※本記事はカワタが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社カワタは2026年3月期(2025年4月~2026年3月)連結決算を発表した。売上高は19,367百万円(前期比△6.7%)、営業利益は447百万円(前期比△54.5%)、経常利益は572百万円(前期比△44.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は36百万円(前期比△93.6%)となり、減収減益となった。米国通商政策を巡る設備投資見送りで射出成形市場が低迷したほか、東アジアセグメントで中国子会社の構造改革費用151百万円を特別損失として計上したことが利益を押し下げた。
連結業績(当期 実績)
売上高は自動車業界向け射出成形関連・EV向けリチウムイオン電池関連の減少により前期比△6.7%の19,367百万円。売上総利益は製品構成差異や価格競争激化により売上総利益率が29.2%(前期30.1%)に低下し5,659百万円(△9.5%)。営業利益は東アジアセグメントの設備投資低迷と競合激化による大幅赤字、海外案件の納入後不具合対応による減益もあり447百万円(△54.5%)。経常利益は円安進行による為替差益85百万円(計画△31百万円)を計上し572百万円(△44.6%)。当期純利益は中国子会社の事業体制再構築に伴う構造改革費用151百万円の特別損失計上とグループ内損益構成差異による法人税増加により36百万円(△93.6%)にとどまった。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 20,766百万円 | 19,367百万円 | △6.7% |
| 売上総利益 | 6,254百万円 | 5,659百万円 | △9.5% |
| 販売費及び一般管理費 | 5,270百万円 | 5,211百万円 | △1.1% |
| 営業利益 | 984百万円 | 447百万円 | △54.5% |
| 経常利益 | 1,033百万円 | 572百万円 | △44.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 576百万円 | 36百万円 | △93.6% |
セグメント別の状況
日本セグメントは売上高12,653百万円(前期比△10.7%)と減収も、原価低減の取組みにより売上総利益率が27.6%から28.3%へ上昇し、グループ全体の利益を牽引した。営業利益は897百万円(△23.6%)。東アジアセグメントは中国経済の減速で設備投資が低迷し、製品構成差異(高付加価値製品の販売減による汎用品比率上昇)や価格競争激化により売上総利益率が27.8%から20.9%へ大幅低下、営業利益は△484百万円と前期の△172百万円から赤字が拡大した。東南アジアセグメントはOA機器・二輪関連が堅調で売上高2,430百万円(+7.1%)、営業利益73百万円(+25.6%)と増収増益。北中米セグメントは前期の受注増により自動車業界向け売上高が660百万円(+85.0%)と増加したが、限界利益率低下により営業利益は△68百万円の赤字が続いた。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) |
|---|---|---|---|
| 日本 | 売上高 | 12,653百万円 | 14,166百万円 |
| 東アジア | 売上高 | 5,024百万円 | 5,287百万円 |
| 東南アジア | 売上高 | 2,430百万円 | 2,268百万円 |
| 北中米 | 売上高 | 660百万円 | 357百万円 |
| 日本 | 営業利益 | 897百万円 | 1,174百万円 |
| 東アジア | 営業利益 | △484百万円 | △172百万円 |
| 東南アジア | 営業利益 | 73百万円 | 58百万円 |
| 北中米 | 営業利益 | △68百万円 | △80百万円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期(想定為替レート1ドル=150円)は、射出成形機の需要低迷等の市場環境を踏まえ売上高19,500百万円(前期比+0.7%)を見込む。販売価格適正化と生産効率向上により売上総利益率は30.5%へ改善、営業利益は660百万円(+47.3%)、経常利益は円高進行による為替差損を織り込み600百万円(+4.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は380百万円(+927.7%)を計画する。なお中東情勢の緊迫化に伴う原油価格高騰・調達リスクは現時点で影響額の合理的な算定が困難なため業績予想には未反映としている。セグメント別売上高予想は、日本が2026年3月期を底とした緩やかな市況回復により13,507百万円(+6.7%)へ増収を見込む一方、東アジアは中国市場の低迷継続と為替影響により4,597百万円(△8.5%)、東南アジアは現地レートでは増収も為替影響で概ね横ばいの2,425百万円(△0.2%)、北中米は米国通商政策の影響による設備投資の様子見・延期継続により470百万円(△28.9%)を見込む。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 19,367百万円 | 19,500百万円 | +0.7% |
| 売上総利益 | 5,659百万円 | 5,940百万円 | +5.0% |
| 営業利益 | 447百万円 | 660百万円 | +47.3% |
| 経常利益 | 572百万円 | 600百万円 | +4.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 36百万円 | 380百万円 | +927.7% |


株主還元
株主還元と成長投資の両立を基本方針とし、中長期的には安定的な当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)8%以上の確保と連結配当性向30%以上を基本として、自己資本配当率(DOE)2%台の維持を目標としている。2026年3月期の1株当たり配当金は38.0円(ROE0.3%、DOE2.0%、配当性向717.8%)で、当期純利益の落ち込みにより配当性向は上昇した。2027年3月期も同水準の38.0円の配当を予定し、ROEは2.9%、DOEは2.0%、配当性向は69.9%を見込んでいる。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 38.0円 | 38.0円 |
| 自己資本利益率(ROE) | 0.3% | 2.9% |
| 自己資本配当率(DOE) | 2.0% | 2.0% |
| 連結配当性向 | 717.8% | 69.9% |

中期経営計画/トピック
中期経営方針として「より強靭な事業体の構築」を掲げ、当期利益10億円、ROE8%、連結配当性向30%を基本にDOE2%台を維持する目標を設定。新規市場・成長分野への事業展開(非プラスチック分野の拡大、全固体電池向け微粒子コーティング技術の実用化・量産化対応、インド市場への展開強化)、既存市場・既存分野での収益力向上(案件別の利益管理徹底、販売価格の適正化、原価低減)、経営基盤の強化(人的資本経営の推進、グループシナジー最大化)を重点施策とする。トピックスとして、2026年6月にインド共和国デリーに駐在員事務所を開設したほか、BATTERY JAPAN国際二次電池展、FOOMA JAPAN 2026(世界最大級の食品製造総合展)への出展を実施した。
※本記事はカワタが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。