※本記事はトーエネックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
トーエネックの2026年3月期連結業績は、売上高272,468百万円(前期比+0.6%)、営業利益21,421百万円(同+33.5%)、経常利益22,639百万円(同+47.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益17,810百万円(同+65.4%)となった。資料では、民間設備投資が高い水準で推移し良好な事業環境が継続する中、屋内線工事の手持ち工事が順調に進捗したことなどにより売上高は過去最高を更新し、工事採算性の向上や政策保有株式の売却などにより全ての段階の利益で過去最高を更新したと説明されている。2027年3月期の連結予想は売上高285,000百万円、経常利益23,500百万円としている。
連結業績(2026年3月期 実績)
連結の売上高利益率は営業利益7.9%、経常利益8.3%、親会社株主に帰属する当期純利益6.5%。売上高増減要因(連結)では、工場・オフィスビル案件などの竣工による増加、物価上昇分の価格転嫁による増加が挙げられる一方、前期の大型案件の反動による減少、前期の再生可能エネルギー案件の反動による減少、携帯電話設備工事の減少が示されている。親会社株主に帰属する当期純利益の増減要因としては、国内事業における工事採算性の向上による増加、グループ会社(持分法適用関連会社)の利益増加、前期に固定資産除却損およびのれんの減損を計上していた反動による増加が挙げられている。
| 項目 | 2026年3月期(連結) | 前期比増減率 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 272,468百万円 | +0.6% | ― |
| 営業利益 | 21,421百万円 | +33.5% | 7.9% |
| 経常利益 | 22,639百万円 | +47.4% | 8.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17,810百万円 | +65.4% | 6.5% |
個別業績は売上高246,646百万円(前期比+1.1%)、営業利益20,702百万円(同+31.5%、利益率8.4%)、経常利益20,931百万円(同+36.9%、同8.5%)、当期純利益15,684百万円(同+62.3%、同6.4%)。個別についても、利益は全ての段階において過去最高を更新したとしている。連結の貸借対照表は、資産合計312,053百万円(前期末比+1,492百万円)、負債合計158,882百万円(同△14,997百万円)、純資産合計153,170百万円(同+16,489百万円)で、うち株主資本は135,708百万円(同+12,452百万円)となった。

工事部門別・事業別の状況
2026年3月期の売上高の内訳は、屋内線工事99,804百万円、配電線工事81,022百万円、通信工事16,759百万円、空調管工事19,762百万円、地中線工事12,162百万円、エネルギー事業12,704百万円、商品販売4,432百万円、子会社・連結調整25,821百万円。受注高(個別)は241,128百万円で、2027年3月期は263,000百万円(前期比+21,871百万円、+9.1%)を見込む。屋内線・空調管工事の受注高は合計124,711百万円、売上高は合計119,565百万円で、受注高のエリア別内訳は中部圏88,215百万円(構成比71%)、首都圏・近畿圏31,408百万円(同25%)、その他5,087百万円(同4%)となっている。
| 区分 | 2026年3月期 実績 | 2027年3月期 予想 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 配電線工事 | 81,022 | 89,600 | +8,577 | +10.6% |
| 地中線工事 | 12,162 | 13,100 | +937 | +7.7% |
| 屋内線工事 | 99,804 | 93,500 | △6,304 | △6.3% |
| 空調管工事 | 19,762 | 21,000 | +1,237 | +6.3% |
| 通信工事 | 16,759 | 20,500 | +3,740 | +22.3% |
| エネルギー事業 | 12,704 | 12,700 | △4 | △0.0% |
| 商品販売 | 4,432 | 4,600 | +167 | +3.8% |
| 子会社・連結調整 | 25,821 | 30,000 | +4,178 | +16.2% |
| 売上高(連結) | 272,468 | 285,000 | +12,531 | +4.6% |
※単位は百万円。主な完成案件として八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業(東京)、東京海上ビルディング計画(東京)、アイホン株式会社 本社ビル(愛知)、スズキ株式会社 本社EM・EPT棟(静岡)、湖西市学校給食センター(静岡)などが挙げられている。主な受注案件は、MoN Takanawa:The Museum of Narratives(東京)、表参道Grid Tower(東京)、近畿大学医学部・近畿大学病院(大阪)、名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム、愛知)、ザ・ランドマーク名古屋栄(愛知)など。
2027年3月期 業績予想
| 項目(連結) | 2027年3月期 通期予想 | 2026年3月期 実績 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 受注高(個別) | 263,000百万円 | 241,128百万円 | +21,871 | +9.1% |
| 売上高 | 285,000百万円 | 272,468百万円 | +12,531 | +4.6% |
| 営業利益 | 24,000百万円(8.4%) | 21,421百万円(7.9%) | +2,578 | +12.0% |
| 経常利益 | 23,500百万円(8.2%) | 22,639百万円(8.3%) | +860 | +3.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 18,000百万円(6.3%) | 17,810百万円(6.5%) | +189 | +1.1% |
半期(連結)の予想は、売上高129,000百万円、営業利益10,000百万円(利益率7.8%)、経常利益9,500百万円(同7.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益8,500百万円(同6.6%)。括弧内は売上高利益率。

株主還元
配当方針として、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するため、成長戦略への投資のための内部留保と株主還元をバランスよく実施することを経営の重要課題と位置付け、資本収益性の向上や財務健全性の確保、フリー・キャッシュ・フローの状況などを総合的に勘案し、「連結配当性向40%を目安として業績に応じた利益還元」を行うことを基本としている。2026年4月28日付で配当予定額の修正を公表し、年間配当額を65円から76円としている。なお、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施しており、1株当たり配当額は株式分割を遡及適用した数値で表示されている。資本政策では、財務の健全性を保ちつつ資本効率の向上を図るため、非事業性資産の縮減や株価を意識した株主還元の強化を推進するとしており、政策保有株式については「保有を連結純資産の10%未満とする」縮減方針を掲げ、2026年3月期は15銘柄・2,378百万円を売却した。

中期経営計画2027
中期経営計画2027では、「成長分野への挑戦」「既存事業の深化」「人材投資の更なる拡充」「経営基盤の強化」の4つを基本方針とし、「カーボンニュートラルへの取り組み」「デジタル化・DXの推進」「人材の確保・活躍推進」を成長ドライバーに位置付けている。売上高・経常利益・ROEのすべてで数値目標を達成していることを踏まえ、2026年4月28日公表で数値目標の見直しを実施した。事業環境認識としては、設備の老朽化、カーボンニュートラルへの移行、デジタル技術の活用などを背景に設備投資需要は堅調に推移すると想定する一方、少子高齢化に伴う人手不足を建設業界全体の課題とし、人材確保や生産性向上を重要な経営課題としている。
| 中期経営計画2027 数値目標(2027年度 連結決算) | 見直し後 | 前回公表値(2023年4月28日) |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,100億円 | 2,700億円 |
| 経常利益 | 260億円 | 180億円 |
| ROE | 10.5% | 8.0% |

トピック
新本店ビル建設計画では、所在地を名古屋市中区栄1丁目20-31、完成予定を2028年度内、建物階高を地上9階・地下3階・塔屋1階(延床面積32,970㎡)、投資予定額を23,923百万円(2026年3月末までの既支払額3,558百万円)としている。大規模自然災害への対応に向けたBCP強化や、部署・要員の分散による非効率性という課題を解決するため、本社機能や要員を集約することで更なる業務の効率化を図るとしている。エリア戦略では、地元である中部圏でのシェア拡大・収益性向上に取り組むとともに、建設需要の旺盛な首都圏・近畿圏や経済発展が期待される海外における事業強化に注力する方針。会社概要では、連結従業員数6,487人(2026年3月末現在)、グループ会社10社(国内4社、海外6社)、国内拠点数82拠点(個別、中部エリアに74拠点)、海外拠点数9拠点(連結)としている。
※本記事はトーエネックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。