巡る不適切な会計処理(損失の先送り)が発覚。外部専門家による特別調査委員会と自主点検チームを設置し、連結子会社全211社を対象に自主点検を実施した結果、グループ43社で不適切会計を確認した。これを受け過年度の有価証券報告書・決算短信等を訂正し、2026年5月1日付で東京証券取引所の特別注意銘柄に指定され、上場契約違約金の徴求も受けた。同社は経営体制を刷新(社内取締役を4名から3名へ、社外取締役を4名から5名へ増員し過半数化)し、経営改革室・取締役会事務局を新設するなど企業風土改革・ガバナンス改革・内部統制の再構築を進めており、2027年内の特別注意銘柄指定解除を目指すとしている。

再発防止策の対応状況
出典:エア・ウォーター 2026年3月期 通期決算説明資料 P.6

※本記事はエア・ウォーターが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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