※本記事は東邦ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東邦ホールディングス株式会社の2026年3月期(通期)連結業績は、売上高1,553,364百万円(前期比+2.30%)と増収を確保した一方、営業利益16,601百万円(同△12.33%)、経常利益16,631百万円(同△19.72%)は減益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は17,327百万円(同△12.68%)で減益だったが、政策保有株式の売却等により投資有価証券売却益(特別利益)95億円を計上したことなどから、当期純利益の計画達成率は110.36%となり計画を上回った。一方で営業利益の計画達成率は80.20%、経常利益は73.59%にとどまり、利益面では計画未達となった。ROEは6.56%だった。
連結業績(2026年3月期 実績)
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) | 前期比 | 2026年3月期(計画) | 計画達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,553,364百万円 | 1,518,495百万円 | +2.30% | 1,572,000百万円 | 98.81% |
| 売上総利益(売上比) | 122,416百万円(7.88%) | 121,648百万円(8.01%) | +0.63% | 127,000百万円(8.08%) | 96.39% |
| 販売管理費(売上比) | 105,815百万円(6.81%) | 102,711百万円(6.76%) | +3.02% | 106,300百万円(6.76%) | 99.54% |
| 営業利益(売上比) | 16,601百万円(1.07%) | 18,936百万円(1.25%) | △12.33% | 20,700百万円(1.32%) | 80.20% |
| 経常利益(売上比) | 16,631百万円(1.07%) | 20,716百万円(1.36%) | △19.72% | 22,600百万円(1.44%) | 73.59% |
| 当期純利益(売上比) | 17,327百万円(1.12%) | 19,844百万円(1.31%) | △12.68% | 15,700百万円(1.00%) | 110.36% |

事業別の状況
事業別の営業利益は、医薬品卸売事業と調剤薬局事業について開示されている。医薬品卸売事業は、新型コロナ関連製品の需要が減少した一方、抗がん剤やスペシャリティ医薬品をはじめとする取扱卸限定製品、糖尿病治療薬、帯状疱疹ワクチン等の売上が伸長し、売上高1,494,868百万円(前期比+2.14%)となったが、売上総利益は83,386百万円(同△1.33%)、営業利益は16,820百万円(同△11.63%、計画達成率87.60%)と減益だった。調剤薬局事業は売上高100,538百万円(前期比+5.22%)、営業利益1,397百万円(同+63.97%、計画達成率55.88%)と増益となった。同事業では、2024年3月末時点で24社あったファーマクラスター株式会社傘下の調剤薬局事業会社を、2026年4月1日時点で4社にまで集約し、処方箋入力センターを設置して各店舗の処方箋入力業務を集約したとしている。なお、医薬品卸売事業と調剤薬局事業の営業利益の合計(18,217百万円)は連結営業利益(16,601百万円)と一致しない。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) |
|---|---|---|---|
| 医薬品卸売事業 | 売上高 | 1,494,868百万円(前期比+2.14%) | 1,463,520百万円 |
| 医薬品卸売事業 | 売上総利益(売上比) | 83,386百万円(5.58%) | 84,509百万円(5.77%) |
| 医薬品卸売事業 | 営業利益(売上比) | 16,820百万円(1.13%) | 19,033百万円(1.30%) |
| 調剤薬局事業 | 売上高 | 100,538百万円(前期比+5.22%) | 95,553百万円 |
| 調剤薬局事業 | 売上総利益(売上比) | 35,196百万円(35.01%) | 33,289百万円(34.84%) |
| 調剤薬局事業 | 営業利益(売上比) | 1,397百万円(1.39%) | 852百万円(0.89%) |
通期業績見通し(2027年3月期)
2027年3月期の連結業績計画は、売上高1,601,000百万円(前期比+3.07%)、売上総利益123,800百万円(同+1.13%)、販売管理費109,000百万円(同+3.01%)、営業利益14,800百万円(同△10.85%)、経常利益16,600百万円(同△0.19%)、当期純利益12,900百万円(同△25.55%)を見込む。資料は「増収減益。減益の主な要因は、医薬品卸売事業における売上総利益の減少と成長基盤の強化を目指した人財及び物流機能への投資及び経費の増加」としている。事業別では、医薬品卸売事業は仕入れ原価の上昇やカテゴリー変化に伴う売上総利益の減少、人財強化・物流機能等の質的強化による一時費用の増加により、売上高1,539,000百万円(前期比+2.95%)の増収ながら営業利益14,800百万円(同△12.01%)の減益を計画している。調剤薬局事業は、かかりつけ薬剤師機能・在宅医療機能の強化による技術料単価向上とDX推進効果による販管費率減少により、売上高105,000百万円(前期比+4.44%)、営業利益2,100百万円(同+50.32%)の増収増益を計画している。
| 項目 | 2027年3月期(計画) | 2026年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,601,000百万円 | 1,553,364百万円 | +3.07% |
| 売上総利益(売上比) | 123,800百万円(7.73%) | 122,416百万円(7.88%) | +1.13% |
| 販売管理費(売上比) | 109,000百万円(6.81%) | 105,815百万円(6.81%) | +3.01% |
| 営業利益(売上比) | 14,800百万円(0.92%) | 16,601百万円(1.07%) | △10.85% |
| 経常利益(売上比) | 16,600百万円(1.04%) | 16,631百万円(1.07%) | △0.19% |
| 当期純利益(売上比) | 12,900百万円(0.81%) | 17,327百万円(1.12%) | △25.55% |

中期経営計画2026-2028「次代を翔ける」
2026年3月期決算にあわせ、新たな中期経営計画2026-2028「次代を翔ける」を公表した。計画期間中の目標としてROE8%以上、営業利益率1.5%以上、営業利益300億円以上(2028年度)を掲げる。成長投資は500億円以上、株主還元は500億円以上を計画期間中に実施するとしている。営業利益は2025年度実績166億円から2028年度に300億円以上へ引き上げる計画で、内訳としてコスト構造改革の推進で60億円、医薬品卸売事業の売上総利益の増加で50億円、調剤薬局事業の効率化と収益性改善で20億円を積み上げるとし、これに新規事業の成長と医薬品製造販売事業(CDMO事業)の拡大をアップサイドポテンシャルとして加える構成としている。前中期経営計画期間(2024年4月1日〜2026年3月31日)の実績は、成長投資67億円(物流機能の質的強化127億円、人財強化23億円、基幹システム改修20億円)、株主還元398億円(自己株式取得:2024年度150億円・2025年度100億円、配当:2024年度41億円・2025年度107億円)だった。政策保有株式については、2026年3月期末時点で純資産対比13.8%まで縮減し、資料が掲げていた「2026年3月期末15%未満」の目標を達成したとしている。2029年3月期末には純資産対比10%未満を目指す。

株主還元
2026年3月期(2025年度)の1株当たり年間配当金は165円(前期実績は65円)で、DOE(株主資本配当率)は4.1%(前期1.6%)だった。総還元性向は117.6%(前期96.5%)となった。2027年3月期(2026年度)の配当金は180円を計画している。新たな中期経営計画2026-2028では、総還元性向100%以上、DOE4%以上(前中期経営計画の目標であったDOE2%以上から引き上げ)を方針として掲げ、安定的な増配と機動的な自己株式取得を実施するとしている。
| 項目 | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(計画) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 65円 | 165円 | 180円 |
| DOE(株主資本配当率) | 1.6% | 4.1% | ―(中計方針:4%以上) |
| 総還元性向 | 96.5% | 117.6% | ―(中計方針:100%以上) |

大規模買付行為等に対する対応
このほか、当社株式等に対する「3D」による大規模買付行為等に関して、取締役会は、3Dの目的が純投資やガバナンス体制の改善を通じた企業価値向上ではなく、当社経営に対する影響力を高めることで自らの意向に沿った経営判断を強制し、短期的な利益を実現することにあると評価し、当社の中長期的な企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれがあるとして大規模買付行為等に強く反対するとした。当社取締役会は、2026年6月に開催予定の定時株主総会において、対抗措置発動の是非を株主に諮る議案を上程することを決議しており、本議案が可決され3Dが大規模買付行為等を中止又は撤回しない場合には、新株予約権の無償割当てによる対抗措置を発動するとしている。
※本記事は東邦ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。