※本記事は南海化学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
南海化学は2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の連結業績を発表した。需要縮小の影響が続くなか、環境リサイクル事業の取扱増加や適時適切な販売価格の改定に努めた結果、売上高は210億63百万円(前期比+0.8%)となった。営業利益は「筋肉質化」によるコスト増の抑制も奏功し17億円(同+30.2%)、親会社株主帰属当期純利益は子会社土地売却益1,665百万円の計上もあり27億76百万円(同+173.5%)となり、資料は営業利益・当期純利益とも過去最高益としている。

連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は化学品事業の増収が牽引し前期比+0.8%。各種塩事業は降雪量の影響等により前期比△10.5%となった。経常利益は+20.8%の1,760百万円。会社は課題として「採算改善」「筋肉質化」「成長戦略」「人事戦略」を掲げている。なお、当期実績は2026年3月期計画(売上高229億円等)との比較では、京都支店閉鎖に伴う一部取引撤退(選択と集中)等により売上高は計画比△8.0%となったが、営業利益は計画比未達ながら過去最高益、経常利益・当期純利益は計画比プラスで着地したと資料は述べている。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 21,063百万円 | 20,900百万円 | +0.8%(+162百万円) |
| うち化学品事業 | 16,979百万円 | 16,346百万円 | +3.9%(+632百万円) |
| うち各種塩事業 | 4,083百万円 | 4,553百万円 | △10.5%(△470百万円) |
| 営業利益 | 1,700百万円 | 1,306百万円 | +30.2%(+394百万円) |
| 経常利益 | 1,760百万円 | 1,456百万円 | +20.8%(+303百万円) |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 2,776百万円(子会社土地売却益1,665百万円を含む) | 1,015百万円 | +173.5%(+1,761百万円) |
| 経常利益率 | 8.4% | 7.0% | +1.4pt |
| ROE | 28.6%(子会社土地売却益除くベース:12.5%) | 12.8% | +15.8pt |
セグメント別の状況
化学品事業は基礎化学品・機能化学品・アグリ・環境リサイクルの全サブセグメントで増収となった。基礎化学品は販売数量減も価格是正効果により114.3億円(前期比+3.9%)、機能化学品は13.5億円(同+2.3%)、アグリは前期の一部農作物の需要減がなくなったことで23.7億円(同+5.8%)、環境リサイクルは廃硫酸処理量の増加により18.1億円(同+2.3%)となった。化学品事業全体では販売価格の一部是正、製造原価・販管費の削減により増収増益かつ利益率も改善した。各種塩事業は降雪量の影響により売上・利益とも前期を下回った。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 化学品事業 | 売上高 | 169.8億円 | 163.5億円 |
| 化学品事業 | セグメント利益 | 24.7億円 | 21.1億円 |
| 化学品事業 | セグメント利益率 | 14.6% | 12.9% |
| 各種塩事業 | 売上高 | 40.8億円 | 45.5億円 |
| 各種塩事業 | セグメント利益 | 3.1億円 | 3.6億円 |
| 各種塩事業 | セグメント利益率 | 7.5% | 7.9% |

通期業績予想(2027年3月期)
会社は2027年3月期の業績計画として、需要縮小や京都支店閉鎖に伴う一部取引の撤退減を補う売上高217億円(前期比+3.0%)を見込む。営業利益は調達ソース多様化によるコスト削減、電解稼働の最適化による製造原価低減などの「筋肉質化」により23億円(同+35.3%)と最高益を更新する計画。親会社株主帰属当期純利益の計画は12億60百万円(同△54.6%)だが、これは前期実績に子会社土地売却益1,665百万円が含まれていたことによるもので、資料は「当期純利益も実力値としての最高益12.6億円を目指す」としている。
| 項目 | 2027年3月期計画 | 2026年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 21,700百万円 | 21,063百万円 | +3.0%(+637百万円) |
| うち化学品事業 | 17,070百万円 | 16,979百万円 | +0.5%(+91百万円) |
| うち各種塩事業 | 4,630百万円 | 4,083百万円 | +13.4%(+547百万円) |
| 営業利益 | 2,300百万円 | 1,700百万円 | +35.3%(+600百万円) |
| 経常利益 | 2,340百万円 | 1,760百万円 | +32.9%(+580百万円) |
| 親会社株主帰属当期純利益 | 1,260百万円 | 2,776百万円(子会社土地売却益1,665百万円を含む) | △54.6%(△1,516百万円) |
| 経常利益率 | 10.8% | 8.4% | +2.4pt |
| ROE | 12.5% | 28.6%(子会社土地売却益除くベース:12.5%) | △16.1pt |

設備投資については、2027年3月期計画のうち投資確度の高いものとして、増産・新規事業投資10億円、維持・更新投資15億円、効率化投資5億円を計上している。製造基盤強化のための合理化・維持更新投資に加え、排水処理設備の高度化に向けた設備投資(南海ビックバンプロジェクト)を実行するとしている。
株主還元
2026年3月期の配当は1株当たり60円(中間25円/期末35円、前期比+5円)となった。2027年3月期は65円(中間30円/期末35円、前期比+5円)を予定しており、会社は「今後も安定配当をベースとしつつ、配当額の増加および配当性向の向上を目指す」としている。2026年3月期には当社初となる自己株式取得を実施(40,700株、取得価額150百万円)。また2026年3月末時点の株主を対象に株主優待制度を導入し、1年以上3年未満継続保有を条件に3,000円相当(100株以上保有、3年以上継続保有の場合は5,000円相当の特産品)を贈呈するとしている。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期見通し |
|---|---|---|---|---|
| 1株当たり配当額(中間/期末) | 50円(15円/35円) | 55円(20円/35円) | 60円(25円/35円) | 65円(30円/35円)予定 |
| 1株当たり利益 | 586.71円 | 505.79円 | 1,375.57円(子会社土地売却益除くベース:703.88円) | 624.14円 |
| 配当性向 | 8.5% | 10.9% | 4.4%(子会社土地売却益除くベース:8.5%) | 10.4%(株主優待考慮ベース:15.2%) |
| 自己株式取得 | – | – | 40,700株(取得価額150百万円) | – |
| 株主優待 | – | – | – | 3,000円相当(100株以上保有が条件) |

中期経営計画
中期経営計画は2025年3月期を初年度、2027年3月期を最終年度とする3か年計画で、重点施策として「①収益基盤の強化②環境リサイクル事業領域拡大③サステナブル経営推進」を掲げている。策定時点の最終年度目標は売上高240億円、経常利益率8%(除く補助金収入)、ROE10%以上だったが、資料は現時点の2027年3月期計画として売上高216億円、経常利益率10.8%、ROE12.5%を示し、「売上は難しいが、利益面での目標達成を目指す」としている。
※本記事は南海化学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。