※本記事はメディアドゥが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
メディアドゥは2026年2月期の通期決算を発表した。電子書籍流通事業の伸長により売上高は1,085.3億円(前期比+6.5%)となり、4年ぶりに過去最高を更新した。一方、戦略投資事業(日本文芸社・フライヤー)の損益改善の遅れや、海外展開加速のための翻訳システム開発投資等により、営業利益は24.5億円(同-0.9%)、EBITDAは36.6億円(同-3.2%)とそれぞれ減益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は18.1億円(同+33.3%)で増益となったが、これは2025年3月のMyAnimeList(MAL)売却益計上による影響が大きい。
連結業績(2026年2月期 実績)
売上高は電子書籍流通事業の既存商流・新規商流がともに成長したことにより増収となった。営業利益は、主力の電子書籍流通事業で下期に利益率の高いサービスが終了した影響に加え、注力事業の成長加速のための投資(翻訳システムの開発費・セキュリティ強化)を実行したこと、戦略投資事業(日本文芸社・フライヤー)の損益改善が遅れたことにより減益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年3月のMyAnimeList(MAL)売却益計上(+5.3億円)の影響により増益となった。また4Qには日本文芸社ののれんの減損等による特別損失を計上した一方、関係会社の整理に伴う特別利益も計上した。
| 項目 | 25/2期累計 | 26/2期累計 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,019.1億円 | 1,085.3億円 | +6.5%(+66.2億円) |
| EBITDA | 37.9億円 | 36.6億円 | -3.2%(-1.3億円) |
| 営業利益 | 24.7億円 | 24.5億円 | -0.9%(-0.2億円) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13.6億円 | 18.1億円 | +33.3%(+4.5億円) |

セグメント別の状況
セグメント別では、電子書籍流通事業の売上高は1,011.0億円、営業利益は49.1億円だった。戦略投資事業の売上高は87.1億円、営業利益は-6.3億円で赤字が継続した。調整額は売上高-12.8億円、営業利益-18.3億円だった。
| 区分 | 売上高(26/2期実績) | 営業利益(26/2期実績) |
|---|---|---|
| 電子書籍流通事業 | 1,011.0億円 | 49.1億円 |
| 戦略投資事業 | 87.1億円 | -6.3億円 |
| 調整額 | -12.8億円 | -18.3億円 |
| 合計 | 1,085.3億円 | 24.5億円 |
通期業績予想(2027年2月期)
2027年2月期は売上高1,180.0億円(前期比+8.7%)を見込み、増収の見通し。一方、中期経営計画における各注力事業(電子書籍流通事業・国際事業・SC事業)への投資を実施することから、営業利益は24.0億円(同-2.2%)、経常利益は20.5億円(同-19.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は12.0億円(同-34.0%)といずれも減益を見込む。一方、売上高とEBITDA(41.0億円、同+11.8%)は過去最高を見込む。
| 項目 | 26/2期実績 | 27/2期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,085.3億円 | 1,180.0億円 | +8.7%(+94.7億円) |
| 営業利益 | 24.5億円 | 24.0億円 | -2.2%(-0.5億円) |
| 経常利益 | 25.5億円 | 20.5億円 | -19.6%(-5.0億円) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 18.1億円 | 12.0億円 | -34.0%(-6.1億円) |
| EBITDA | 36.6億円 | 41.0億円 | +11.8%(+4.4億円) |

セグメント別業績予想(2027年2月期)
セグメント別では、電子書籍流通事業の売上高は1,041.0億円(前期比+3.0%)、営業利益は46.9億円(同-4.7%)を予想する。戦略投資事業は売上高152.0億円(同+74.4%)を見込み、営業損益は-2.8億円(前期の-6.3億円から3.5億円の改善)を予想する。戦略投資事業の拡大は、2026年3月に買収したSeven Seas Entertainmentの業績が2Qから9か月分寄与することによる。
| 区分 | 売上高(27/2期予想) | 営業利益(27/2期予想) |
|---|---|---|
| 電子書籍流通事業 | 1,041.0億円 | 46.9億円 |
| 戦略投資事業 | 152.0億円 | -2.8億円 |
| 調整額 | -13.0億円 | -20.1億円 |
| 合計 | 1,180.0億円 | 24.0億円 |
海外展開(成長戦略)
2026年3月、日本コンテンツの年間発行タイトル数で世界最大級の翻訳出版社Seven Seas Entertainmentを80百万ドル(約126億円)で買収した。Seven Seasの2024年12月期業績(会計監査前の数値)は売上高78億円、営業利益16億円。同社はPenguin Random House(PRH)グループの流通網と連携し、世界240以上の国と地域へ書籍を供給している。2026年3月16日には出版業界向け説明会を開催し、現地・オンライン合計437名が参加した。

株主還元
26/2期の1株当たり配当金は、期初予想通り過去最高額となる40円で決議予定であり、配当性向は33%。27/2期も1株当たり配当金は前期と同水準の40円を見込む。株主還元方針は「総還元性向30%以上」を掲げ、配当による安定的な還元に加え、事業状況と株価動向に応じた機動的な自己株式取得も検討する。

成長戦略/トピック
中期経営計画における成長戦略の軸は、①電子書籍流通事業、②海外展開、③SC事業の3つ。電子書籍流通事業は2025年度の流通総額が約1,930億円、出版社2,200社超・電子書店150社超が取引し、電子書籍取次シェアはNo.1。今後は取次にとどまらず、BIツールの開発や人員体制強化により、出版業界のインフラとしての機能を強化する方針。SC事業では、起業家支援拠点「イノベーションベース(IB)」が全国19府県で発足済みで、プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」は2025-26シーズンにプレーオフ進出を決定し、3年で累積黒字を達成した。
※本記事はメディアドゥが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。