※本記事は矢作建設工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
矢作建設工業は2026年3月期決算で、連結売上高1,693億円(前期比20.4%増)、連結営業利益137億円(同58.8%増)、当期純利益84億円(同50.0%増)を計上し、売上高・各利益段階ともに過去最高を更新した。複数の大型建築工事が施工の最盛期を迎えたことに加え、工事採算性の向上が寄与した。2027年3月期は、大型建築工事の反動減や不動産事業における分譲マンション事業の譲渡により売上高1,500億円(同11.5%減)、営業利益90億円(同34.5%減)を見込む一方、特別利益の計上などにより当期純利益は82億円(同3.2%減)にとどまる見通し。1株配当金は2026年3月期100円(前期比+20円)、2027年3月期は前期同額の100円を予想する。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の連結売上高は169,399百万円(前期比20.4%増)、完成工事高150,156百万円(同26.5%増)、不動産事業等売上高19,243百万円(同12.5%減)だった。売上総利益は25,980百万円(同33.8%増、売上総利益率15.3%)、営業利益13,742百万円(同58.8%増、営業利益率8.1%)、経常利益13,698百万円(同59.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,468百万円(同50.0%増)と、売上高・各利益段階ともに過去最高を更新した。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 169,399百万円 | 140,699百万円 | 28,700百万円 | 20.4% |
| 完成工事高 | 150,156百万円 | 118,701百万円 | 31,454百万円 | 26.5% |
| 不動産事業等売上高 | 19,243百万円 | 21,997百万円 | △2,754百万円 | △12.5% |
| 売上総利益 | 25,980百万円 | 19,416百万円 | 6,564百万円 | 33.8% |
| 営業利益 | 13,742百万円 | 8,654百万円 | 5,088百万円 | 58.8% |
| 経常利益 | 13,698百万円 | 8,616百万円 | 5,081百万円 | 59.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8,468百万円 | 5,643百万円 | 2,824百万円 | 50.0% |
セグメント別(事業別)の状況
事業別では、建築事業の売上高が112,339百万円(前期比29.8%増)、売上総利益が11,056百万円(同136.5%増)と、大型物流施設工事などの進捗により大幅に伸長した。土木事業は売上高37,817百万円(同17.5%増)、売上総利益7,831百万円(同27.1%増)。不動産事業は分譲マンション事業の販売戸数減少により売上高19,243百万円(同10.8%減)、売上総利益7,092百万円(同17.3%減)となった。受注高は建築事業・土木事業ともに高水準を維持し、合計160,194百万円(同9.6%増)と5期連続で過去最高を更新した。
| 事業 | 指標 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 建築事業 | 売上高 | 112,339百万円 | 86,529百万円 | 29.8% |
| 建築事業 | 売上総利益 | 11,056百万円 | 4,676百万円 | 136.5% |
| 土木事業 | 売上高 | 37,817百万円 | 32,172百万円 | 17.5% |
| 土木事業 | 売上総利益 | 7,831百万円 | 6,159百万円 | 27.1% |
| 不動産事業 | 売上高 | 19,243百万円 | 21,997百万円 | △10.8% |
| 不動産事業 | 売上総利益 | 7,092百万円 | 8,580百万円 | △17.3% |


通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、前期に複数の大型建築工事が施工の最盛期を迎えた反動に加え、不動産事業における分譲マンション事業の譲渡に伴う減収により、連結売上高は150,000百万円(前期比11.5%減)を見込む。減収の影響により営業利益は9,000百万円(同34.5%減)、経常利益8,880百万円(同35.2%減)を見込む一方、分譲マンション管理事業の譲渡益や政策保有株式の売却などの利益計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は8,200百万円(同3.2%減)と小幅な減益にとどまる見通し。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 150,000百万円 | 169,399百万円 | △11.5% |
| 完成工事高 | 139,000百万円 | 150,156百万円 | △7.4% |
| 不動産事業等売上高 | 11,000百万円 | 19,243百万円 | △42.8% |
| 営業利益 | 9,000百万円 | 13,742百万円 | △34.5% |
| 経常利益 | 8,880百万円 | 13,698百万円 | △35.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8,200百万円 | 8,468百万円 | △3.2% |

株主還元
期末配当金は当初予想の45円から10円増額し55円とし、実施済みの中間配当金45円と合わせ2026年3月期の年間配当金は100円(前期比+20円)とした。配当方針はDOE(自己資本配当率)5%以上・累進配当であり、2027年3月期も減益予想の中、前期と同額の年間100円を予想している。配当性向は2026年3月期50.8%、自己資本配当率(DOE)は6.0%だった。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 中間配当金 | 40円 | 45円 | 50円 |
| 期末配当金 | 40円 | 55円 | 50円 |
| 年間配当金 | 80円 | 100円 | 100円 |
| 配当性向 | 61.0% | 50.8% | 52.7% |
| 自己資本配当率(DOE) | 5.1% | 6.0% | 5.6% |

トピック
2026年4月、法面補強分野で「スタンドドライブ工法」を有する株式会社海昌を子会社化し、独自の「パンウォール工法」との連携により商品ラインナップの拡充や受注機会の拡大を図る。同時に、分譲マンション開発・販売事業(矢作地所が運営)および分譲マンション管理事業(矢作ビル&ライフが運営)を、名鉄都市開発株式会社および名鉄コミュニティライフ株式会社へ譲渡し、法人・官公庁向け建設事業及び不動産事業へ経営資源を集中する。譲渡した事業に係る売上高は5,065百万円(2026年3月期)だった。
※本記事は矢作建設工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。