※本記事は中国電力が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
中国電力(証券コード9504)は2025年度(2026年3月期)の決算補足説明資料を公表した。連結売上高は1兆4,423億円(前期比869億円減、▲5.7%)、営業利益は902億円(同389億円減、▲30.1%)、経常利益は802億円(同483億円減、▲37.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は685億円(同299億円減、▲30.4%)となり、いずれも前期を下回った。2027年3月期(2026年度)は燃料費調整制度の期ずれ差損の発生などにより一段の減益を見込んでいる。年間配当は1株あたり27円で前期から据え置いた。
連結業績(2026年3月期 実績)
資料は、売上高について、小売販売電力量の増加はあったものの燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などにより減収になったと説明している。営業利益は、島根原子力発電所2号機の稼働や需要獲得による総販売電力量の増加などの収支改善があったものの、卸・小売事業における競争進展や送配電事業の利益減などにより減益になったとしている。経常利益は支払利息などの営業外損益を加えて802億円となり、当期純利益は特別利益を計上したうえで法人税などを控除し685億円となった。自己資本比率は16.8%(前期16.2%、+0.6pt)、有利子負債残高は3兆3,325億円(前期3兆1,813億円)だった。
| 項目 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 14,423億円 | 15,292億円 | ▲5.7% |
| 営業利益 | 902億円 | 1,291億円 | ▲30.1% |
| 経常利益 | 802億円 | 1,285億円 | ▲37.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 685億円 | 984億円 | ▲30.4% |

販売電力量・発受電の状況
総販売電力量は568.1億kWhと前期比9.8%増加した。内訳は小売販売電力量が454.2億kWh(同8.9%増、うち電灯149.1億kWhで4.0%減、電力305.2億kWhで16.5%増)、他社販売電力量が113.9億kWhで13.6%増加した。発受電電力量は610.8億kWhで前期比9.7%増加し、島根原子力発電所2号機の稼働により原子力発電は63.2億kWh(前期19.8億kWh)に増加した。原子力設備利用率は87.9%(前期27.6%)だった。資料には、島根原子力発電所2号機が2024年12月23日に発電機を並列し発電を再開したと記載されている。
セグメント別業績
セグメントは総合エネルギー事業、送配電事業、情報通信事業、その他の4区分。総合エネルギー事業は、小売販売電力量の増加はあったものの燃料費調整額の減少などにより減収、卸・小売事業における競争進展などにより減益となった。送配電事業は、事業者間精算による収支影響の好転はあったものの、基準接続託送収益の減少や修繕費・委託費の増加などにより減益となった。
| セグメント | 指標 | 当期(2026年3月期) | 前期(2025年3月期) |
|---|---|---|---|
| 総合エネルギー事業 | 売上高 | 13,143億円 | 14,080億円 |
| 総合エネルギー事業 | 営業利益 | 702億円 | 951億円 |
| 送配電事業 | 売上高 | 4,738億円 | 5,115億円 |
| 送配電事業 | 営業利益 | 120億円 | 252億円 |
| 情報通信事業 | 売上高 | 498億円 | 494億円 |
| 情報通信事業 | 営業利益 | 48億円 | 47億円 |
| その他 | 売上高 | 1,123億円 | 1,105億円 |
| その他 | 営業利益 | 67億円 | 75億円 |

通期業績予想(2027年3月期)
会社は2027年3月期の連結業績予想として、売上高1兆4,900億円(前期比476億円増)、営業利益520億円(同382億円減)、経常利益400億円(同402億円減)、親会社株主に帰属する当期純利益310億円(同375億円減)を見込んでいる。資料は、原子力発電所の稼働の減少および送配電事業における利益の減少に加え、燃料価格の高騰に伴う大幅な燃料費調整制度の期ずれ差損の発生などにより減益を見込んでいると説明している。燃料費調整制度の期ずれ影響は、2026年3月期が差益100億円程度であったのに対し、2027年3月期は差損260億円程度になる見込みと資料に記載されている。原子力設備利用率は2026年3月期の87.9%から2027年3月期は64%を前提としている。なお資料は、2027年3月期からその他事業に帰属する子会社の一部を総合エネルギー事業および送配電事業に区分変更する旨を注記しており、セグメント別の予想数値は実績とは異なる区分基準である。
| 項目 | 予想(2027年3月期) | 実績(2026年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 14,900億円 | 14,423億円 | 476億円 |
| 営業利益 | 520億円 | 902億円 | ▲382億円 |
| 経常利益 | 400億円 | 802億円 | ▲402億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 310億円 | 685億円 | ▲375億円 |

株主還元
当社は2026年3月期の配当について配当性向12%を目安とすることを基本としていたが(2025年4月公表)、その後「中国電力グループ経営ビジョン2040」の検討の中で、2027年3月期以降の配当についてDOE(株主資本配当率)の考え方を導入することとし公表した(2025年9月公表)。2026年3月期の配当は中間10円、期末17円の年間27円(前期27円)となり、6月開催予定の株主総会に付議するとしている。2027年3月期の配当予想は中間15円・期末15円の年間30円(予想、DOE1.5%程度)としている。島根3号機の営業運転開始までの間は、DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して配当を決定するとしている。
| 決算期 | 中間配当 | 期末配当 | 年間配当計 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期(前期) | 5円 | 22円 | 27円 |
| 2026年3月期(当期) | 10円 | 17円 | 27円 |
| 2027年3月期(予想) | 15円(予想) | 15円(予想) | 30円(予想) |

その他のトピック
資料は、中東情勢に起因する燃料価格等の変動幅の拡大のほか、燃料・資機材調達環境の悪化や国内製造業の生産動向に伴う電力需要の変動などを収支に影響を与えるリスクとして挙げており、これらは業績予想に織り込んでいないとしている。また、資料末尾では一連の不適切事案について、信頼回復に向けた取り組みの対応状況を公表しているとの記載がある。
※本記事は中国電力が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。