佐田建設

佐田建設、2026年3月期は売上高36,769百万円 営業利益1,772百万円で増収増益

決算サマリー 2026.08.11
佐田建設、2026年3月期は売上高36,769百万円 営業利益1,772百万円で増収増益

※本記事は佐田建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

佐田建設の2026年3月期は、売上高36,769百万円(前期比14.0%増)、営業利益1,772百万円(同84.4%増)、経常利益1,717百万円(同77.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益964百万円(同57.7%増)となり、増収増益となった。資料では「堅調な民間設備投資を背景にして、要員効率の高い大型工事を選別して受注」し、「大型工事の採算性改善に注力するとともに、サプライチェーン全体でコストを吸収する意識が強まり増収増益を確保」したと説明している。約42億円の自己株式取得を前倒しで実施し、2028年3月期目標の自己資本120億円以下を早期に達成、ROEは7.2%に上昇した。2027年3月期は売上高37,600百万円、営業利益1,500百万円、当期純利益910百万円を予想する。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は36,769百万円で前期比4,504百万円の増加。うち完成工事高は36,338百万円(同4,546百万円増、14.3%増)、兼業事業売上高は431百万円(同△41百万円、△8.7%)だった。売上総利益は3,912百万円(同31.3%増)、販売費および一般管理費は2,140百万円(同6.0%増)で、営業利益率は4.8%、経常利益率は4.7%、当期純利益率は2.6%。1株当たり当期純利益は71.57円。主要経営指標はROE7.2%、ROIC9.1%、PBR1.1倍、PER15.1倍となった。期初予想(売上高38,745百万円、営業利益1,084百万円、当期純利益799百万円)に対しては、売上高は下回った一方で利益は上回る着地となっている。

項目2026年3月期(実績)2025年3月期(実績)増減額増減率(%)
売上高36,76932,2644,50414.0%
完成工事高36,33831,7924,54614.3%
兼業事業売上高431472△41△8.7%
売上総利益3,9122,98093231.3%
販売費および一般管理費2,1402,0191216.0%
営業利益1,77296081184.4%
経常利益1,71796874877.3%
親会社株主に帰属する当期純利益96461135257.7%
1株当たり当期純利益(円)71.5739.8631.779.5%
2026年3月期の業績および主要経営指標(売上高・営業利益・経常利益・当期純利益・ROE等)の一覧表
出典:佐田建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.9

財務面では、自己株式取得を約42億円実施したことにより流動資産(現預金)・純資産が圧縮され、資本効率の改善に寄与した。2026年3月末の純資産は11,351百万円(前期末15,522百万円)、うち株主資本は10,498百万円で、期中の変動は親会社株主に帰属する当期純利益964百万円、剰余金の配当△924百万円、自己株式の取得△4,246百万円、自己株式の処分18百万円。キャッシュ・フローは、完成工事未収入金・法人税等の増加により営業CFが約7億円のマイナス、自己株式の取得により財務CFが約43億円のマイナスとなった。

セグメント別の状況

土木事業は、受注高が9,323百万円(前期12,915百万円)と、前期同様に民間の大型工事を受注したものの官庁工事の出件数の減により全体として減少した。一方、売上高は前期繰越工事の大幅な増加と年度後半からの追加変更工事のフォローにより11,213百万円(同8,303百万円)へ増収、売上総利益は1,455百万円(同988百万円)、売上総利益率は13.0%へ改善した。建築事業は、官庁で大型工事の案件が少なかったものの民間の大型工事を受注し、受注高が31,545百万円(同25,119百万円)と大幅増。売上高は年度後半に官庁・民間の大型工事が竣工し25,125百万円(同23,489百万円)、売上総利益は2,455百万円(同1,955百万円)、売上総利益率は9.8%となった。兼業事業は、群馬県全体の合材出荷量の減少や受注価格競争等により売上高431百万円(同472百万円)と減収、資材価格高騰分の販売価格への転嫁が進まず売上総利益は1百万円(同36百万円)へ減益となった。2026年3月期のセグメント別売上高構成比は土木事業30.5%、建築事業68.3%、兼業事業1.2%。

セグメント指標2026年3月期2025年3月期
土木事業受注高9,32312,915
土木事業売上高11,2138,303
土木事業売上総利益1,455988
土木事業売上総利益率13.0%11.9%
建築事業受注高31,54525,119
建築事業売上高25,12523,489
建築事業売上総利益2,4551,955
建築事業売上総利益率9.8%8.3%
兼業事業売上高431472
兼業事業売上総利益136
兼業事業売上総利益率0.3%7.7%

受注工事高と繰越工事高

受注工事高は、土木が官庁工事の出件減の影響が大きく全体として苦戦し、民間工事への受注拡大が課題としている。建築は関東地区で工場・集合住宅等の複数の大型案件を受注し、引き続き案件の引き合いも多く好調に推移した。繰越工事高は建築で大幅増、土木が微減となり、全体としては前年比増となった。

区分指標2026年3月期2025年3月期
土木事業前期繰越工事高11,4186,806
土木事業受注工事高9,32312,915
土木事業完成工事高11,2138,303
土木事業繰越工事高9,52911,418
建築事業前期繰越工事高18,46016,830
建築事業受注工事高31,54525,119
建築事業完成工事高25,12523,489
建築事業繰越工事高24,88018,460
土木事業・建築事業の受注工事高と繰越工事高の推移を示すスライド
出典:佐田建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.14

2027年3月期 通期業績予想

2027年3月期は、売上高37,600百万円、営業利益1,500百万円(営業利益率4.0%)、経常利益1,410百万円、親会社株主に帰属する当期純利益910百万円(当期純利益率2.4%)、1株当たり当期純利益75.54円を予想する。売上高は仕掛中案件の獲得、また大型案件獲得に向けた取り組みを加速させ増収の見込み。営業利益は「26年3月期は高利益案件の獲得により一時的に上振れたものの、引き続き要員効率の高い案件の獲得・外部協力業者の早期選定や内製化の拡大を通じた外注費の削減を徹底することで28年3月期目標に向けて着実な進捗を予定」としている。セグメント別では、土木は民間工事で20〜30億円の受注獲得を図り、公共工事は優良案件への入札と大型案件のJV参加を通じて101億円の受注を計画、翌期繰越工事高は89億円を見込む。建築は年度の早い段階で総額100億円規模の案件をフォローし、営工一体の提案活動を強化して294億円の受注を計画、翌期繰越工事高は279億円を見込む。自己資本は目標である120億円以下を維持し、ROEは更なる改善を予定する。

項目2027年3月期(予想)2026年3月期(実績)
売上高37,60036,769
完成工事高37,16536,338
兼業事業売上高434431
売上総利益3,7453,912
販売費および一般管理費2,2452,140
営業利益1,5001,772
(営業利益率)4.0%4.8%
経常利益1,4101,717
親会社株主に帰属する当期純利益910964
1株当たり当期純利益(円)75.5471.57
2027年3月期通期業績予想(売上高・営業利益・当期純利益)のグラフ
出典:佐田建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.19

株主還元

2025年度は対発行済株式総数の約21%の自己株式取得を行った結果、配当総額は減少したものの、総還元額は約49億円となった。自己株式の取得額は4,246百万円で、剰余金の配当は924百万円。約42億円の自己株式取得を前倒しで実施したことにより、2028年3月期目標である自己資本120億円以下を早期に達成し、利益改善との相乗効果でROEは7.2%へ上昇した。2027年3月期も自己資本は目標の120億円以下を維持する方針。

資本政策・株主還元(配当額および自己株式取得)の推移を示すスライド
出典:佐田建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.28

中期経営計画の取り組み状況

中期経営計画(2025年4月〜2028年3月)では、企業価値最大化に向け「利益追求」「資本政策」「ガバナンス強化」の3つを重点施策に掲げている。ROEは目標の10%以上に対し2026年3月期に7.2%まで上昇した。土木事業では複数見積り、材工分離発注および内製化により外注比率80.1%の目標に対し79.2%を達成し、受注工事データのDB化やCIMの活用を進めた。建築事業ではBIM活用の定着に向けた基盤構築、営工連携の強化、失注分析の徹底などに取り組んでいる。成長投資は、地方創生関連投資が当初予算3.0億円に対し実績3.0億円(津久井工務店へ出資済)、人材関連投資が2.0億円に対し1.4億円、DX関連投資が2.2億円に対し1.0億円で、大型設備関連投資(当初予算8.0億円)は市況と収益性を鑑みプラント更新を検討中としている。ガバナンス面では、2025年度に女性社外取締役を招聘し、2025年12月15日に指名報酬諮問委員会を設置。第三者機関による取締役会実効性評価を実施し、課題の抽出・対応方針を策定した。また、2026年6月総会に上程する取締役選任議案の承認後、取締役会は現在の13名から11名の体制となる予定。

※本記事は佐田建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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