※本記事はDNホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
DNホールディングス(証券コード7377、東証スタンダード市場)の2026年6月期(通期)連結業績は、売上高が前期比102.9%の38,064百万円と増収となった一方、営業利益は前期比54.0%の1,465百万円、経常利益は同53.8%の1,457百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同49.2%の945百万円と、いずれも大幅な減益となった。業務委託費等の高騰に加え、過年度に実施した橋梁耐震補強設計業務において設計に誤りが判明し、完成業務補償引当金繰入額(845百万円)を計上したことが減益の主因。また、当期は連結子会社における前代表取締役の不適切行為(調査情報の漏洩)および従業員による約4,200万円の経費不正受給というコンプライアンス違反が判明し、経営責任の明確化として役員報酬の減額を実施した。
連結業績(2026年6月期 実績)
売上高は期首からの潤沢な業務量に加え当期受注も堅調に推移し前期比102.9%の38,064百万円(通期計画38,000百万円に対し達成率100.2%)。一方、利益面は業務委託費等の高騰に加え、完成業務補償引当金繰入額(845百万円)の計上が大きく影響し、営業利益は前期比54.0%の1,465百万円(通期計画2,500百万円に対し達成率58.6%)、経常利益は同53.8%の1,457百万円(計画2,550百万円に対し達成率57.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は同49.2%の945百万円(計画1,780百万円に対し達成率53.1%)となった。1株当たり当期純利益は115円43銭(前期236円28銭、計画218円11銭に対し達成率52.9%)。自己資本当期純利益率は13.3%から5.8%に、総資産経常利益率は10.9%から5.5%にそれぞれ低下した。資産合計は25,554百万円から27,836百万円に、純資産合計は15,498百万円から17,165百万円に増加し、自己資本比率は60.6%から61.7%に上昇した。
| 項目 | 2026年6月期実績 | 2025年6月期実績 | 前期比 | 2026年6月期計画 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 38,064百万円 | 36,975百万円 | 102.9% | 38,000百万円 | 100.2% |
| 営業利益 | 1,465百万円 | 2,715百万円 | 54.0% | 2,500百万円 | 58.6% |
| 経常利益 | 1,457百万円 | 2,709百万円 | 53.8% | 2,550百万円 | 57.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 945百万円 | 1,922百万円 | 49.2% | 1,780百万円 | 53.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 115円43銭 | 236円28銭 | 48.9% | 218円11銭 | 52.9% |

コンプライアンス違反について
資料は連結子会社におけるコンプライアンス違反について記載している。前代表取締役による調査情報の漏洩事案が発生し、内部統制の有効性を損なう行為として辞任勧告を行い、両社の代表取締役を辞任した。調査委員会によるデジタルフォレンジック等の検証の結果、本件以外の不正行為は認められなかったとしている。また、従業員による約4,200万円の経費不正受給事案が判明し、対象従業員を2026年6月25日付で懲戒解雇処分としたうえで、全額弁済請求および被害届提出の準備を進めている。経営責任を明確化するため、当社および大日本ダイヤコンサルタント株式会社の代表取締役(月額40%・3ヶ月)をはじめとする役員報酬の減額を実施した。

その他のトピックス
大日本ダイヤコンサルタント株式会社の社員が共著者の1人として執筆した書籍「橋をデザインする」が、令和7年度土木学会出版文化賞を受賞した。また、『日経コンストラクション』による建設コンサルタント決算ランキング(2025年決算調査)では、大日本ダイヤコンサルタントが鋼構造及びコンクリート・地質・道路・トンネル・地質調査の5つの分野でランクインし、鋼構造及びコンクリート分野(売上高10,460百万円)と地質分野(同4,341百万円)で第1位となった。
セグメント別(事業別)の状況
建設コンサルタント事業は受注高34,348百万円(前期比104.8%)、売上高33,358百万円(同103.9%)で増収。地質調査事業は受注高5,071百万円(同114.5%)、売上高4,705百万円(同96.8%)で、売上高は前期を下回った。両事業合計では受注高39,419百万円(同106.0%)、売上高38,064百万円(同102.9%)といずれも前期を上回った。顧客別では、受注高は地方自治体、高速道路会社が前期を下回るものの中央省庁、電力関連会社が前期を上回り、売上高は国内事業全体として増収となった。
| 事業区分 | 指標 | 2026年6月期 | 2025年6月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 建設コンサルタント事業 | 受注高 | 34,348百万円 | 32,774百万円 | 104.8% |
| 建設コンサルタント事業 | 売上高 | 33,358百万円 | 32,116百万円 | 103.9% |
| 地質調査事業 | 受注高 | 5,071百万円 | 4,428百万円 | 114.5% |
| 地質調査事業 | 売上高 | 4,705百万円 | 4,859百万円 | 96.8% |
| 合計 | 受注高 | 39,419百万円 | 37,203百万円 | 106.0% |
| 合計 | 売上高 | 38,064百万円 | 36,975百万円 | 102.9% |
通期業績予想(2027年6月期)
2027年6月期は、原子力発電所及び核燃料サイクル関連施設の地質・地盤調査、防衛施設の耐震化・老朽化対策等の計画・設計、エネルギー関連事業(陸上・洋上風力発電、水素利活用、木質バイオマス発電、CCS等)等の成長事業による売上拡大を見込む一方、事業拡大に必要な人員増、研究開発投資、DX投資、設備増強、従業員の給与水準引上げなど原価・販管費の増加も見込む。2026年6月期に発生した巨額の完成業務補償引当金繰入額について、品質管理・安全管理の徹底により追加的な費用発生を抑制し、2025年6月期以前の増益基調の回復を目指すとしている。
| 項目 | 2027年6月期計画 | 2026年6月期実績 | 増減(前期実績比) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 39,500百万円 | 38,064百万円 | 1,435百万円 |
| 営業利益 | 2,600百万円 | 1,465百万円 | 1,134百万円 |
| 経常利益 | 2,650百万円 | 1,457百万円 | 開示なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,840百万円 | 945百万円 | 開示なし |

株主還元
配当方針は、長期にわたる安定的な経営基盤の確保と自己資本利益率の向上に努めるとともに、株主への安定的な配当の継続を基本とし、連結配当性向30%以上を当面のターゲットとしている。内部留保資金は持続的成長に向けた戦略的投資、財務レバレッジの向上と財務健全性の確保、持続的・安定的な株主還元にバランスを取りながら活用するとし、自己株式の取得は必要性・財務状況・株価水準等を勘案して適宜実施するとしている。1株当たり配当金(普通配当)は、2025年6月期実績80円、2026年6月期予定75円、2027年6月期は第1〜3四半期を無配とし期末75円を計画している。2026年6月期は当期純利益の大幅減少に伴い、連結配当性向は前期33.9%から65.0%に上昇する見込み。
| 決算期 | 1株当たり配当金(普通配当) | 記念配当 | 連結配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2022年6月期(実績) | 60円 | 10円 | 37.1% |
| 2023年6月期(実績) | 60円 | 10円 | 32.0% |
| 2024年6月期(実績) | 65円 | - | 33.7% |
| 2025年6月期(実績) | 80円 | - | 33.9% |
| 2026年6月期(予定) | 75円 | - | 65.0% |
| 2027年6月期(予想) | 75円 | - | 33.4% |

※本記事はDNホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。