※本記事は東邦亜鉛が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東邦亜鉛の2026年3月期は、売上高1,255.5億円(前期比7.2億円減)、営業利益67.2億円(同11.0億円増)、EBITDA81.3億円(同0.4億円減)、経常利益56.8億円(同19.9億円増)となった。当期純利益は47.8億円となり、前期の14.6億円の赤字から黒字に転換した。資料は事業再生計画1年目で当期純利益の黒字化を達成したとしている。なお、2026年2月公表の見通し値と比較すると、EBITDAは同33%増、当期純利益は同78%増の上方修正となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
単位は億円。資料は、売上高・EBITDAについてはプラス影響とマイナス影響があり全体としてほぼ横ばいとなった一方、当期純利益は前年度に計上した亜鉛製錬撤退に伴う減損損失の反動等により前年同期比で増益となったとしている。
| 項目 | 2026年3月期(FY2025) | 2025年3月期(FY2024) | 増減(実額) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,255.5 | 1,262.7 | △7.2 |
| 営業利益 | 67.2 | 56.3 | +11.0 |
| EBITDA | 81.3 | 81.7 | △0.4 |
| 経常利益 | 56.8 | 36.9 | +19.9 |
| 当期純利益 | 47.8 | △14.6 | +62.4 |

事業別の状況(経常利益)
単位は億円。資料は経常利益を製錬(鉛・銀)、環境・リサイクル、電子部材・機能材料、金属リサイクル(旧・亜鉛製錬)、資源、その他、調整額に区分して開示している。金属リサイクル(旧・亜鉛製錬)は前期の12.5億円の赤字から14.5億円の黒字に転換した一方、環境・リサイクルは前期比で減益となった。
| 区分 | 2026年3月期(FY2025) | 2025年3月期(FY2024) | 増減(実額) |
|---|---|---|---|
| 製錬(鉛・銀) | 37.9 | 35.7 | +2.2 |
| うち在庫評価損益 | 4.9 | 7.9 | △3.0 |
| うちその他 | 33.1 | 27.9 | +5.2 |
| 環境・リサイクル | 9.2 | 16.7 | △7.5 |
| 電子部材・機能材料 | 4.6 | 4.8 | △0.2 |
| 金属リサイクル(旧・亜鉛製錬) | 14.5 | △12.5 | +27.0 |
| 資源 | 0.0 | 4.6 | △4.6 |
| その他 | 3.1 | 4.7 | △1.7 |
| 調整額 | △12.5 | △17.2 | +4.7 |
| 経常利益(合計) | 56.8 | 36.9 | +19.9 |

事業再生計画の進捗
当社は資源事業からの撤退および亜鉛事業の再編を行い、事業再生計画1年目にあたる2026年3月期に通期での黒字化を達成した。有利子負債をEBITDAで除いたレバレッジレシオは2024年3月期の26.3倍から2025年3月期9.0倍、2026年3月期7.7倍へと改善した。純資産は2024年3月期27億円、2025年3月期101億円、2026年3月期137億円と回復し、自己資本比率も2.5%、10.2%、13.8%と推移した。資料は不採算事業の撤退・再編、基盤・成長事業の収益成長の取り組みが概ね順調に進捗しているとしている。

通期業績予想(2027年3月期)
単位は億円。2027年3月期は売上高1,785億円(前年差+530億円、+42.2%)を見込む一方、経常利益45億円(同▲12億円、▲20.7%)、当期純利益35億円(同▲13億円、▲27.9%)、EBITDA80億円(同▲1億円、▲1.6%)と、EBITDAについては2026年3月期並みの水準を見込むとしている。資料は経常利益の減少要因として、前期に計上した亜鉛製錬再編に伴う保有資産売却の施策効果の反動や、TC・RCの悪化、廃バッテリー回収コスト増を挙げる一方、操業トラブルの解消や施策効果の積み上げ、銀相場の影響をプラス要因として挙げている。
| 項目 | 2027年3月期(FY2026)見通し | 2026年3月期(FY2025)実績 | 前年差(前年比) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,785 | 1,256 | +530(+42.2%) |
| 経常利益 | 45 | 57 | △12(△20.7%) |
| 当期純利益 | 35 | 48 | △13(△27.9%) |
| EBITDA | 80 | 81 | △1(△1.6%) |

通期業績予想の前提・感応度
資料は2027年3月期見通しの前提となる資源価格・為替と、それぞれの経常利益に対する感応度を開示している。
| 項目 | 2026年3月期(FY2025)実績 | 2027年3月期(FY2026)見通し前提 | 感応度 |
|---|---|---|---|
| 鉛相場 | 1,953ドル/トン | 1,900ドル/トン | 100ドル/トン上昇の場合 経常利益2.5億円/年増加 |
| 銀相場 | 53ドル/トロイオンス | 80ドル/トロイオンス | 1ドル/トロイオンス上昇の場合 経常利益0.6億円/年増加 |
| 為替 | 151円/ドル | 160円/ドル | 1円/ドル円安の場合 経常利益1.1億円/年増加 |
経営体制・社名変更等のトピック
2026年3月31日時点で、株主数19,228人(基準800人以上)、流通株式数129,474単位(基準20,000単位以上)、流通株式時価総額197億円(基準100億円以上)、流通株式比率94.0%(基準35%以上)となり、東証プライム市場の上場維持基準に適合した。また、2026年4月1日付で事業本部を廃止し3事業部制へ移行するなどの組織改正およびミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の再定義を実施した。社長は現任の伊藤正人氏から新任の佐藤義和氏へ交代する予定で、2026年6月26日開催予定の定時株主総会および取締役会を経て変更予定としている。さらに、定時株主総会での定款変更議案の可決を条件に、2027年4月1日付で社名を「東邦メタリクス株式会社(英:Toho Metalix Co., Ltd.)」に変更する予定としている。
※本記事は東邦亜鉛が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。