※本記事は市光工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
市光工業は2026年3月12日、2025年12月期(2025年1月~12月)の連結決算を発表した。売上高は1,171億円(前期比▲6.7%)、営業利益は58億円(同+19.1%)、経常利益は76億円(同+16.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は62億円(同+38.8%)となった。子会社PIAAの売却などにより減収となったものの、インフレの価格転嫁促進や新製品立ち上げに伴う金型収益、損益分岐点低減策により営業増益を確保した。会社発表の業績予想との比較では、売上高は未達だった一方、営業利益・経常利益・当期純利益はいずれも予想を上回った。
連結業績(2025年12月期 実績)
2025年12月期の売上高は1,171億円と、前期の1,255億円から85億円(▲6.7%)の減収となった。要因は2024年の子会社PIAA(売上高42億円)の売却および一部自動車メーカーの減産の影響である。一方、営業利益は58億円(前期49億円、+9億円、+19.1%)、営業利益率は5.0%(前期3.9%、+1.1ポイント)と増益となった。PIAA売却による減益影響を、インフレの価格転嫁促進、新製品立ち上げに伴う金型収益、損益分岐点低減策およびその他生産性の向上により補った。経常利益は76億円(前期65億円、+10億円、+16.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は62億円(前期45億円、+17億円、+38.8%)となった。会社発表の業績予想(2025年2月14日公表)との比較では、売上高はアセアン市場での生産減や一部自動車メーカーの減産影響、新型モデル投入の遅れにより予想の1,210億円を下回る1,171億円(▲39億円、▲3.2%)となった一方、営業利益は業務効率化・合理化、適切なインフレ対策、顧客による数量補償等により予想の54億円を上回る58億円(+4億円、+7.7%)となった。経常利益・当期純利益は中国合弁会社の持分法による投資利益や不動産売却益等により、さらに予想を上回った。
| 項目 | 2025年12月期(当期) | 2024年12月期(前期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,171億円 | 1,255億円 | ▲85億円(▲6.7%) |
| 営業利益 | 58億円 | 49億円 | +9億円(+19.1%) |
| 営業利益率 | 5.0% | 3.9% | +1.1ポイント |
| 経常利益 | 76億円 | 65億円 | +10億円(+16.1%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 62億円 | 45億円 | +17億円(+38.8%) |

地域別の状況(PIAA除く)
PIAAを除くベースの地域別業績(日本国内:伊勢原・藤岡・本社・九州市光、海外:インドネシア・マレーシア・タイ)を見ると、売上高は2024年12月期の1,213億円から2025年12月期は1,171億円へ42億円減少した。一方、営業利益は47億円から58億円へ11億円増加し、営業利益率は3.9%から5.0%へ1.1ポイント改善した。国内は減収の影響を受けたが生産性向上とコスト削減努力により一部相殺し、海外は新製品立ち上げに伴う金型収益、インフレの価格転嫁促進、不良率の改善や生産性の向上により増益となった。
| 区分(PIAA除く) | 2025年12月期 | 2024年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,171億円 | 1,213億円 | ▲42億円 |
| 営業利益 | 58億円 | 47億円 | +11億円 |
| 営業利益率 | 5.0% | 3.9% | +1.1ポイント |

通期業績予想(2026年12月期)
会社は2026年12月期(2026年1月~12月)の連結業績予想として、売上高1,180億円(前期比+9億円、+0.8%)、営業利益59億円(同+1億円、+1.5%)、営業利益率5.0%(前期並み)を見込む。一方、経常利益は66億円(前期比▲10億円、▲12.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億円(同▲12億円、▲19.4%)と減益を予想する。売上面では一部自動車メーカーの生産減の継続やアセアン市場における生産台数の低迷懸念を想定する。営業利益面では顧客減産補償等の減少や賃上げ影響を、生産性向上・業務効率化やアセアンにおける不良コスト低減等により補完する計画である。
| 項目 | 2026年12月期(予想) | 2025年12月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,180億円 | 1,171億円 | +9億円(+0.8%) |
| 営業利益 | 59億円 | 58億円 | +1億円(+1.5%) |
| 営業利益率 | 5.0% | 5.0% | +0.6ポイント |
| 経常利益 | 66億円 | 76億円 | ▲10億円(▲12.8%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 50億円 | 62億円 | ▲12億円(▲19.4%) |

株主還元
2025年12月期の年間配当予定額は14円で、前年度より1円の増配となった。利益が想定以上となったため、配当性向は21.7%にとどまった。2026年12月期の配当予想は18円で、前年度より4円の増配。配当性向は目標の35%を考慮したものである。キャッシュアロケーション戦略(2025年以降4年間)として、財務健全性の確保(170億円の手元流動性の確保)、経営基盤強化(150億円)と成長戦略(290億円)への投資、配当性向35%以上またはDOE2.5%のいずれかの達成を基本方針に掲げ、配当性向の目標を35%以上へ引き上げた。
| 項目 | 2025年12月期(実績) | 2026年12月期(予想) |
|---|---|---|
| 年間配当金 | 14円(前期比+1円) | 18円(前期比+4円) |
| 配当性向 | 21.7% | 目標35%を考慮 |

中期経営計画・トピック
会社は成長戦略「トランスフォーメーション計画」として、新規顧客・新プロジェクト、新テクノロジー(HDライティング等)、新テリトリー(インド事業)を掲げ、2028年の売上目標を1,290億円としている。新規顧客・新プロジェクトでは2028年に向けてFord、Hyundaiと90億円の契約を締結、新テクノロジーではHDライティングおよびドライバで50億円が確定済みとしている。新テリトリー#1のインド事業では、ヴァレオインドのライティング事業取得に向け2026年3月~4月に合弁契約締結、2026年8月に事業譲渡契約の締結を見込み、2028年以降の利益貢献を目指す。中期経営計画では、2026年度の売上高1,180億円・営業利益率5.0%に対し、2030年度は売上高1,350億円・営業利益率5.0%~7.0%を見込む。企業価値向上に向けては、2025年末実績でPER8.0倍・ROE8.3%・配当性向21.7%・PBR0.7倍に対し、2030年目標としてPER12.0倍・ROE10.0%・配当性向35%・PBR1.2倍(PBR1倍超)を掲げている。
※本記事は市光工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。