※本記事はテノックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
テノックスの2026年3月期連結業績は、売上高21,093百万円(前期比△11.1%)、営業利益1,289百万円(同+15.6%)、経常利益1,331百万円(同+14.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益939百万円(同+25.4%)となり、減収増益となった。売上高は「北海道新幹線延伸事業」のピークアウトやCP-X工法の受注の遅れにより前期比・計画比ともに減収となった一方、施工効率の向上や契約条件の最適化などの継続的な取り組みにより営業利益は増益となった。当期純利益は期初計画比+44.5%。1株当たり年間配当は過去最高の60.5円、DOEは3.0%とした。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は前期比△2,623百万円の21,093百万円となり、期初計画(2025年5月14日発表)の23,500百万円に対しては△10.2%だった。売上総利益は3,999百万円(前期比+10.4%)、売上総利益率は19.0%で、資料は連結決算発表を開始した2000/3期以降で最高としている。ROEは7.1%(前期比+1.2pt)、自己資本比率は63.7%(同+2.3pt)となった。
| 項目 | 2026/3期 実績 | 2025/3期 実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 21,093 | 23,717 | △11.1% |
| 売上総利益(百万円) | 3,999 | 3,623 | +10.4% |
| 営業利益(百万円) | 1,289 | 1,115 | +15.6% |
| 経常利益(百万円) | 1,331 | 1,164 | +14.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 939 | 749 | +25.4% |
| EPS 1株当たり利益 | 141.14円 | 113.29円 | +24.6% |
| ROE 自己資本利益率 | 7.1% | 5.9% | +1.2pt |
| 受注高(百万円) | 17,303 | 21,093 | △18.0% |
| 受注残高(百万円) | 6,568 | 9,742 | △32.6% |
| 自己資本比率 | 63.7% | 61.4% | +2.3pt |

売上高の増減要因は、土木事業(国内)が△3,622百万円、建築事業(国内)が+827百万円、海外事業が+103百万円、土木建築コンサルティング事業が+67百万円。土木事業(国内)では北海道新幹線が前期6,852百万円から当期2,588百万円へ前期比△4,264百万円となり、建築事業(国内)の地盤改良工事は前期6,972百万円から当期8,691百万円へ+1,718百万円となった。営業利益は前期比+174百万円で、売上総利益率は土木事業(国内)が前期13.9%から当期16.0%へ+2.0pt、建築事業(国内)が前期16.8%から当期21.7%へ+4.9pt改善した一方、人員増加・ベースアップによる人件費や新基幹システム稼働に伴う減価償却費により販売費一般管理費が増加した。
キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが+1,417百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△3,286百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△421百万円。現金預金は前期末の10,198百万円から7,841百万円へ△2,357百万円となり、主な要因はジャパンホームシールド株式会社の株式の購入による支出△2,596百万円とされている。
セグメント・事業別の状況
土木事業(国内)は「北海道新幹線延伸事業」がピークアウトし、売上高8,607百万円(前期比△29.6%)、営業利益612百万円(同△29.3%)。建築事業(国内)は大型工場や物流施設の地盤改良工事が増加し、売上高10,815百万円(同+8.3%)、営業利益645百万円(同+177.5%)となった。海外事業は前期に引き続き大型工場の地盤改良工事が寄与し、土木建築コンサルティング事業は設計・計算業務が増加した。
| 区分 | 指標 | 2026/3期 | 2025/3期 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 土木事業(国内) | 売上高(百万円) | 8,607 | 12,229 | △29.6% |
| 土木事業(国内) | 営業利益(百万円) | 612 | 866 | △29.3% |
| 建築事業(国内) | 売上高(百万円) | 10,815 | 9,987 | +8.3% |
| 建築事業(国内) | 営業利益(百万円) | 645 | 232 | +177.5% |
| 海外事業 | 売上高(百万円) | 1,054 | 951 | +10.9% |
| 海外事業 | 営業利益(百万円) | 9 | 4 | +88.6% |
| 土木建築コンサルティング事業 | 売上高(百万円) | 592 | 524 | +12.9% |
| 土木建築コンサルティング事業 | 営業利益(百万円) | 14 | 4 | +204.1% |
| その他の事業 | 売上高(百万円) | 23 | 23 | △0.0% |
| その他の事業 | 営業利益(百万円) | 7 | 7 | +13.3% |
| 計 | 売上高(百万円) | 21,093 | 23,717 | △11.1% |
| 計 | 営業利益(百万円) | 1,289 | 1,115 | +15.6% |

受注残高は6,568百万円で、前期末の9,742百万円から△3,174百万円(△32.6%)となった。資料では、2024/3期に受注した「北海道新幹線延伸事業」は2026/3期までに95%を施工完了し、同事業を除いた受注残高は安定的に推移しているとしている。次期大型プロジェクトの「リニア中央新幹線」は2027/3期より順次受注を開始する予定。
2027年3月期 業績予想
2027年3月期は、建築事業(国内)が牽引し売上高23,000百万円(2026/3期実績比+9.0%)を見込む一方、営業利益は本社移転に伴う一時的な費用1.3億円や人件費、新基幹システムの稼働などによる減価償却費の増加により1,150百万円(同△10.8%)と減益を予想する。持分法適用会社となったジャパンホームシールド株式会社が経常利益・当期純利益へ寄与し、親会社株主に帰属する当期純利益は1,000百万円(同+6.5%)を見込む。「リニア中央新幹線」プロジェクトの受注の遅れにより、売上高は中期経営計画値に対して未達見込みとしている。
| 項目 | 2027/3期 予想 | 2026/3期 実績 | 増減率 | 2027/3期 中期経営計画目標 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 23,000 | 21,093 | +9.0% | 27,000 |
| 売上総利益(百万円) | 4,250 | 3,999 | +6.3% | - |
| 営業利益(百万円) | 1,150 | 1,289 | △10.8% | - |
| 経常利益(百万円) | 1,300 | 1,331 | △2.4% | 1,500 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 1,000 | 939 | +6.5% | - |
| EPS 1株当たり利益 | 150.01円 | 141.14円 | +6.3% | - |
| ROE 自己資本利益率 | 7.2% | 7.1% | +0.1pt | 8.0% |

事業別では、土木事業(国内)が「北海道新幹線延伸事業」のピークアウトおよび「リニア中央新幹線」の受注の遅れにより売上高6,750百万円(2026/3期実績比△21.6%)、営業利益140百万円(同△77.1%)と大幅減を見込む。建築事業(国内)は引き続き好調な地盤改良のほかTN-X工法や液状化対策を見込み、売上高13,525百万円(同+25.1%)、営業利益881百万円(同+36.3%)。海外事業はバリューチェーンの強化により売上高2,000百万円(同+89.6%)、営業利益80百万円(同+764.9%)と大幅増を計画する。
外部環境については、2027年3月期の建設投資見通しを80兆9,400億円(前期見通し比+5.4%)と堅調に見込む一方、イラン問題によるリスクとして燃料や材料費(セメント・鋼管)の価格上昇には価格転嫁で対応し、潤滑油・エンジンオイル等の調達は現時点で半年程度の安定供給を確認したとしている。
株主還元
資料では、資本効率経営の推進の一環として「DOE2%以上」の方針を大きく上回る配当を実施したとしている。2025年度(2026年3月期)の1株当たり年間配当は過去最高の60.5円で、DOEは3.0%。2026年度は62円を目標として掲げている。
| 項目 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 38円 | 50円 | 60.5円 | 62円(目標) |
| DOE | 2.0% | 2.6% | 3.0% | - |

中期経営計画(2024-2026年度)とトピック
中期経営計画は「100年企業を目指したサステナビリティ経営の実現」に向け、事業別戦略・開発戦略・環境デジタル戦略・経営基盤の強化・資本効率経営の推進の5つの重要戦略を掲げている。2026年1月30日には、戸建て住宅分野における地盤調査・地盤保証を主力とするジャパンホームシールド株式会社の株式30%を2,596百万円で取得し、資本業務提携を実施した。資料では、非住宅建設市場と金額ベースでほぼ同規模の住宅市場を新たな成長領域として取り込み、グレーターテノックスとしてのシナジーの早期発現を目指すとしている。
経営数値目標については、2026年度予想が売上高230億円・経常利益13億円・ROE7.2%であるのに対し、中期経営計画目標は売上高270億円・経常利益15億円・ROE8.0%。「リニア中央新幹線」の受注の遅れにより売上高は大幅未達となるものの、売上総利益率の向上に加え投資収益効果の取り込みにより、当期純利益では概ね目標を達成する見込みとしている。ROE目標は、期中の収益力改善や投資シナジーの早期発現に加え、配当の積み増しも視野に入れ達成を目指すとしている。
※本記事はテノックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。