※本記事は駅探が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
駅探は2026年3月期の通期連結業績を発表した。売上高は2,992百万円(前期比▲14.5%)、営業利益は▲16百万円(前期116百万円)となり営業損益は黒字から赤字に転じたが、EBITDA(償却前営業利益)は95百万円の黒字を確保した。無形固定資産の減損損失315百万円の計上により当期純利益は▲368百万円(前期57百万円)となった。2026年1月30日公表の業績予想との対比では売上高達成率101.0%、営業利益は+42百万円の上振れで着地している。
連結業績(当期 実績)
減収の主な要因は、連結子会社サークア株式会社の株式売却に伴う連結除外による影響▲300百万円、乗換案内サービスの有料会員数減少による▲121百万円。営業利益は、無形固定資産の減価償却費が前期比34百万円増加したことに加え、有料会員減少による減収の影響を人件費削減・内製化による費用削減で完全には打ち返せず、赤字となった。過年度から累積した固定資産(主にソフトウェア)の減損損失315百万円を計上したことで、当期純利益は▲368百万円に減少した。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,499百万円 | 2,992百万円 | ▲507百万円 | ▲14.5% |
| 営業利益 | 116百万円 | ▲16百万円 | ▲132百万円 | - |
| EBITDA(償却前営業利益) | 192百万円 | 95百万円 | ▲97百万円 | ▲50.5% |
| 当期純利益 | 57百万円 | ▲368百万円 | ▲425百万円 | - |
通期業績予想
2026年1月30日開示の通期業績予想との対比では、売上高は予想2,961百万円に対し実績2,992百万円で達成率101.0%。駅探単体およびグループ会社(プラウドエンジン、サイバネット等)の売上増加が寄与した。営業利益は予想▲58百万円に対し実績▲16百万円となり、+42百万円改善して着地した。Paykeに対する営業支援売上の増加や、プラウドエンジン・サイバネットにおける2〜3月の案件成約増が上振れの要因である。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2026年1月公表予想 | 実績/予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,992百万円 | 2,961百万円 | 101.0% |
| 営業利益 | ▲16百万円 | ▲58百万円 | - |

連結財政状態
2026年3月期末の総資産は1,867百万円(前期末比▲593百万円)。固定資産は減損損失の計上及びのれん償却により627百万円から260百万円に減少した。総負債は、ラテラの外部借入をグループ内の資金融通に切り替えたことなどにより811百万円から652百万円に減少。純資産(自己資本)は減損損失の計上及び当期純損失により1,649百万円から1,216百万円に減少したが、負債の圧縮により自己資本比率は65.2%を維持した。
| 項目 | 2025年3月期末 | 2026年3月期末 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 流動資産 | 1,833百万円 | 1,608百万円 | ▲225百万円 |
| 固定資産 | 627百万円 | 260百万円 | ▲367百万円 |
| 総資産 | 2,460百万円 | 1,867百万円 | ▲593百万円 |
| 総負債 | 811百万円 | 652百万円 | ▲159百万円 |
| 純資産(自己資本) | 1,649百万円 | 1,216百万円 | ▲433百万円 |
| 自己資本比率 | 67.0% | 65.2% | ▲1.8% |

事業概要とセグメント構成
駅探グループは、経路検索・交通情報サービスを個人向けに提供するB2C事業と、業務向けソリューションや交通データを提供するB2B事業から構成される。グループ会社には、駅探(乗換案内サービス、駅探法人サービス、駅探BIZ、駅探BTOnline等)のほか、ラテラ(エリアマップ/ガイドブック等)、プラウドエンジン(PE)、グロースアンドコミュニケーションズ(GC)、サイバネット(CYB)、アイティジェイ(ITJ)が含まれる。
コスト削減・減損損失と2027年3月期見通し
新経営体制のもとで実施した全社横断の改革プロジェクトにより、外注費・派遣人件費・業務委託費の削減と業務内製化を推進し、年額相当81百万円のコスト削減を実現した。また、過去に無形固定資産(ソフトウェア)として資産計上されていた収益獲得に直接貢献しない費用について、315百万円の減損損失を計上し、会計処理を正常化した。この結果、2027年3月期以降は減価償却費の減少が見込まれ、2026年1月公表の2027年3月期通期業績見込みについても連結営業利益を上方修正し、5百万円の黒字化見込み(当初公表時は▲110百万円の赤字)とした。
事業戦略・トピックス
2026年1月に新中期経営計画を公表。無形固定資産に計上されないドメインパワー(ekitan.com)、UU/PV数、乗換案内のノウハウ等の既存アセットを活用する成長戦略として、インバウンドメディア事業を位置づけ、2026年4月1日に10言語対応の多言語メディアをローンチした。訪日インバウンド向けサービスを手掛ける株式会社Paykeと協業を開始し、飲料・食品系のナショナルクライアント等のプロモーション案件成約が増加している。2026年4月1日には、株式会社IP DREAMとのAI・DX事業連携プロジェクトチームを発足し、資本業務提携の検討を開始した。

株主還元
配当の指標としてDOE(Dividend on Equity、自己資本配当率)を導入し、単年度の利益変動に左右されない安定的な配当(DOE3%以上)を目指す方針を示した。あわせて、株価の安定や長期保有株主の増加を目的とした株主優待制度を新設した(詳細は2026年2月に開示済み)。配当予想は決定次第、開示予定としている。

※本記事は駅探が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。