※本記事はソラコムが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ソラコムの2026年3月期通期業績は、売上高が前期比38.1%増の12,423百万円(124.2億円)、営業利益が同32.7%増の871百万円(8.7億円)となり、資料では過去最高益の更新と説明されている。収益の柱であるリカーリング収益は同41.7%増の9,296百万円(92.9億円)で、売上高に占める比率は74.8%と前期から1.8pt上昇した。EBITDAは同47.3%増の1,228百万円(12.2億円)。会社は2026年2月12日に公表した修正業績予想を売上高・リカーリング収益・営業利益のいずれでも上回って着地したとしている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上総利益は前期比22.1%増の6,143百万円となったが、マージンは49.4%と前期比6.6pt低下した。資料はこの低下要因をミソラコネクトの連結化によるものと説明している。販売費及び一般管理費は同20.5%増の5,271百万円で、生成AIの活用などによりリーン化が進み、売上高に対する比率は42.4%と前期比6.3pt改善した。損益計算書(P.26)では経常利益が857百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が631百万円(前期352百万円)となっている。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| リカーリング収益(百万円) | 9,296 | 6,562 | +41.7% |
| 売上高比 | 74.8% | 73.0% | +1.8pt |
| 売上高(百万円) | 12,423 | 8,993 | +38.1% |
| 売上総利益(百万円) | 6,143 | 5,033 | +22.1% |
| マージン | 49.4% | 56.0% | △6.6pt |
| 販管費及び一般管理費(百万円) | 5,271 | 4,376 | +20.5% |
| 売上高比 | 42.4% | 48.7% | △6.3pt |
| EBITDA(百万円) | 1,228 | 833 | +47.3% |
| マージン | 9.9% | 9.3% | +0.6pt |
| 営業利益(百万円) | 871 | 656 | +32.7% |
| マージン | 7.0% | 7.3% | △0.3pt |
| 経常利益(百万円) | 857 | 619 | - |
| 親会社帰属当期純利益(百万円) | 631 | 352 | - |

領域別・グループ会社の状況
本資料にセグメント別損益の開示はなく、地域・取引先・グループ会社ごとの売上高が示されている。グローバル売上高(米国、欧州及びグローバルにおける日本の顧客の売上高)は4,968百万円で、売上高に占めるグローバル比率は40.0%(P.16)。うち米国売上高は1,952百万円で、24/3期から26/3期のCAGRは85%とされる(P.17)。KDDIシナジー売上は1,154百万円と前期比21%増(P.21)。連結子会社ミソラコネクトの2026年3月期業績は売上高1,564百万円(連結売上高の12.6%)、営業利益33百万円で、粗利率は通信インフラへの設備投資が重く25.5%と連結全体の49.4%に対して相対的に低水準であり、将来的にはグループシナジーによる改善を見込むとしている(P.38)。
| 区分 | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| グローバル(P.16) | 売上高(百万円) | 4,968 | 3,759 |
| グローバル(P.16) | 売上高に占める比率 | 40.0% | 41.8% |
| 米国(P.17) | 売上高(百万円) | 1,952 | 1,200 |
| KDDIシナジー(P.21) | 売上高(百万円) | 1,154 | 955 |
| ミソラコネクト(P.38) | 売上高(百万円) | 1,564 | 開示なし |
| ミソラコネクト(P.38) | 売上総利益(百万円) | 398 | 開示なし |
| ミソラコネクト(P.38) | EBITDA(百万円) | 91 | 開示なし |
| ミソラコネクト(P.38) | 営業利益(百万円) | 33 | 開示なし |

リカーリング収益のKPI
資料のまとめ(P.23)では、ARRは110億円、リカーリング収益におけるグローバル比率は48%と記載されている。年間解約率は0.4%、主要顧客の売上継続率(NRR)は121%で、前期の117%から4pt上昇した(P.18)。グループ全体の課金アカウント数は10.4k、課金アカウント当たりリカーリング収益(ARPA)は947千円(P.19)。EBITDAマージンとリカーリング収益成長率を足し合わせたProfitable Growthは51.6%となり、目標とする40%の水準を大きく上回って着地したとしている(P.42)。
| 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 出典 |
|---|---|---|---|
| ARR | 110億円 | 開示なし | P.23 |
| リカーリング収益のグローバル比率 | 48% | 開示なし | P.18・P.23 |
| 年間解約率 | 0.4% | 開示なし | P.18 |
| 主要顧客売上継続率(NRR) | 121% | 117% | P.18 |
| 課金アカウント数 | 10.4k | 9.2k | P.19 |
| 課金アカウント当たりリカーリング収益(ARPA) | 947千円 | 761千円 | P.19 |
| Profitable Growth | 51.6% | 31.2% | P.42 |
2027年3月期 通期業績予想
2027年3月期の通期業績予想は、オーガニック成長のみを織り込んだ前提で、売上高15,124百万円(前期比21.7%増)、リカーリング収益11,421百万円(同22.8%増)、EBITDA1,650百万円(同34.3%増)、営業利益1,122百万円(同28.8%増)。売上高に占めるリカーリング収益比率は75.5%を見込む。会社は、本予想にインオーガニック成長の影響を含めていない一方、複数の戦略的案件を検討しており適時・適切に業績予想へ織り込んでいく想定と説明する。為替は1ドル150円を前提としており、足元の円安傾向が続けば売上高とリカーリング収益のアップサイド要因になるとしている。なお為替感応度は1円の円安で売上高40百万円の増加、営業利益は4百万円の増加とほぼニュートラル(P.39)。
| 項目 | 2027年3月期 予想 | 2026年3月期 実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| リカーリング収益(百万円) | 11,421 | 9,296 | +22.8% |
| 売上高比 | 75.5% | 74.8% | +0.7pt |
| 売上高(百万円) | 15,124 | 12,423 | +21.7% |
| 売上総利益(百万円) | 7,614 | 6,143 | +23.9% |
| マージン | 50.3% | 49.4% | +0.9pt |
| 販管費及び一般管理費(百万円) | 6,492 | 5,271 | +23.1% |
| EBITDA(百万円) | 1,650 | 1,228 | +34.3% |
| マージン | 10.9% | 9.9% | +1.0pt |
| 営業利益(百万円) | 1,122 | 871 | +28.8% |
| マージン | 7.4% | 7.0% | +0.4pt |

株主還元
本決算説明資料には、配当や自己株式取得など株主還元に関する記載はない(開示なし)。
中長期の成長目線/トピック
中長期の成長目線として、グローバル展開とオーガニック×インオーガニックの掛け合わせにより、2031年3月期に売上高500億円を掲げる。前提となる指標は、26/3期から31/3期の売上高CAGR30%以上、リカーリング収益比率70〜80%、インオーガニック比率20〜30%、オーガニックのEBITDAマージン20%以上(P.12)。また、Soracom-KDDIは「2026 Gartner Magic Quadrant for Managed IoT Connectivity Services, Worldwide」でリーダーの1社に位置づけられたほか、CMP(コネクティビティマネジメントプラットフォーム)ランキングでは3年連続でリーダーに選出されたとしている(P.10、P.34)。有償ストックオプションの行使条件は、売上高200億円超(リカーリング収益は140億円超)および時価総額1,500億円超の早期実現とされている(P.41)。

※本記事はソラコムが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。