※本記事はTKCが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社TKCは、会計事務所や地方公共団体向けにITサービスを提供する企業である。第59期(2025年9月期)の連結業績は、売上高83,476百万円(前期比11.0%増)、営業利益16,142百万円(同4.1%増)、経常利益16,590百万円(同3.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,094百万円(同7.3%増)となり、増収増益となった。資料は、連結グループの営業利益と経常利益は12期連続、当期純利益は11期連続で最高益を更新したとしている。個別の売上高は800億円を超過した。
業績(第59期・2025年9月期 実績)
資料は、会計事務所事業部門についてTKC全国会との連携のもとで関与先企業の「黒字決算と適正申告」の実現を支援し、経理業務の本格的なデジタル化のためTKCシステムのさらなる機能拡張と導入支援を行ったとしている。地方公共団体事業部門については、標準準拠システムへの移行を支援し、当初の計画通りに進行(164団体中、68団体の移行を完了)したとしている。資料は、51期連続の黒字経営、11期連続の最高益更新と増配でステークホルダーに貢献しているとしている。
| 項目 | 連結(第59期) | 前期比 | 個別(第59期) | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 83,476百万円 | +11.0% | 78,896百万円 | +11.1% |
| 営業利益 | 16,142百万円 | +4.1% | 15,501百万円 | +3.6% |
| 経常利益 | 16,590百万円 | +3.5% | 16,176百万円 | +2.7% |
| 当期純利益 | 12,094百万円 | +7.3% | 11,853百万円 | +6.1% |

事業部門別(会計事務所事業部門・地方公共団体事業部門・印刷事業部門)の状況
会計事務所事業部門の売上高は52,827百万円(前期比4.7%増)となった。内訳はコンピューター・サービスが前期比5.1%増、ソフトウエアが同1.5%増、コンサルティング・サービスが同2.5%増、ハードウエアが同15.7%増で、営業利益は同10.5%増となった。資料は、FXクラウドシリーズを新規に利用開始する企業やTKC-Phoneを利用するTKC会員事務所の増加によりデータセンター利用料が増加したこと、ペポルインボイスの送受信など「優良な電子帳簿」の作成を一気通貫で行えるFXクラウドシリーズの新規利用企業の増加、中堅企業向け財務会計システム「FX4クラウド」の新規受注による立ち上げ支援料の増加、「Windows11移行応援キャンペーン」によるパソコンのリプレース増加を要因として挙げている。営業利益の増加は、利益率の高いソフトウエア売上高の増加と、統合情報センターの統廃合による固定費削減によるとしている。
地方公共団体事業部門の売上高は27,565百万円(前期比26.7%増)となった。内訳はコンピューター・サービスが前期比4.0%増、ソフトウエアが同5.5%減、コンサルティング・サービスが同238.1%増、ハードウエアが同106.9%増で、営業利益は同14.5%減となった。資料は、コンサルティング・サービスの増加について顧客市町村68団体において標準準拠システム及びガバメントクラウドへの移行作業を計画通りに完了したことによるとし、ハードウエアの増加は標準準拠システムへの移行に伴う庁内設置用サーバの導入や住基ネット関連機器の更改時期が集中したことによるとしている。ソフトウエアの減少は、前期に受託した標準準拠システムへの移行に伴うシステム開発や定額減税に伴う住民税システム改修業務が今期はなかった影響としている。営業利益の減少は、標準準拠システムの提供開始に伴い資産計上していたソフトウエアに係る減価償却費が増加したこと等の影響としている。
印刷事業部門の売上高は3,083百万円(前期比2.9%増)となった。内訳はデータ・プリント・サービスが前期比10.8%増、ビジネスフォームが同13.2%減、商業美術印刷が同0.4%減で、営業利益は同42.6%増となった。資料は、データ・プリント・サービスの増加について衆議院選挙にかかる通知業務の新規受注や共済組合等からの通知書印刷業務の受注などを挙げ、営業利益の増加は利益率の高いDPS関連売上高の増加と、令和6年10月に実施した価格改定(値上げ)によるとしている。
| 事業部門 | 売上高(第59期) | 売上高 前期比 | 営業利益 前期比 |
|---|---|---|---|
| 会計事務所事業部門 | 52,827百万円 | +4.7% | +10.5% |
| 地方公共団体事業部門 | 27,565百万円 | +26.7% | △14.5% |
| 印刷事業部門 | 3,083百万円 | +2.9% | +42.6% |

収益構成
連結売上高構成は、会計事務所事業63.3%、地方公共団体事業33.0%、印刷事業3.7%であった。連結営業利益構成は、会計事務所事業77.3%、地方公共団体事業21.8%、印刷事業0.9%であった。個別売上高構成はコンピューター・サービス35.6%、ソフトウエア34.0%、コンサルティング・サービス14.6%、ハードウエア14.7%、会計用品1.3%で、資料はソフトウエア売上の内訳として売り切り26%、レンタル74%を示している。
通期業績予想(第60期・2026年9月期)
第60期(2026年9月期)の連結業績予想は、売上高85,500百万円(前期比2.4%増)、経常利益17,100百万円(同3.1%増)としている。営業利益・当期純利益の予想は開示されていない。資料は、国の定めるシステム標準化への対応に伴う一時的な売上高の増加により第60期は増収増益を計画しているとし、第61期はこの一時的な売上高がなくなる見通しのため対第60期比は減収を見込むが、第62期は増収増益を計画しているとしている。また、この特需による変動を除いても、当社及び当社グループは第60期から第62期にかけて堅調に成長する見通し(増収増益の計画)としている。
| 項目 | 第59期(実績) | 第60期(予想) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 83,476百万円 | 85,500百万円 | +2.4% |
| 経常利益 | 16,590百万円 | 17,100百万円 | +3.1% |
| 営業利益 | 16,142百万円 | 開示なし | - |
| 当期純利益 | 12,094百万円 | 開示なし | - |

株主還元
第59期の年間配当金は1株当たり110円(前期比10円増配)で、11期連続の増配を実施予定としている。内訳は中間配当50円、期末配当60円(うち普通配当50円、特別配当10円)である。配当総額は3,089,137,140円、配当性向は単体47.9%、連結46.9%となった。資料は、株主還元について配当性向50%を基本方針として実施しているとしている。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 中間配当 | 50円 |
| 期末配当(予定) | 60円(うち普通配当50円、特別配当10円) |
| 年間配当合計 | 110円(前期比10円増配、11期連続の増配予定) |
| 配当総額 | 3,089,137,140円 |
| 配当性向(単体) | 47.9% |
| 配当性向(連結) | 46.9% |

資本コストを意識した経営(ROE)
資料は、資本コストの管理指標としてROE(目標値:11%以上)を採用し、収益力を高めるとともに充実した株主還元により同指標の向上を目指しているとしている。収益力を図る指標として限界利益率70%以上の目標値も設定している。直近3期のROE(個別)は、第56期11.0%、第57期11.8%、第58期11.8%、第59期11.8%で推移しており、資料は当社の資本コスト(概ね5%と認識)を上回る水準を達成しているとしている。
※本記事はTKCが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。