※本記事はヤマウラが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ヤマウラの2026年3月期(FY2025)連結業績は、売上高405.26億円(前期比+49.13億円、+13.8%)、営業利益42.59億円(同+3.68億円、+9.4%)、経常利益45.66億円(同+15.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益31.65億円(同+1.63億円、+5.4%)と増収増益で着地した。資料では、工場・倉庫など企業建築のブランド戦略が奏功して収益に大きく貢献し、大型工事の進捗も寄与したことで、売上高・経常利益・当期純利益がいずれも過去最高を更新したと説明している。次期FY2026は増収減益を見込む一方、取得価額総額上限16億円の自社株買いと4年連続増配(1株当たり年間配当金30円→36円)により、一層の株主還元強化と資本効率の向上を図る計画とした。
連結業績(2026年3月期 実績)
トップライン(売上高)の二桁成長を背景に当初業績予想を上回り、経常利益・当期純利益とともに過去最高の増収増益を達成した。売上原価率の上昇により売上総利益率は19.8%から18.4%へ低下し、営業利益率は10.9%から10.5%へ0.4ポイント低下したが、営業外収益の増加(96百万円→321百万円)により経常利益は15.1%増となった。
| 項目(百万円) | FY2025(当期) | FY2024(前期) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 40,526 | 35,613 | 4,913/113.8% |
| 売上原価 | 33,030 | 28,535 | 4,495 |
| 売上総利益 | 7,496 | 7,078 | 418 |
| 販売費・一般管理費 | 3,237 | 3,187 | 50 |
| 営業利益 | 4,259 | 3,891 | 368/109.4% |
| 営業利益率 | 10.5% | 10.9% | △0.4P/96.3% |
| 経常利益 | 4,566 | 3,968 | 598/115.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,165 | 3,002 | 163/105.4% |
財政状態は、成長投資と株主還元(配当等)により現預金が122.40億円から88.39億円へ減少する一方、完成工事未収入金の増加などで総資産は前期末比51.60億円増(30,835百万円→36,007百万円)と規模が拡大した。自己資本比率は75.5%から72.7%へ2.8ポイント低下し、資料では引き続き株主還元や財務レバレッジの活用等により中計目標の70%を目指すとしている。株式指標はEPS167.22円(前期158.63円)、BPS1,383.24円(同1,229.39円)、ROE12.8%(同13.7%)、配当性向17.9%(同15.1%)、DOE2.3%(同2.1%)、PBR1.10倍(同0.98倍)で、当社が認識する資本コスト9%を上回る収益性を確保したと説明している。

セグメント別の状況
エンジニアリング事業と開発事業がともに構造改革中につき前期比減収となったものの、主力の建設事業が前期比68.35億円(23.9%)と大幅に増加した。建設事業は事業全体の売上高の約9割を占め、過去最高更新に寄与している。
| セグメント | 指標 | FY2025(当期) | FY2024(前期) |
|---|---|---|---|
| 建設事業 | 売上高 | 354.71億円 | 286.36億円 |
| エンジニアリング事業 | 売上高 | 30.69億円 | 40.05億円 |
| 開発事業等 | 売上高 | 19.85億円 | 29.71億円 |
工事関連の年次推移では、受注工事高は408億円(合計40,820百万円)となり前期比17.1%増加し、建築セグメントが全体を牽引して高水準を維持した。完成工事高は390億円(合計39,004百万円)と前期比60億円増加し、建築・土木工事の進捗が売上を押し上げた。次期繰越工事高は前期比18億円増の369億円(合計36,908百万円)となり、過去5年間で最高水準となった。建築・エンジニアリングを中心に受注残を積み上げており、今後の売上基盤(業績継続性)は堅調としている。

FY2026 通期業績予想
FY2026は売上高411.26億円(前期比+6億円)、営業利益36.94億円(同△5.65億円)、経常利益39.47億円(同△6.19億円)、親会社株主に帰属する当期純利益27.14億円(同△4.51億円)と増収減益を見込む。売上は持続安定的な次期繰越工事高を受け引き続き堅調に推移するものの、不透明な世界経済情勢により資材価格や労務費の高騰が続くため、利益見通しは慎重に判断したとしている。
| 項目(百万円) | FY2026(予想) | FY2025(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 41,126 | 40,526 | 600/101.5% |
| 営業利益 | 3,694 | 4,259 | △565/86.7% |
| 経常利益 | 3,947 | 4,566 | △619/86.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,714 | 3,165 | △451/85.8% |
| 1株当たり当期純利益 | 143.41円 | 167.22円 | △23.81/85.8% |

株主還元
FY2026はEPSが前期比減を見込むものの、年間配当については安定的かつ継続的な株主還元を実現するため、単年度業績に過度に左右されないDOEを重視し、1株当たり前期比6円増配の36円を予定する。あわせて取得価額総額上限16億円の自社株買いを実施し、一層の株主還元強化と資本効率の向上を図る計画としている。キャッシュアロケーションでは、株主還元の枠としてFY26予算で配当(DOE2〜3%)15〜18億円、自社株買い20億円、株主優待2億円などを掲げている。
| 項目 | FY2025(実績) | FY2026(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 30.00円 | 36.00円 |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 167.22円 | 143.41円 |
| 株主資本配当率(DOE) | 2.30% | ー |
| 配当性向 | 17.9% | 開示なし |

中期経営計画2025の進捗
中期経営計画2025のKPIについては、売上高・利益のいずれも既に中計最終年度(FY2027)の目標に近い水準まで達したものの、今後の地政学リスク等を考慮し、計画値は当面の間据え置くとした。資本政策・指標では、FY2025は自己資本増加でROEが一時的に低下したものの株主資本コストを上回る水準を確保し、PBRも1倍超に改善したと説明している。FY2027のKGIは売上高413億円、純利益35.0億円、ROE14.0%、DOE3.0%、自己資本比率70.0%、従業員数480人で、FY2025実績はそれぞれ405億円、31.6億円、12.8%、2.3%、72.7%、458人となっている。
成長戦略では、2026年4月に「経営戦略本部」を立ち上げ、配下に経営戦略室・不動産開発部・IR推進課・新規事業開発プロジェクトの4部署を設置したほか、3事業部の連携強化・シナジー最大化のため「事業統括本部」を新設した。個別案件では、データセンター領域で株式会社TOSYSと業務提携契約を締結し「次世代型データセンター・地方分散NAGANOモデル」を発表。官民連携事業では、長野県安曇野市の北穂高産業団地(総事業費約30億円、対象土地面積15ha、請負金額約70億円が目標)や、東御市宿泊交流拠点整備運営事業(建設請負金額20億円(概算)、年間売上見込み6億円(稼働3年目〜))を進めている。不動産収益事業ではストックビジネスとバリューアップ事業に取り組む方針を示した。
※本記事はヤマウラが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。