※本記事は日揮ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
2026年3月期(FY2025)は、国内外大型EPCプロジェクトの着実な遂行により総合エンジニアリング事業の採算が改善し、営業利益は前期の△114億円から353億円へと黒字転換した。中東情勢のリスクを織り込んだものの、営業利益は期初予想310億円を上回った。円安による為替差益など営業外収益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は418億円と前期の△3億円から大きく伸長した。株主還元方針(配当性向30%)に基づき、1株当たり配当金は期初予想40.00円から52.00円へ増配した。
連結業績(当期 実績)
売上高は7,452億円(前期比△1,128億円、△13.1%)。売上総利益は641億円(同+452億円、+238.9%)、売上総利益率は8.6%(同+6.4pt)。営業利益は353億円(前期の△114億円から黒字転換、前期比+468億円)、経常利益は581億円(前期比+468億円、+414.0%)。親会社株主に帰属する当期純利益は418億円(前期の△3億円から+422億円)。1株当たり当期純利益は173.06円(前期△1.65円)、自己資本当期純利益率は10.2%(前期△0.1%)。
| 項目 | 前期(FY2024) | 当期(FY2025) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,580億円 | 7,452億円 | △1,128億円(△13.1%) |
| 売上総利益 | 189億円 | 641億円 | +452億円(+238.9%) |
| 売上総利益率 | 2.2% | 8.6% | +6.4pt |
| 営業利益・営業損失(△) | △114億円 | 353億円 | +468億円 |
| 経常利益 | 113億円 | 581億円 | +468億円(+414.0%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益・純損失(△) | △3億円 | 418億円 | +422億円 |
| 1株当たり当期純利益・純損失(△) | △1.65円 | 173.06円 | 開示なし |
| 自己資本当期純利益率 | △0.1% | 10.2% | 開示なし |
セグメント別の状況
総合エンジニアリングは売上高6,795億円(前期比△1,153億円、△15%)、セグメント利益336億円(前期の△145億円から+482億円)、利益率5.0%(同+6.8pt)。機能材製造は売上高569億円(同+23億円、+4%)、セグメント利益76億円(同△5億円、△6%)、利益率13.5%(同△1.5pt)。その他は売上高86億円(同+2億円、+3%)、セグメント利益21億円(同△2億円、△12%)、利益率24.3%(同△4.1pt)。調整額(セグメント利益)は△80億円(前期△74億円)。
| セグメント | 指標 | 当期(FY2025) | 前期(FY2024) |
|---|---|---|---|
| 総合エンジニアリング | 売上高 | 6,795億円 | 7,949億円 |
| 総合エンジニアリング | セグメント利益・損失(△) | 336億円 | △145億円 |
| 総合エンジニアリング | 利益率 | 5.0% | △1.8% |
| 機能材製造 | 売上高 | 569億円 | 546億円 |
| 機能材製造 | セグメント利益 | 76億円 | 81億円 |
| 機能材製造 | 利益率 | 13.5% | 15.0% |
| その他 | 売上高 | 86億円 | 84億円 |
| その他 | セグメント利益 | 21億円 | 24億円 |
| その他 | 利益率 | 24.3% | 28.4% |
| 調整額 | セグメント利益 | △80億円 | △74億円 |

中東情勢の影響
受注残高の45%が中東地域に集中している。2026年前半に緊張状態が解消しプロジェクト遂行に支障がなくなる想定でリスク対応予算を2026年3月期決算に計上し、利益率は約1%ポイント低下した。2027年3月期業績予想では、リスク対応予算に加えて進捗低下影響により、減収約600億円と利益率低下を織り込んでいる。

財政状態・キャッシュ・フロー
2026年3月末の総資産は8,387億円(前年3月末比+546億円)、純資産は4,311億円(同+389億円)、自己資本比率は51.2%(同+1.4pt)。FY2025の営業キャッシュ・フローは798億円(前期比+331億円)、投資キャッシュ・フローは△148億円(同+63億円)、財務キャッシュ・フローは△109億円(同+40億円)、現金及び現金同等物の期末残高は4,004億円(同+677億円)。
通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、中東情勢が2026年前半に緊張状態が解消しプロジェクト遂行に支障がなくなることを前提とする一方、円高想定により営業外為替差損が生じる見込み。持分法適用関連会社売却による特別利益約200億円を織り込む。総合エンジニアリング事業の受注高は4,092億円から17,400億円を見込む。売上高は7,452億円から6,700億円、売上総利益は641億円から730億円(利益率8.6%→10.9%)、営業利益は353億円から400億円、経常利益は581億円から460億円、親会社株主に帰属する当期純利益は418億円から460億円を見込む。1株当たり配当金は52.00円を予定し、想定為替レートは米ドル150.00円(前期159.88円)。
| 項目 | 前期(FY2025)実績 | 当期(FY2026)予想 |
|---|---|---|
| 受注高(総合エンジニアリング事業) | 4,092億円 | 17,400億円 |
| 売上高 | 7,452億円 | 6,700億円 |
| 売上総利益 | 641億円 | 730億円 |
| 売上総利益率 | 8.6% | 10.9% |
| 営業利益 | 353億円 | 400億円 |
| 経常利益 | 581億円 | 460億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 418億円 | 460億円 |
| 1株当たり配当金 | 52.00円 | 52.00円 |
| 想定為替レート(米ドル) | 159.88円 | 150.00円 |

セグメント別業績見通し
総合エンジニアリング事業は売上高6,795億円から6,060億円、セグメント利益336億円から414億円(利益率5.0%→6.8%)を見込む。機能材製造は売上高569億円から555億円、セグメント利益76億円から66億円(利益率13.5%→11.9%)。その他は売上高86億円から85億円、セグメント利益21億円から20億円(利益率24.3%→23.5%)。調整額(セグメント利益)は△80億円から△100億円を見込む。
株主還元
配当政策を従来の配当性向基準(BSP2025)から株主資本配当率(DOE)基準(BSP2030)に変更し、株主還元を強化する。DOEは中期経営計画最終年度の2031年3月期に向けて4%を目指す。自己株式取得は、業績見通しやキャッシュ・フローの状況、資本効率の観点から適宜実施を検討する。株主還元方針(配当性向30%)に基づき、2026年3月期の1株当たり配当金は期初予想40.00円から52.00円(+12.00円)へ増配した。

※本記事は日揮ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。