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東洋紡、2026年3月期は営業利益67.6%増の279億円 2027年3月期の業績予想は未定

決算サマリー 2026.08.19
東洋紡、2026年3月期は営業利益67.6%増の279億円 2027年3月期の業績予想は未定

※本記事は東洋紡が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

東洋紡は2026年3月期決算を発表した。ライフサイエンスは減益となったものの、フィルム、環境・機能材、機能繊維・商事の各セグメントが堅調に推移し、連結営業利益は前年度比1.7倍となる67.6%増の279億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は112億円で、前期の20億円から増加した。売上高は4,216億円で前期比0.1%減とほぼ横ばいだった。なお、中東情勢の緊迫化により事業への影響を適正かつ合理的に算定することが困難なため、2027年3月期の連結業績予想は現時点では未定としている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は4,216億円(前期比▲5億円、▲0.1%)、営業利益は279億円(同+113億円、+67.6%)で、営業利益率は6.6%(前期3.9%)に改善した。経常利益は229億円(同+123億円、+116.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は112億円(同+92億円)、EBITDAは525億円(同+132億円、+33.5%)だった。営業利益は2026年2月時点の直近予想240億円を上回った。

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期(当期)増減2026年3月期直近予想(2026年2月公表)
売上高4,1434,2204,216▲5(▲0.1%)4,300
売上総利益8809711,082+111(+11.4%)
営業利益90167279+113(+67.6%)240
営業利益率2.2%3.9%6.6%5.6%
経常利益70106229+123(+116.0%)195
親会社株主に帰属する当期純利益2520112+9285
EBITDA288394525+132(+33.5%)485
決算のポイント
出典:東洋紡 2025年度決算説明 P.2

セグメント別の状況

フィルムは包装用フィルムの生産体制見直しによる収益改善やセラミックコンデンサ用離型フィルムのAIサーバー向け販売拡大などにより、営業利益は前期比140.4%増の166億円となった。ライフサイエンスは生化学診断薬用原料酵素の需要が堅調だった一方、診断薬用試薬の中国市況悪化や海外拠点での販売減少が響き、営業利益は前期比96.8%減の1億円にとどまった。環境・機能材はエンジニアリングプラスチックの海外需要取り込みや不織布マテリアルの国内生産体制見直しなどにより、営業利益は前期比21.9%増の97億円となった。機能繊維・商事はエアバッグ用基布のコストダウンや中東向け特化生地の販売増加により、営業利益は前期比132.4%増の13億円となった。

セグメント売上高2025年3月期売上高2026年3月期営業利益2025年3月期営業利益2026年3月期増減
フィルム1,6681,75269166+97
ライフサイエンス343345201▲19
環境・機能材1,1081,1018097+17
機能繊維・商事981896513+7
不動産・その他1201222632+6
消去・全社▲33▲29+4
合計4,2204,216167279+113
決算サマリー|セグメント別
出典:東洋紡 2025年度決算説明 P.9

営業利益の増減要因

営業利益は前期の167億円から279億円へ113億円増加した。増減要因としては、原燃料要因で+53億円、売値要因で+51億円などが挙げられている。

営業利益の増減要因
出典:東洋紡 2025年度決算説明 P.6

財務状況

2026年3月末の総資産は6,277億円(前年度末比+99億円)、自己資本は2,133億円(同+180億円)となった。有利子負債は2,610億円(同▲69億円)で、D/Eレシオは1.22倍(前年度末1.37倍)に改善した。

項目2024年3月末2025年3月末2026年3月末増減
総資産6,0706,1786,277+99
現預金338286311+25
売上債権1,0281,0621,017▲45
棚卸資産1,2201,1901,281+91
有形固定資産2,8152,9652,999+34
純資産2,3012,3202,520+200
自己資本1,9701,9532,133+180
有利子負債2,4922,6792,610▲69
D/Eレシオ1.261.371.22

キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは450億円(前期比+149億円)、投資活動によるキャッシュ・フローは▲271億円(同+193億円)となり、フリー・キャッシュ・フローは180億円(同+342億円)で前期の▲163億円から改善した。設備投資は290億円(同▲141億円)、研究開発費は141億円(同▲1億円)だった。

項目2025年3月期2026年3月期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー301450+149
投資活動によるキャッシュ・フロー▲464▲271+193
フリー・キャッシュ・フロー▲163180+342
財務活動によるキャッシュ・フロー105▲165▲270
現金及び現金同等物の期末残高274301+27
減価償却費227246+19
設備投資432290▲141
研究開発費143141▲1

2027年3月期の業績見通し

中東地域における情勢不安の長期化により、石油・ナフサ由来の原材料等の供給の停滞や価格の高騰などの影響が予想されるとしている。事業への影響を適正かつ合理的に算定することが困難なため、2027年3月期の連結業績予想および同期の配当予想は現時点では未定としている。今後の動向を見極めながら、適正かつ合理的な算定が可能になった段階で速やかに公表するとしている。

株主還元

2026年3月期の配当は1株あたり40円とした。2027年3月期の配当予想は、業績予想と同様に現時点では未定としている。

経営方針・地政学リスクへの対応

2026年度の経営方針として、安全・防災、品質、コンプライアンスの徹底を大前提に、投資成果の実現、価値に見合ったプライシングの徹底、資産効率改善(課題事業対策、CCC短縮)、投資・経費の絞り込みとTX(Toyobo-Transformation)の具体化・コストダウン、そして地政学リスクへの緊急対応(レジリエンス強化)を掲げ、「未来をつくるために稼ぐ力と資産効率を高める」「ワンチーム経営で取り組む」としている。2026年4月公表の地政学リスクへの備えでは、短期対策として情報共有とアクション、サプライチェーンの代替ルート確保、手元資金を厚めに確保、コスト影響の可視化、価格見直し、経費・投資の絞り込みを進め、中期対策として調達・物流網の分散化、事業ポートフォリオ改革、財務基盤の強化に取り組むとしている。

地政学リスクへの備え、対応
出典:東洋紡 2025年度決算説明 P.17

※本記事は東洋紡が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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