※本記事はシスメックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
シスメックスは2026年3月期、売上高5,000.0億円(前年同期比△1.7%)、営業利益518.3億円(同△40.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益354.5億円(同△33.9%)の減収減益となった。中国の医療費抑制政策の影響継続に加え、新規領域の連結子会社3社ののれん減損損失合計112億円を計上したことが主因で、中国を除く売上高は前年同期比+5.1%、米州・EMEA・APは現地通貨ベースで増収と堅調に推移した。年間配当は前期32円から38円へ増配(+18.8%、配当性向67.3%)とし、累進配当方針を堅持した。2027年3月期は売上高5,350億円(+7.0%)、営業利益580億円(+11.9%)、当期利益360億円(+1.5%)の増収増益を計画している。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の連結業績は、売上高5,000.0億円(前年同期比98.3%)、営業利益518.3億円(同59.2%)、親会社の所有者に帰属する当期利益354.5億円(同66.1%)となった。営業利益の減少要因は、売上変動による粗利減少△101.0億円、原価率悪化△108.9億円(2.2pt悪化)、販売管理費の増加△88.7億円、その他営業損益の変動△82.7億円(のれんの減損損失112億円の計上を含む)などで、研究開発費の減少(+22.9億円)と為替の影響(+0.9億円)が下支えした。
| 項目 | 2026年3月期(実績・億円) | 2025年3月期(実績・億円) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,000.0 | 5,086.4 | 98.3% |
| 売上原価 | 2,443.2 | 2,366.6 | 103.2% |
| 販売費及び一般管理費 | 1,643.5 | 1,508.4 | 109.0% |
| 研究開発費 | 291.6 | 314.5 | 92.7% |
| 営業利益 | 518.3 | 875.8 | 59.2% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 354.5 | 536.6 | 66.1% |
事業別・地域別の状況(2026年3月期 実績)
事業・分野別では、ヘマトロジー分野が2,994.0億円(前年同期比98.7%、円ベース)、血液凝固分野724.0億円(同87.9%)、免疫分野223.1億円(同86.3%)などとなり、ダイアグノスティクス事業全体では4,967.0億円(同98.7%)となった。地域別では、米州1,392.5億円(現地通貨ベース前年同期比107.3%)、EMEA1,580.3億円(同105.2%)、AP546.4億円(同106.4%)が堅調に推移した一方、中国は894.6億円(現地通貨ベース前年同期比75.1%、円ベースで△24.9%)、日本は586.0億円(円ベース86.5%)と減収した。
| 事業・分野 | 2026年3月期実績(億円) | 構成比 | 前年同期比(円ベース) |
|---|---|---|---|
| ヘマトロジー | 2,994.0 | 59.9% | 98.7% |
| FCM | 46.9 | 0.9% | 128.9% |
| 尿 | 440.7 | 8.8% | 107.9% |
| 血液凝固 | 724.0 | 14.5% | 87.9% |
| 免疫 | 223.1 | 4.5% | 86.3% |
| 生化学 | 29.1 | 0.6% | 80.3% |
| ライフサイエンス | 249.6 | 5.0% | 117.1% |
| その他 | 259.2 | 5.2% | 115.7% |
| ダイアグノスティクス事業計 | 4,967.0 | 99.3% | 98.7% |
| メディカルロボット事業 | 33.0 | 0.7% | 61.5% |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、売上高5,350億円(前年同期比+7.0%)、営業利益580億円(同+11.9%)、当期利益360億円(同+1.5%)を計画する。中国では「必要最小限の原則」に加え「検査価格統一」の影響を織り込み約20%の減収を想定する一方、米州+6%、EMEA+7%、AP+13%(いずれも現地通貨ベース)の成長を見込み、日本では日本電子株式会社からの生化学事業承継が寄与(生化学分野で+100億円)する見通しである。想定為替レートは1USD155.0円、1EUR180.0円、1CNY22.0円。営業利益は中国減収による粗利減を、ダイアグノスティクス事業の成長と一過性要因(のれんの減損損失)の解消で補う計画である。
| 項目 | 2027年3月期(予想・億円) | 2026年3月期(実績・億円) | 伸長率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,350 | 5,000 | +7.0% |
| 売上原価 | 2,670 | 2,443 | +9.3% |
| 販売費及び一般管理費 | 1,810 | 1,643 | +10.1% |
| 研究開発費 | 300 | 291 | +2.9% |
| 営業利益 | 580 | 518 | +11.9% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 360 | 354 | +1.5% |

事業別・地域別業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の事業・分野別売上高予想は、ヘマトロジー分野3,170億円(構成比59.3%、前年同期比105.9%)、血液凝固分野740億円(同102.2%)、免疫分野230億円(同103.0%)、生化学分野130億円(同445.5%)などとなり、ダイアグノスティクス事業計5,295億円(同106.6%)を見込む。地域別では、米州1,520億円(円ベース109.2%)、EMEA1,740億円(同110.1%)、AP620億円(同113.5%)、日本720億円(同122.9%)の増収を見込む一方、中国は750億円(円ベース83.8%、現地通貨ベース81.0%)と減収を計画する。

株主還元
2026年3月期の年間配当は38円(中間19円・期末19円)とし、前期の32円から+6円(+18.8%)の増配、配当性向は67.3%となった。上場30周年の記念配当を含め、累進配当方針を堅持した。なお2026年3月の期末配当19円は、第59期定時株主総会に付議する予定である。2027年3月期は配当予想40円(配当性向67.4%)とし、連結での配当性向40%を目処とした累進配当の方針を継続するとともに、上限300億円の自己株式取得を計画している。
| 期 | 中間 | 期末 | 年間 | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期(実績) | 15円 | 17円 | 32円 | 37.4% |
| 2026年3月期(案) | 19円 | 19円 | 38円 | 67.3% |
| 2027年3月期(予想) | 開示なし | 開示なし | 40円 | 67.4% |

中期経営計画・トピック
新経営体制のもと、「選択と集中」「原点回帰」「規律ある資本配分」の3方針を掲げ、ダイアグノスティクス事業の競争力強化やバリューチェーン改革による収益性改善、血液凝固分野の展開加速、新興国における事業拡大、事業ポートフォリオの見直しなどに重点的に取り組む方針である。日本電子株式会社からの生化学事業承継により、機器販売中心のビジネスから試薬ビジネスへの転換を図り、2029年3月期には生化学分野の売上高190億円を目指す。
※本記事はシスメックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。