※本記事は東京応化工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東京応化工業は2026年2月9日、2025年12月期(2025年1月~12月)の決算説明資料を公表した。売上高は237,029百万円(前年比+17.9%)、営業利益は47,386百万円(同+43.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は33,345百万円(同+47.0%)となり、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益において2期連続で過去最高を更新した。生成AI関連の需要増加等、エレクトロニクス市場の拡大をとらえ大幅な増収増益を達成している。2026年12月期は売上高261,000百万円、営業利益52,200百万円を見込み、3期連続で過去最高を更新する計画。あわせてtok中期計画2027の2027年度定量目標を上方修正した。
連結業績(2025年12月期 実績)
売上高は、生成AI関連の需要拡大やパソコンの買い替え需要も堅調に推移したことにより、エレクトロニクス機能材料、高純度化学薬品ともに大幅な増収となり、前年比+17.9%。営業利益は先端向け材料を中心とした高付加価値品の販売増加により前年比+43.2%の大幅増益となった(第4四半期における開発関連材料等の在庫認識による一過性の増益を含む)。当期純利益は営業利益の増加により前年比+47.0%の増益(第1四半期における装置事業譲渡に伴う特別利益の計上を含む)。期中平均為替(US㌦)は150.8円/㌦(2024/12)から148.6円/㌦(2025/12)となった。営業利益の増減内訳は、売上増加・プロダクトミックス等+193億円、開発関連材料等の在庫認識による増益要因+20億円に対し、為替変動・売価調整の影響△16億円、経費増加△55億円で、331億円から473億円へ+142億円。設備投資等は28,723百万円(前年比+16.0%、一部の設備投資が年間計画より来期に期ずれ)、減価償却費8,807百万円(同+5.7%)、研究開発費15,673百万円(同+8.0%)。
| 項目(百万円) | 2025/12 | 2024/12 | 増減 | 増減率(%) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 237,029 | 200,966 | +36,062 | +17.9 |
| 営業利益 | 47,386 | 33,090 | +14,295 | +43.2 |
| 経常利益 | 49,274 | 34,554 | +14,720 | +42.6 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 33,345 | 22,683 | +10,661 | +47.0 |
| EBITDA | 56,194 | 41,424 | +14,769 | +35.7 |
| ROE(%) | 15.6 | 11.8 | +3.8 | – |

製品分野別(セグメント)の状況
エレクトロニクス機能材料は124,700百万円(前年比+16.0%)、高純度化学薬品は109,400百万円(同+19.6%)、その他は2,928百万円(同+48.3%)と、いずれも増収。エレクトロニクス機能材料は、先端材料(ArF・EUVレジスト等)、KrF、レガシー材料(g線、i線レジスト等)、半導体後工程関連材料(パッケージ材料、MEMS材料、WHS関連材料)、ディスプレイ材料・その他で構成される。
| 区分(百万円) | 2025/12 | 2024/12 | 増減 | 増減率(%) |
|---|---|---|---|---|
| エレクトロニクス機能材料 | 124,700 | 107,515 | +17,184 | +16.0 |
| 高純度化学薬品 | 109,400 | 91,476 | +17,923 | +19.6 |
| その他 | 2,928 | 1,974 | +954 | +48.3 |
| 合計(売上高) | 237,029 | 200,966 | +36,062 | +17.9 |
2026年12月期 業績予想
2026年12月期は、生成AI関連の需要拡大や顧客の新工場稼働開始等により、先端半導体向け材料や後工程関連材料の需要が一段と高まり、高純度化学薬品も堅調に伸びるとして、売上高は前年比+10.1%を予想。営業利益は売上高の増加により同+10.2%、当期純利益は同+5.0%の増益を見込む。想定為替レートは148.6円/㌦(2025/12実績)から150.0円/㌦(2026/12期)。営業利益の増減内訳は、売上増加・プロダクトミックス等+169億円に対し、為替変動・売価調整の影響△31億円、経費増加△89億円(前年度の開発関連材料等の在庫認識の影響を含む)で473億円から522億円へ+49億円。設備投資等は35,800百万円(+24.6%)、減価償却費11,300百万円(+28.3%)、研究開発費18,200百万円(+16.1%)を計画する。
| 項目(百万円) | 2026/12 予想 | 2025/12 実績 | 増減 | 増減率(%) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 261,000 | 237,029 | +23,970 | +10.1 |
| エレクトロニクス機能材料 | 140,000 | 124,700 | +15,299 | +12.3 |
| 高純度化学薬品 | 116,000 | 109,400 | +6,599 | +6.0 |
| その他 | 5,000 | 2,928 | +2,071 | +70.7 |
| 営業利益 | 52,200 | 47,386 | +4,813 | +10.2 |
| 経常利益 | 53,800 | 49,274 | +4,525 | +9.2 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 35,000 | 33,345 | +1,654 | +5.0 |
| EBITDA | 63,500 | 56,194 | +7,305 | +13.0 |
| ROE(%) | 14.5 | 15.6 | △1.1 | – |

株主還元
純資産配当率(DOE)4.0%を目途とする配当方針のもと、2025年12月期は期末配当37円、年間配当72円を予定し、8期連続の増配となる。2026年12月期は年間配当80円を予想し、DOE4.0%のもと連続増配を継続する方針。自己株式の取得についても弾力的に実施するとしている。なお、2024年1月1日付(効力発生日)で1株を3株に株式分割を実施しており、2023年12月期以前は株式分割後換算の数値。
| 項目 | 2024/12 | 2025/12 | 2026/12(予想) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 63円 | 72円 | 80円 |
| 配当総額(百万円) | 7,599 | 8,391 | 9,589 |
| 配当方針 | 純資産配当率(DOE)4.0%を目処 | 純資産配当率(DOE)4.0%を目処 | 純資産配当率(DOE)4.0%を目処 |

tok中期計画2027 定量目標の見直し
生成AI用半導体の需要増加を受け同社グループ製品の需要が当初の予想を上回るペースで拡大していること、為替レートが当初予想より円安に推移していること(2025-2027年度平均為替(US㌦)は当初予想135.0円/㌦から見直し後150.0円/㌦)を背景に、tok中期計画2027の2027年度定量目標を上方修正した。売上高は2,700億円から2,950億円、営業利益は480億円から580億円、EBITDAは600億円から720億円、ROEは13.0%から14.0%へそれぞれ引き上げた(2025年度実績は売上高2,370億円、営業利益473億円、EBITDA561億円、ROE15.6%)。定性目標および重点戦略は変更なし。キャッシュアロケーションは、中期計画2027(2025-2027)の3ヵ年で累積EBITDA約1,900億円に対し、設備投資760億円、成長投資約200億円以上、株主還元約280億円以上を計画している。

トピック
研究開発では、さらなる微細化を実現する次世代EUVレジストとして、CAR(Chemical Amplified Resist)、MOR(Metal Oxide Resist)、SMR(Small Molecular Resist)をフルラインナップで提供し、多様なニーズに対応するとしている。2025年にはドイツのmicro resist technology社を完全子会社化し、欧州における顧客サポート体制の強化と技術融合による製品ポートフォリオ拡充を進めるほか、次世代半導体パッケージ分野向けコンソーシアム「JOINT3」への参画、兵庫県立大学との「Beyond EUV」をテーマとした共同研究協定の締結を実施した。生産基盤面では、TOK郡山工場(日本)に世界最大のフォトレジスト製造棟(投資金額約200億円以上)、TOK阿蘇工場 阿蘇くまもとサイト(日本)に高純度化学薬品の新たな製造拠点(約130億円)、TOK尖端材料 平澤工場(韓国)に新工場開設および高純度化学薬品製造棟(約120億円)、同 仁川工場(韓国)に新検査棟(約70億円)を建設する。
※本記事は東京応化工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。