※本記事は三菱マテリアルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三菱マテリアルは2026年3月期の決算補足説明資料を公表した。売上高は金の生産量減少により19,620億円から18,440億円へ減収となったが、経常利益は金属・製錬副産物価格の上昇や販売価格の適正化により602億円から975億円へ増益、親会社株主に帰属する当期純利益は340億円から405億円に増加した。ROICは4.2%から6.1%へ改善した。2027年3月期は直島製錬所の増強に伴う炉修期間伸長等の構造改革推進により経常利益は730億円へ一時的に減益を見込む一方、配当は年間116円/株(前期比+16円/株)への増配を計画している。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の連結業績は、売上高が金の生産量減少により減収となった一方、営業利益は金属・製錬副産物価格の上昇および販売価格の適正化により増益。当期純利益は抜本的構造改革に伴う特別損失(△357億円)を計上したものの、増益を確保した。ROICは金属価格上昇や販売価格の適正化等に伴う増益により1.9pt改善した。
| 項目 | 2025年3月期実績 | 2026年3月期実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 19,620 | 18,440 | △1,180 |
| 営業利益(億円、在庫評価影響除く) | 371(385) | 605(557) | +233(+171) |
| 経常利益(億円、在庫評価影響除く) | 602(631) | 975(923) | +373(+291) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 340 | 405 | +65 |
| ROIC(%) | 4.2 | 6.1 | +1.9pt |
| ROE(%) | 5.1 | 5.7 | +0.6pt |

セグメント別の状況
旧セグメント区分(2026年4月の組織再編前)の経常利益は、金属セグメントが買鉱条件(TC/RC)悪化を製錬副産物価格の上昇で相殺し411億円から570億円に増益。高機能(銅加工・電子材料・加工)は銅加工の原材料の在庫評価影響や加工セグメントでのH.C.Starck社の連結化に伴う増収などにより31億円から200億円に増益した。再生可能エネルギーは26億円から8億円に減益、その他は47億円から46億円に減益。合計の経常利益は602億円から975億円に増益した。なお2026年4月1日の組織再編により、セグメント名称およびLuvata・タングステン・資源事業が計上される事業区分が組み替えられている。
| セグメント(旧区分、経常利益) | 2025年3月期実績 | 2026年3月期実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 金属 | 411 | 570 | +158 |
| 高機能(銅加工・電子材料・加工計) | 31 | 200 | +169 |
| 再生可能エネルギー | 26 | 8 | △18 |
| その他 | 47 | 46 | △1 |
| 合計(経常利益) | 602 | 975 | +373 |

通期業績予想
2027年3月期は、金属価格の上昇や銅プレミアムの改定により売上高は19,900億円(前期比+1,459億円)を見込む。営業利益は伸銅品の在庫評価影響や直島増強工事に伴う炉修期間伸長により605億円から360億円へ減益、経常利益も975億円から730億円へ減益を見込む。一方、前期に計上した抜本的構造改革に伴う特別損失(△357億円)の剥落により、親会社株主に帰属する当期純利益は405億円から490億円に増益を見込む。ROICは事業統合影響の織り込み等による投下資本減少により6.1%から6.7%へ0.6pt改善する見通し。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 18,440 | 19,900 | +1,459 |
| 営業利益(億円、在庫評価影響除く) | 605(557) | 360(442) | △245(△115) |
| 経常利益(億円、在庫評価影響除く) | 975(923) | 730(848) | △245(△75) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 405 | 490 | +84 |
| ROIC(%) | 6.1 | 6.7 | +0.6pt |
| ROE(%) | 5.7 | 6.8 | +1.1pt |

株主還元
中期経営戦略(2026~2028年度)期間における株主還元方針として、DOE(株主資本配当率)2.5%を目途に、構造改革期においても安定的な株主還元を実施する方針。キャッシュフローと財務規律を踏まえ成長投資と還元の両立を図り、自己株式取得はCF状況・株価水準・財務規律を勘案し機動的に検討する。2027年3月期の配当予想は前期比+16円/株の増配となる116円/株(中間58円、期末58円)を計画。2026年3月期は期末配当50円/株(年間100円/株)を決議した。
| 決算期 | 年間配当(円/株) |
|---|---|
| 2024年3月期 | 94 |
| 2025年3月期 | 100 |
| 2026年3月期(実績) | 100 |
| 2027年3月期(予想) | 116 |

中期経営計画/トピック
中期経営戦略(2026~2028年度)の推進に向けた取り組みとして、小名浜製錬所の銅精鉱処理縮小に伴う製錬設備の稼働停止を決定したほか、ReElement Technologies社への資本参加を決定。伸銅品事業の生産体制最適化に向け大阪製作所が始動し、高付加価値シール製品の提供に向け熊谷第二工場を竣工した。また、コストダウン計画では2026年3月期までの3ヵ年累計で88億円の目標に対し235億円のコスト削減を達成した。
※本記事は三菱マテリアルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。