イシン

イシン、2026年3月期は売上高1,428百万円で過去最高 当期純利益は4百万円

決算サマリー 2026.08.11
イシン、2026年3月期は売上高1,428百万円で過去最高 当期純利益は4百万円

※本記事はイシンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

イシン株式会社(東証グロース:143A)は2026年5月13日、2026年3月期通期の決算説明資料を公表した。売上高は1,428百万円(前期比+2.5%)と過去最高を更新した一方、調整後EBITDAは97百万円(前期比△61.6%)、当期純利益は4百万円(前期比△97.4%)と減益で着地した。新規事業のHR事業が人材エージェントの立ち上げとRPO(採用代行)事業の寄与により成長したものの、成長投資の実施やオフィス移転等の組織開発投資、過年度の決算訂正に伴う対応費用の特別損失計上が利益を押し下げた。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は1,428百万円で過去最高を更新した。売上総利益は1,046百万円(前期比△1.6%)、売上総利益率は73.2%(前期76.3%)。販売費及び一般管理費は996百万円(前期比+21.8%)に増加し、営業利益は50百万円(前期比△79.6%、営業利益率3.5%)となった。調整後EBITDAは97百万円(調整後EBITDAマージン6.8%)、経常利益は26百万円(前期比△87.6%)、当期純利益は4百万円(前期比△97.4%)。業績予想対比では売上高は△6.9%と未達だったが、調整後EBITDAは48.6%、経常利益は349.4%と上振れて着地しており、資料では生産性向上による人員適正化と採用遅延が要因と説明されている。なお調整後EBITDAは、営業損益+減価償却費+のれん償却費+M&A関連の一時費用+株式報酬費用として算出されている。

項目(百万円)2026年3月期2025年3月期前期比2026年3月期 業績予想業績予想対比
売上高1,4281,3932.5%1,534△6.9%
売上総利益1,0461,062△1.6%1,114△6.1%
売上総利益率73.2%76.3%72.6%
販売費及び一般管理費99681721.8%1,084△8.2%
営業利益50245△79.6%3066.9%
営業利益率3.5%17.6%2.0%
調整後EBITDA97254△61.6%6548.6%
調整後EBITDAマージン6.8%18.3%4.3%
経常利益26211△87.6%5349.4%
当期純利益4177△97.4%13△66.7%

調整後EBITDAの前期比増減分析では、コア3事業(公民共創事業・グローバルイノベーション事業・メディアPR事業)の利益が△29百万円、HR事業への成長投資が△93百万円、その他成長投資が△33百万円となり、合計で△125百万円の減少要因となった。コア3事業は主にグローバルイノベーション事業における情報ポータルSaaSの売上減が影響し、その他成長投資はM&A仲介事業の立ち上げに係る事業開発投資とオフィス移転に伴う組織開発投資が中心となっている。

調整後EBITDAの前年同期比増減分析
出典:イシン 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.10

セグメント別の状況

HR事業は人材エージェント及びRPOにより売上高が125百万円(前期比+108.8%)と伸長した一方、シェア拡大に向けた人材採用及び人件費・マーケティング費などの成長投資により、セグメント利益は△75百万円(前期比△111百万円)となった。公民共創事業はBtoGソリューションが伸長したものの、BtoGプラットフォームの大口顧客の解約により売上高は552百万円(同+1.1%)と微増、セグメント利益は164百万円(同△2.3%)。メディアPR事業は売上高369百万円(同△1.2%)ながら人員最適化によりセグメント利益率が57.0%から62.6%へ改善し、セグメント利益は231百万円(同+8.4%)となった。グローバルイノベーション事業は情報ポータルSaaSの受注鈍化により売上高381百万円(同△7.6%)、セグメント利益117百万円(同△27.8%)と減収減益。なお2026年3月期より採用CMS「HIKOMA CLOUD」はメディアPR事業からHR事業へ移管され、前期実績も移管後の区分に組み替えて記載されている。

セグメント指標(百万円)2026年3月期2025年3月期前期比前期比増減額
HR事業売上高12560108.8%65
HR事業セグメント利益△7536△111
HR事業セグメント利益率60.8%
公民共創事業売上高5525461.1%5
公民共創事業セグメント利益164168△2.3%△3
公民共創事業セグメント利益率29.8%30.9%
メディアPR事業売上高369373△1.2%△4
メディアPR事業セグメント利益2312138.4%17
メディアPR事業セグメント利益率62.6%57.0%
グローバルイノベーション事業売上高381412△7.6%△31
グローバルイノベーション事業セグメント利益117162△27.8%△45
グローバルイノベーション事業セグメント利益率30.8%39.3%
2026年3月期 通期決算概要 セグメント別業績
出典:イシン 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.7

財政状態

2026年3月末時点の総資産は2,109百万円。うち現預金は1,266百万円で、主にHR事業への成長投資及びM&Aへの資金として確保しているとしている。純資産は1,677百万円、負債は431百万円で、自己資本比率は57.7%(前期末55.2%)と健全な財務状態を維持している。

項目(百万円)2026年3月末時点
総資産2,109
現預金1,266
投資その他の資産456
その他の資産385
負債431
純資産1,677
自己資本比率57.7%(前期末 55.2%)

2027年3月期 業績予想

2027年3月期は売上高1,652百万円(前期比+15.6%、増減額223百万円)と過去最高の売上を計画する。セグメント別ではHR事業325百万円(同+158.5%)、公民共創事業574百万円(同+4.0%)、メディアPR事業(M&A仲介含む)437百万円(同+18.4%)、グローバルイノベーション事業315百万円(同△17.2%)。利益面は営業利益51百万円(同+1.9%)、調整後EBITDA77百万円(同△20.5%)、経常利益27百万円(同+5.0%)、当期純利益33百万円(同+610.1%)を見込む。公民共創事業は前期の大口STOCK顧客の解約に対しBtoGソリューション等でのリカバリ・増収を計画し、メディアPR事業はM&A仲介での業績貢献を織り込む。グローバルイノベーション事業は前期の実績を踏まえ蓋然性を重視した計画とされている。

項目(百万円)2027年3月期 計画2026年3月期 実績前期比増減額前期比
売上高1,6521,42822315.6%
HR事業325125199158.5%
公民共創事業574552214.0%
メディアPR事業(M&A仲介含む)4373696718.4%
グローバルイノベーション事業315381△65△17.2%
営業利益515001.9%
調整後EBITDA7797△20△20.5%
経常利益272615.0%
当期純利益33428610.1%
2027年3月期 業績予想 グループ業績
出典:イシン 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.24

株主還元・キャッシュアロケーション

資料では、中長期的な企業価値向上に向け、現預金及び営業CFを原資とし、成長投資及びM&Aのための投資を優先する方針が示されている。HR事業では特にマーケティングや人員拡充への積極投資を予定し、M&Aは売上・利益創出のためのM&Aに注力するとしている。株主還元については「重要な経営テーマと認識しており、還元のあり方を鋭意検討中」と記載されている。

2027年3月期 業績予想 キャッシュアロケーションについて
出典:イシン 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.25

中期経営計画・成長戦略の進捗

中期経営計画は変更せず、2027年3月期までを積極投資フェーズ、2028年3月期以降を収益化フェーズと位置づけている。2027年3月期はHR事業を成長の柱としてグループ売上成長率15%を目指し、コア3事業については収益性を重視する。2028年3月期の売上高25.8億円の達成に向け、M&Aを含む新規事業も含めた成長を掲げている。成長戦略の進捗としては、HR事業でRPO事業を手がける株式会社レプセルがグループイン、公民共創事業では自治体向け営業BPOサービスの立ち上げや全国の首長が集まるサミット『首長会議』の初開催、『自治体通信 中央省庁特別号』の発刊が進んだ。新規事業では2025年6月よりM&A仲介事業を開始し、成約最終フェーズの案件もあることから2027年3月期での業績貢献を目指す。また自治体向けイベントの企画・運営を強みとする株式会社OK Junctionの全株式を取得した。

既存事業の取り組みでは、グローバルイノベーション事業の情報ポータルSaaS「BLITZ Portal」に対話型AIアシスタント機能(β版)を2026年4月にローンチし、スタンフォード大学の講師らと連携した「イノベーション人材育成プログラム」(研修事業)を本格化した。メディアPR事業ではショート動画による採用ブランディングサービスを開始し、採用意欲の高いベンチャー企業から複数の受注を獲得している。公民共創事業のBtoGソリューションは前期比+40.5%の成長となった。

※本記事はイシンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

Articles

株主優待

記事がありません。

個人投資家・企業様各位

目次