ワコールホールディングス

ワコールホールディングス、2026年3月期は事業利益5億円の赤字 営業利益は199億円に増加

決算サマリー 2026.08.14
ワコールホールディングス、2026年3月期は事業利益5億円の赤字 営業利益は199億円に増加

※本記事はワコールホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

株式会社ワコールホールディングスは2026年5月14日、2026年3月期(通期)の決算を発表した。売上収益は1,715億円(前期比24億円減、-1.4%)、売上総利益は982億円(同8億円増、+0.8%)となった。事業利益は5億円の赤字(前期差+30億円)だったが、新京都ビル等の固定資産売却益が寄与し、営業利益は199億円(同166億円増、+504.5%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は131億円(同59億円増、+81.8%)となった。

目次

連結業績(26/3期 実績)

国内では中核会社の株式会社ワコールやピーチ・ジョンの販売が堅調に推移したほか、2024年9月に買収したBravissimo社の増収効果が寄与した一方、不採算事業の売却や米国・中国の売上低迷により、全体では減収となった。売上総利益率は57.3%と前年同期から1.3pt改善した。事業利益は米国・中国の不振が響いたが、(株)ワコールの販管費縮減等により前期から30億円改善し、11月に発表した修正計画も上回って着地した。

項目26/3期実績25/3期実績前期比
売上収益171,510百万円173,896百万円-2,386百万円(-1.4%)
売上総利益98,231百万円97,444百万円+787百万円(+0.8%)
事業利益-461百万円-3,437百万円+2,976百万円(ー)
営業利益19,877百万円3,288百万円+16,589百万円(+504.5%)
親会社の所有者に帰属する当期利益13,124百万円7,218百万円+5,906百万円(+81.8%)

その他収益として、新京都ビルなどの固定資産売却益に加え、Bravissimo社の物流倉庫火災に伴う受取保険金29億円を含む240億円を計上した。一方、その他費用には同火災による在庫評価損のほか、ワコールヨーロッパののれん減損を計上した。税引前利益は、持分法適用会社であるタイワコールとハウス オブ ローゼの株価下落に伴う関連会社投資減損(持分法による投資損益-23億円)を反映し、197億円となった。

26/3期エグゼクティブサマリー
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.4

セグメント別の状況

ワコール事業(国内)の売上収益は877億円(前期差-1億円、-0.1%)、事業利益は12億円の赤字(前期差+35億円)だった。(株)ワコールの構造改革(粗利改善・販管費縮減)により前期比で約20億円、23/3期比で約60億円の利益改善を実現したが、その他子会社の不振や会計基準の連単差により、セグメント合計では事業赤字となった。ワコール事業(海外)の売上収益は685億円(前期差+12億円、+1.8%)、事業利益は5億円(前期差-10億円、-64.3%)。欧州はBravissimo社の買収寄与や大陸市場の深耕で増収したが、米国・中国の減収や倉庫火災の影響が響いた。ピーチ・ジョン事業の売上収益は111億円(前期差+7億円、+6.4%)、事業利益は1.3億円(前期差+3億円)で、新規顧客獲得施策が奏功し増収増益となった。

セグメント指標26/3期実績前期差
ワコール事業(国内)売上収益877億円-1億円(-0.1%)
ワコール事業(国内)事業利益-12億円+35億円
ワコール事業(海外)売上収益685億円+12億円(+1.8%)
ワコール事業(海外)事業利益5億円-10億円(-64.3%)
ピーチ・ジョン事業売上収益111億円+7億円(+6.4%)
ピーチ・ジョン事業事業利益1.3億円+3億円
ワコール事業(国内)の概況
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.12

通期業績予想(27/3期)

27/3期の業績予想は、売上収益1,876億円(前期差+161億円、+9.4%)、売上総利益1,087億円(同+104億円、+10.6%)、事業利益5億円(同+10億円)、営業利益15億円(前期差-184億円、-92.5%)を計画する。営業利益の減益計画は、前期に計上した新京都ビル等の固定資産売却益の反動による。事業利益の増益計画は、Bravissimo社火災影響の反動やGlamorise社買収による米国事業の収益性改善などが寄与する見込み。なお、27/3期より報告セグメントをサプライチェーンマネジメント単位に区分変更しており、業績予想における26/3期の比較数値も変更後の区分で作成している。

項目27/3期予想26/3期(実績)前期比
売上収益1,876億円1,715億円+161億円(+9.4%)
売上総利益1,087億円982億円+104億円(+10.6%)
事業利益5億円-5億円+10億円(ー)
営業利益15億円199億円-184億円(-92.5%)
27/3期業績予想エグゼクティブサマリー
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.23

株主還元

26/3期の配当は、期末配当1株当たり50円(中間配当50円と合わせて年間100円)とした。27/3期の配当予想は26/3期と同様、年間100円(中間・期末ともに1株当たり50円)を予定する。中期経営計画(リバイズ)の財務戦略では、3カ年で創出する550億円のキャッシュのうち配当還元に150億円、自己株式取得に550億円を上限として資本政策に充当する方針を掲げており、リバイズ期間の累計実績は配当還元約157億円、自己株式取得約395億円となっている。

中間配当期末配当年間配当合計
22/3期20円30円50円
23/3期40円40円80円
24/3期50円50円100円
25/3期50円50円100円
26/3期50円50円100円
27/3期(予想)50円50円100円
1株当たり配当金推移(27/3期予想含む)
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.32

M&A・構造改革のトピック

2026年4月、米国ワコールの子会社を通じて、D2C・EC・プラスサイズ市場に強みを持つGlamorise Foundations, Inc.を買収した。同社はプラスサイズに特化した専門ブランドで、売上の98%がEC販売、自社ECのメール会員は45万人、顧客の約70%が米国ワコールの既存顧客と重複しないとしており、売上拡大・競争優位性の確立・収益性改善の3点でのシナジーを見込む。また、2025年6月に発生したBravissimo社の物流倉庫火災は2026年2月に完全復旧し、火災に伴う損失は保険金で補填され、営業利益ベースでの損益影響はなかった。国内では2026年4月に社長直轄の構造改革室を新設し、12の分科会を設置して構造改革・マネジメント改革の実効性強化を図る。次期中期経営計画(27/3期~29/3期)は2026年6月の発表を予定している。

※本記事はワコールホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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