※本記事はシンデン・ハイテックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
シンデン・ハイテックスは2026年3月期の連結業績を発表した。売上高は42,812百万円(前期比▲2.1%)、営業利益は1,066百万円(同▲23.9%)、経常利益は523百万円(同▲43.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は351百万円(同▲45.2%)となった。販売面では売上高の下げ幅が縮小し一部で回復の兆しが見られたものの、利益面では売上総利益の減少により営業利益が減益、さらに為替差損の計上により経常利益も減益となった。
連結業績(当期 実績)
売上高は分野別に増減が分かれ、ディスプレイ分野とシステム製品分野の増収が全体を下支えした一方、半導体製品分野とバッテリー&電力機器分野の減収が響き、全体では前期比▲2.1%の減収となった。売上総利益は主にメモリー市況の変動等を背景とした調達環境の変化により原価率が上昇したことが影響し▲9.7%の減少。営業利益は販売費及び一般管理費を抑制したものの売上総利益の減益を吸収できず▲23.9%の減益。経常利益は営業利益の減益に加え、仕入資金需要の増加に伴うドル建て資産負債のネットポジション拡大を背景に為替差損が増加したことで▲43.7%の減益となった。
| 項目 | 当期実績(26年3月期) | 前期実績(25年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 42,812百万円 | 43,745百万円 | ▲2.1% |
| 営業利益 | 1,066百万円 | 1,400百万円 | ▲23.9% |
| 経常利益 | 523百万円 | 929百万円 | ▲43.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 351百万円 | 642百万円 | ▲45.2% |
分野別の状況
半導体製品は、メモリー関連商材の価格上昇による増加があったものの、当初想定していた一部車載向けビジネスの商流移管に加え、前年に計上したファウンドリービジネスの反動減が影響し▲9.6%の減収。ディスプレイは、テレビ向け需要増加や有機EL案件の進捗、完成品としての液晶ディスプレイの販路拡大があったものの、PC向け需要が一巡したことで▲2.6%の減収。システム製品は、検査等装置およびEMSビジネスが堅調に推移したことに加え、AIサーバーのメーカーラインナップ強化による案件獲得が進み+43.7%の増収。バッテリー&電力機器は、バッテリー周辺機器や電力機器が増加したものの、主力である家庭用蓄電システム向けビジネスの減少が影響し▲21.8%の減収となった。
| 分野 | 当期実績(26年3月期) | 前期実績(25年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 半導体製品 | 26,103百万円 | 28,866百万円 | ▲9.6% |
| ディスプレイ | 7,461百万円 | 7,659百万円 | ▲2.6% |
| システム製品 | 7,710百万円 | 5,364百万円 | +43.7% |
| バッテリー&電力機器 | 1,254百万円 | 1,604百万円 | ▲21.8% |

通期業績予想との差異
2025年11月11日公表の修正業績予想(売上高43,800百万円、営業利益1,150百万円、経常利益800百万円、当期純利益550百万円)に対し、実績は売上高△2.3%、営業利益△7.3%と差異は軽微だった。一方、メモリー価格高騰を背景とする仕入資金需要の増加によりドル建て有利子負債が想定以上に増加し、期末のドル建て資産負債ネットポジションが拡大。これに期末の為替レート変動が加わり為替差損が増加した結果、経常利益は修正見通しに対し△34.5%、親会社株主に帰属する当期純利益は△36.0%と前回公表予想を大きく下回った。
| 項目 | 通期修正見通し(26年3月期) | 通期実績(26年3月期) | 差異率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 43,800百万円 | 42,812百万円 | △2.3% |
| 営業利益 | 1,150百万円 | 1,066百万円 | △7.3% |
| 経常利益 | 800百万円 | 523百万円 | △34.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 550百万円 | 351百万円 | △36.0% |

通期業績予想(27年3月期)
次期(2027年3月期)は、メモリー価格とAI関連需要を主な追い風に回復・成長局面に入る見通し。売上高50,000百万円(前期比+16.8%)、営業利益1,700百万円(同+59.4%)、経常利益1,200百万円(同+129.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益850百万円(同+141.5%)を見込む。分野別では、半導体製品はメモリー関連商材の価格高止まりや新規ビジネスの安定需要、ファウンドリー関連ビジネスの拡大により+17.2%、システム製品はAIサーバー案件獲得の進展等により+42.7%の増収を見込む一方、ディスプレイはPC・TV向け液晶ディスプレイモジュール需要の一巡により▲7.5%、バッテリー&電力機器は主力の家庭用ESS向けビジネスの終息により▲12.3%の減収を見込む。
| 項目 | 当年度実績(26年3月期) | 次年度見通し(27年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 42,812百万円 | 50,000百万円 | +16.8% |
| 営業利益 | 1,066百万円 | 1,700百万円 | +59.4% |
| 経常利益 | 523百万円 | 1,200百万円 | +129.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 351百万円 | 850百万円 | +141.5% |

株主還元
当社は株主への利益還元を重要な経営政策のひとつと位置づけ、財政状態や経営環境等を総合的に勘案し、必要な内部留保を確保しつつ「安定性に留意して」配当を実施する方針。株主還元は年1回、期末配当として株主総会の決議により実施することを基本方針としている。2026年6月(期末)の配当は、株主への安定的な還元と今後の財政状態を総合的に勘案し、2025年5月12日公表の配当単価を維持する。2027年6月の配当予想は、通期業績予想を基に配当性向30%を目安としつつ、配当の安定性に留意して設定する。

中期経営計画/トピック
代表取締役社長 鈴木淳氏は、当社が2021年3月期以降、収益構造改革を推進してきた結果、成長分野を中心とした利益構造の改善や事業ポートフォリオの見直しが進み、収益の質は着実に向上してきていると述べている。新たに開始する新中期経営期間では、こうした成果を土台に、売上・利益の着実な成長と、将来の成長に向けた人材投資やDX投資を同時に進める局面に入ったとしている。2027年3月期の計画は、短期的な利益の最大化を追うのではなく実行可能性を重視した計画としており、新中期経営期間を通じて持続的に利益を積み上げられる事業構造の完成を目指すとしている。
※本記事はシンデン・ハイテックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。