※本記事は王子ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
王子ホールディングスの2025年度通期決算は、海外でのパルプ市況・紙市況の悪化や国内の減販、物流費・人件費などのコスト上昇により、連結営業利益が346億円(前期比▲331億円)と減益になった。一方、外貨建債権債務の評価替えによる為替差益の増加や、賃貸不動産・保有株式の売却益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は556億円(同+94億円)と増益となった。ROEは5.0%(同+0.7%pt)。2026年度は連結営業利益600億円(同+254億円)を予想する一方、中東情勢による▲150億円の影響を見込み、当期純利益は350億円(同▲206億円)を予想する。
連結業績(当期 実績)
2025年度の連結売上高は18,617億円(前期比+124億円)。営業利益は346億円(同▲331億円)で、国内事業会社は399億円(同▲77億円)、海外事業会社は▲53億円(同▲254億円)。経常利益は405億円(同▲280億円)。営業外損益では外貨建債権債務の評価替えによる為替差益の増加、特別損益では賃貸不動産や保有株式の売却益の増加があり、親会社株主に帰属する当期純利益は556億円(同+94億円)となった。減価償却費は928億円(同+36億円)、期中平均為替レートは150.7円/USドル(同▲1.9円)。
| 項目 | 2025年度(当期) | 2024年度(前期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 18,617億円 | 18,493億円 | +124億円 |
| 営業利益 | 346億円 | 677億円 | ▲331億円 |
| 経常利益 | 405億円 | 686億円 | ▲280億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 556億円 | 462億円 | +94億円 |
| ROE | 5.0% | 4.3% | +0.7%pt |
セグメント別の状況
生活産業資材は国内のコスト増を価格修正で吸収し、海外は事業構造改革効果等もあり売上高9,433億円(同+254億円)、営業利益197億円(同+14億円)と増益。機能材は国内が価格修正で増益、海外は市況下落で減益となり、売上高2,360億円(同▲4億円)、営業利益108億円(同▲15億円)。資源環境ビジネスはパルプ市況下落により売上高3,897億円(同▲26億円)、営業利益67億円(同▲246億円)と大幅減益。印刷情報メディアは国内のコスト増・減販により減益、海外は原燃料価格下落で増益となり、売上高2,721億円(同▲211億円)、営業利益75億円(同▲58億円)。なお2025年度よりWalki社・IPI社を「その他」セグメントから「生活産業資材」セグメントへ変更し、従来各セグメントへ配賦していたグループ本社費は「その他」セグメントへ集約しており、2024年度実績もこの変更を反映して組み替えて表示している。
| セグメント | 売上高(当期) | 売上高(前期) | 営業利益(当期) | 営業利益(前期) |
|---|---|---|---|---|
| 生活産業資材 | 9,433億円 | 9,178億円 | 197億円 | 183億円 |
| 機能材 | 2,360億円 | 2,364億円 | 108億円 | 123億円 |
| 資源環境ビジネス | 3,897億円 | 3,923億円 | 67億円 | 313億円 |
| 印刷情報メディア | 2,721億円 | 2,932億円 | 75億円 | 133億円 |
| その他 | 207億円 | 95億円 | ▲101億円 | ▲75億円 |
| 連結合計 | 18,617億円 | 18,493億円 | 346億円 | 677億円 |

通期業績予想
2026年度は、LBKPを中心としたパルプ市況の回復、2025年度に実施した値上げの通年効果、低収益性事業構造改革などにより、連結営業利益は600億円(同+254億円)を予想する。前提条件は為替レート155円/USドル、石炭は豪州一般炭価格141USドル/t、重油はドバイ原油価格76USドル/bbl。中東情勢の沈静化を2026年6月末と想定しつつ、原燃料価格・物流費の上昇等により通期で▲150億円の悪化影響(国内▲60億円、海外▲90億円)を織り込んでいる。特別利益は2025年度と比べて減少する見通しだが資産スリム化諸施策の実施を計画しており、親会社株主に帰属する当期純利益は350億円(同▲206億円)、ROEは3.3%(同▲1.7%pt)を予想する。
| 項目 | 2026年度予想 | 2025年度(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 19,400億円 | 18,617億円 | +783億円 |
| 営業利益 | 600億円 | 346億円 | +254億円 |
| 経常利益 | 450億円 | 405億円 | +45億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 350億円 | 556億円 | ▲206億円 |
| ROE | 3.3% | 5.0% | ▲1.7%pt |

株主還元
中期経営計画の株主還元方針は配当性向50%、配当下限は年間24円/株。2025年度の配当は年間36円/株に増配し、2026年度も年間36円/株を予定する(配当性向は2025年度実績58.9%、2026年度予想93.6%)。自己株式取得は2025年度に477億円を実施し、2027年度末までにさらに730億円を実施予定(26年4月取得分を含む累計925億円、1,500億円目標に対する進捗率51%)。また発行済株式総数の9.9%(1億株)にあたる自己株式を2026年5月29日に消却予定。
| 項目 | 24年度実績 | 25年度実績 | 26年度予想 |
|---|---|---|---|
| 年間配当金(円/株) | 24円 | 36円 | 36円 |
| 配当性向(%) | 50.7% | 58.9% | 93.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 462億円 | 556億円 | 350億円 |

中期経営計画2027/トピック
中期経営計画2027では、財務戦略として政策保有株式・退職給付信託株式・賃貸不動産の売却による資産のスリム化を推進しており、見通し合計1,200億円に対し2025年度末までの実施済計は990億円(政策保有株式売却の進捗率82%、退職給付信託株式売却の進捗率83%)。事業戦略では低収益性事業の構造改革として、オセアニア・日本での工場閉鎖や設備停止等により年間100億円以上の効果額を見込む。また木質バイオマスビジネスの中核化として、AustroCel社(2026年1月買収)によるバイオエタノール・ハイドロゲル事業、王子ファーマの医薬品事業立ち上げ、半導体材料向けバイオマスレジストの開発を進めている。27年度見通しとして営業利益1,200億円、親会社株主に帰属する当期純利益800億円、ROE8.0%を掲げている。
※本記事は王子ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。