※本記事は三菱製紙が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三菱製紙株式会社の2025年度(2026年3月期)は、連結売上高1,575億円(前期比184億円減)、営業利益3億円(前期比43億円減)、親会社株主に帰属する当期純利益19億円(前期比24億円減)となった。2025年12月8日に発生した青森県東方沖地震による八戸工場の被災影響のほか、設備トラブルや例年1回の定期修理を2回実施したことに伴う減産・減販、ドイツ事業における欧州経済低迷による需要減が重なり、減収減益となった。なお当期純利益は、政策保有株式の縮減に伴う売却益を計上したことで、直近計画(15億円)を4億円上回って着地した。2026年度(2027年3月期)は、ドイツ事業の構造改革効果や機能性材料等の拡販、八戸工場の操業安定化により、増収増益を見込む。
連結業績(2026年3月期実績)
売上高は1,575億円で、前期(2025年3月期)の1,759億円から184億円減少し、直近計画(1,600億円)も25億円下回った。国内では地震影響による設備トラブルや、定期修理を例年1回のところ2回実施したことに伴う減産により105億円の減収、海外ではドイツ事業が欧州経済低迷による需要減で57億円の減収となった。営業利益は3億円で、前期の46億円から43億円減少(対計画でも17億円減)。国内は地震影響等による生産販売減により28億円の減益となった一方、海外はドイツ事業の構造改革効果により16億円の増益となった。営業外収益として為替差益9億円、持分法投資利益7億円を計上。特別損益では、ドイツ事業の構造改革費用17億円を計上した一方、投資有価証券の売却益41億円を計上し、経常利益17億円、親会社株主に帰属する当期純利益19億円となった。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 前期比 | 2026年3月期計画(第3四半期時点) | 計画比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,575 | 1,759 | ▲184 | 1,600 | ▲25 |
| 機能商品事業 | 784 | 882 | ▲98 | 790 | ▲6 |
| 紙素材事業 | 800 | 892 | ▲92 | 820 | ▲20 |
| 営業利益 | 3 | 46 | ▲43 | 20 | ▲17 |
| 経常利益 | 17 | 45 | ▲28 | 35 | ▲18 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 19 | 43 | ▲24 | 15 | 4 |

事業別(機能商品事業・紙素材事業)の状況
機能商品事業の売上高は784億円(前期比98億円減)。国内はインクジェット用紙が欧州向け拡販等で増販した一方、情報用紙が需要減により減販し478億円(同30億円減)、海外はドイツ事業が欧州経済低迷の影響で306億円(同68億円減)となった。営業利益は国内43億円(同15億円減)、海外は19億円の損失(前期25億円の損失から6億円改善)。紙素材事業は売上高800億円(前期比92億円減)、営業利益は21億円の損失(前期13億円の利益から34億円減)で、地震影響等による設備トラブルや八戸工場の定期修理2回実施などが響いた。
| 区分 | 指標 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 |
|---|---|---|---|
| 機能商品事業(国内) | 売上高 | 478 | 508 |
| 機能商品事業(海外) | 売上高 | 306 | 374 |
| 紙素材事業 | 売上高 | 800 | 892 |
| 機能商品事業(国内) | 営業利益 | 43 | 58 |
| 機能商品事業(海外) | 営業利益 | ▲19 | ▲25 |
| 紙素材事業 | 営業利益 | ▲21 | 13 |
通期業績予想(2027年3月期予想)
2026年度(2027年3月期)は、連結売上高1,750億円(前期比175億円増)、営業利益60億円(同57億円増)、経常利益60億円(同43億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益65億円(同46億円増)を見込む。国内は機能性材料の拡販および八戸工場の操業安定化により、海外はドイツ事業が欧州域外での拡販施策により、それぞれ増収を予想。営業利益は国内で収益向上施策(設備集約、機能性材料の拡販等で27億円)と八戸工場操業安定化(28億円)、海外でドイツ事業の構造改革効果(16億円)による増益を見込む一方、中東情勢による原燃料高(前提:為替160円/USD、石炭128USD/MT、ドバイ原油90USD/BBL)で47億円の減益要因を織り込んでいる。政策保有株式売却益26億円も見込む。
| 項目 | 2027年3月期予想(通期) | 2026年3月期実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,750 | 1,575 | +175 |
| 機能商品事業 | 840 | 784 | +56 |
| 紙素材事業 | 910 | 800 | +110 |
| 営業利益 | 60 | 3 | +57 |
| 経常利益 | 60 | 17 | +43 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 65 | 19 | +46 |

株主還元
株主への利益還元を経営の重要課題と位置づけ、各事業年度の業績と将来に向けた成長投資を総合的に勘案しながら、配当を安定的かつ継続的に実施する方針。2025年度(2026年3月期)は期末配当15円/株を実施予定(2024年度と同水準)。2026年度(2027年3月期)は当期純利益の増益に伴い年間配当を20円/株(中間配当7円/株、期末配当13円/株)とする予定で、八戸工場の定期修理を下期へ変更したことによる上期利益の安定化を見込み、中間配当を実施する予定としている。また、当社家庭紙を贈呈する株主優待制度を導入した。
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期予想 | |
|---|---|---|---|---|
| 年間配当金 | 10円 | 15円 | 15円(予定) | 20円(予定) |

中期経営計画の進捗
2025年度から2027年度までの中期経営計画に対し、2025年度実績は売上高1,575億円(計画差▲225億円)、営業利益3億円(計画差▲77億円)、ROE1.8%(計画差▲4.3%)、ROIC0.2%(計画差▲4.4%)となり、機能商品事業の拡販と紙素材事業での収益性向上の遅れ等により未達となった。2027年度(中期経営計画最終年度)は売上高2,500億円、営業利益200億円、ROE10%、ROIC9%を目標とし、機能商品事業はグローバル展開による事業拡大、紙素材事業は工場の安定操業化等により達成を図るとしている。主な経営投資として、機能商品事業拡大に向けた高砂工場プロジェクト「ビヨンド」、紙素材事業の工場操業安定化・効率化に向けた八戸工場リニューアルプロジェクト「Reborn60 Hachinohe」を推進。中期経営計画期間中に政策保有株式(みなし保有含む)を純資産の20%以下まで縮減する方針も掲げている。

※本記事は三菱製紙が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。