※本記事はフェローテックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
フェローテックの2026年3月期通期連結業績は、売上高288,933百万円(前期比105.3%)、営業利益27,561百万円(同114.4%)と増収増益となった。一方で、資料では為替差損益24億円悪化、法人税等が約20億円増と説明されており、親会社株主に帰属する純利益は14,886百万円(同94.9%)と減益となった。半導体等装置関連事業が半導体装置メーカーの生産増強による需要増加を取り込み、電子デバイス事業でも生成AIサーバ投資を背景に光トランシーバー向けサーモモジュールの売上が拡大した。同社は決算期を3月から12月へ変更する方針を決議しており、2026年12月期は売上高350,000百万円、営業利益38,000百万円を予想している。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は288,933百万円で前期比14,542百万円の増加(105.3%)、売上総利益は81,317百万円(110.8%)、販売管理費は53,755百万円(109.1%)で、営業利益は27,561百万円(114.4%)となった。経常利益は26,063百万円(102.0%)、親会社株主に帰属する純利益は14,886百万円(94.9%)、非支配株主に帰属する純利益は3,540百万円(98.1%)。減価償却費は27,426百万円(115.9%)。資料は「売上は前期比+5%、営業利益+14%」「為替差損益24億円悪化、法人税等が約20億円増、当期純利益は前期比5%減」と説明している。期中平均為替レートは米ドル149.78円、中国元20.87円(前期はそれぞれ152.24円、21.12円)。なお当期連結決算においては、連結子会社は2025年1月~2025年12月末の業績を連結している。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 288,933 | 274,390 | 14,542 | 105.3% |
| 売上原価 | 207,616 | 201,029 | 6,586 | 103.3% |
| 売上総利益 | 81,317 | 73,361 | 7,955 | 110.8% |
| 販売管理費 | 53,755 | 49,271 | 4,483 | 109.1% |
| 営業利益 | 27,561 | 24,089 | 3,471 | 114.4% |
| 経常利益 | 26,063 | 25,558 | 505 | 102.0% |
| 非支配株主に帰属する純利益 | 3,540 | 3,607 | -66 | 98.1% |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 14,886 | 15,692 | -806 | 94.9% |
| 減価償却費 | 27,426 | 23,672 | 3,754 | 115.9% |
財政状態は、マレーシア工場への設備投資等により有形固定資産が360億円増加して281,107百万円、有利子負債が400億円増加して202,344百万円となった。資産合計は689,238百万円(前期末比88,644百万円増)、純資産は362,075百万円、自己資本比率は37.6%(同-1.8P)。キャッシュ・フローは営業CFが29,255百万円、投資CFが-66,856百万円、財務CFが38,798百万円で、営業CF増加もマレーシア設備投資等により投資CFの増加が先行しFCFは-37,600百万円の赤字、資金残高(現金及び現金同等物の期末残高)は113,960百万円となった。
セグメント別の状況
半導体等装置関連事業は、売上が前期比+12%の1,851億円、営業利益が+30%の160億円。半導体装置メーカーの生産増強による需要増加を取り込み、特にセラミックス、真空シール・金属加工が増加したほか、主に中国の半導体製造の増加に伴い装置部品洗浄、再生ウエーハも増進した。電子デバイス事業は売上が前期比+14%の575億円、営業利益が+26%の104億円で、好調な生成AIサーバ投資を背景に光トランシーバー向けサーモモジュールの売上が拡大した。車載関連事業は売上が前期比-4%の292億円、営業利益は-25%の26億円で、EV向け等のパワー半導体用基板の需要が調整局面となり売上・利益とも低調、サーモモジュールも苦戦した。なお電子デバイス事業・車載関連事業のセンサは、大泉製作所の決算期変更により前年度は1Qの売上計上がなく前年比で増加している。
| セグメント(百万円) | 売上高 2026年3月期 | 売上高 2025年3月期 | 営業利益 2026年3月期 | 営業利益 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 半導体等装置関連事業 | 185,139 | 165,245 | 16,048 | 12,305 |
| 電子デバイス事業 | 57,584 | 50,487 | 10,465 | 8,250 |
| 車載関連事業 | 29,245 | 30,463 | 2,694 | 3,599 |
| その他関連事業 | 16,964 | 28,194 | -297 | 843 |
| 全社消去 | - | - | -1,349 | -909 |
| 合計 | 288,933 | 274,390 | 27,561 | 24,089 |

半導体等装置関連事業の製品別売上高(2026年3月期)は、真空シール・金属加工49,218百万円、セラミックス40,662百万円、石英製品34,376百万円、装置部品洗浄18,603百万円、シリコンパーツ13,363百万円、石英坩堝8,909百万円などとなった。電子デバイス事業ではサーモモジュールが30,821百万円、パワー半導体用基板が19,576百万円、センサが5,980百万円。車載関連事業ではパワー半導体用基板が18,057百万円、センサが6,653百万円、サーモモジュールが4,535百万円となっている。
通期業績予想(2026年12月期)
同社は決算期を3月から12月に変更することを、6月26日株主総会の承認を前提に5月15日取締役会で決議した。来期は「2026年4~12月」の9か月決算となるが、連結子会社は12月決算であることから連結子会社は1月~12月の12カ月、当社単体のみ4月~12月の9か月の売上損益が計上されるため、9か月決算となることの連結業績への影響は限定的としている。2026年12月期は、半導体等装置関連の需要が好調、光トランシーバー向けサーモモジュールの増加が継続で、増収増益を予想している。
| 項目(百万円) | 2026年12月期 予想 | 2026年3月期 実績 | 前年比(参考値) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 350,000 | 288,933 | 121.1% |
| 営業利益 | 38,000 | 27,561 | 137.9% |
| 経常利益 | 36,000 | 26,063 | 138.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 23,000 | 14,886 | 154.5% |
| 設備投資額 | 65,000 | 54,598 | 119.1% |
| 減価償却費 | 32,172 | 27,426 | 117.3% |
| EBITDA | 70,172 | 54,988 | 127.6% |

製品別の2026年12月期予想は、半導体等装置関連が222,190百万円(前年比120.0%)で、米国および中国顧客からの引合いが急速に増加し増加見通し。うち真空シール・金属加工が68,307百万円(138.8%)、セラミックスが49,036百万円(120.6%)、石英製品が38,912百万円(113.2%)、装置部品洗浄が22,848百万円(122.8%)。電子デバイスは73,965百万円(128.4%)でサーモモジュールが40,526百万円(131.5%)とAI関連の光トランシーバー向け売上拡大を見込む。車載関連は36,135百万円(123.6%)でEV市況は回復傾向とし、その他は17,710百万円(104.4%)。なお再生ウエーハは2,943百万円(60.3%)で、2026年7月以降は非連結化し連結売上に計上しない予定としている。想定為替レートは米ドル150.0円、中国元21.00円。
株主還元
株主還元強化を図るため、DOEを採用し下限を3.5%に設定、財務の状況を考慮しながら自社株式の取得を機動的に検討し、総還元性向50%を目指して充実を図っていく方針(既存方針から不変)。配当金は増配とし、2026年12月期は通期200円/株(普通配当150円+特別配当50円、配当性向46.8%)を予定している(2026年3月期の1株あたり年間配当金は148.0円)。2026年12月期の中間配当は、配当基準日を9月30日から6月30日に変更して実施する予定。また、2026年12月期~2028年12月期にかけて250億円の自己株買いを実施する方針を示している。

中期経営計画(ローリングプラン)
2025年5月30日開示の中期経営計画からローリングアップデートされ、2026年12月期以降の予想・計画を上方修正した。計画では売上高を2027年12月期400,000百万円、2028年12月期450,000百万円、営業利益を同48,000百万円、57,000百万円とし、営業利益率は2028年12月期に12.7%を見込む。設備投資は半導体需要の増進および顧客要請を受け、北京工場(洗浄等)の新設に加え、セラミックス等の増産投資、マレーシア工場の追加投資を織り込み、2026年3月期~2027年12月期の設備投資計画は1,746億円に増加。同期間でグループ資産売却500億円を想定している。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 実績 | 2026年12月期 予想 | 2027年12月期 計画 | 2028年12月期 計画 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 288,933 | 350,000 | 400,000 | 450,000 |
| 営業利益 | 27,561 | 38,000 | 48,000 | 57,000 |
| 営業利益率 | 9.5% | 10.9% | 12.0% | 12.7% |
| 当期純利益 | 14,886 | 23,000 | 30,000 | 38,000 |
| 自己資本比率 | 37.6% | 40.0% | 40.0% | 40.0% |
| 設備投資額 | 54,598 | 65,000 | 55,000 | 40,000 |
| 1株あたり配当金(年間) | 148.0円 | 200.0円 | - | - |

事業面では、日本・欧米顧客の中国外製造(Ex-China)のニーズに対応してマレーシア等の生産を拡充するとともに、中国において顧客対応を強化する方針。マレーシア・クリム第1工場は顧客認定および量産開始、生産量増加が順調に進捗しており、第2工場は2026年8月に建屋工事が完了予定、2026年内に稼働開始見通し。中国では北京工場が2026年3月に着工し同12月の建屋完成に向けて進捗、2027年6月に操業開始を予定するほか、紹興工場・武漢工場は2027年夏に操業開始を予定している。また、再生ウエーハ事業を行う安徽富楽徳長江半導体材料(CRSM)は、中国・合肥地区での新会社および新工場設立に伴う増資により、2026年7月以降に連結子会社から持分法適用会社へ異動となる見込み。長期業績目標は継続し、2030年度に売上高5,000億円、当期純利益500億円の達成を目指すとしている。
※本記事はフェローテックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。