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イノテック、2026年3月期は営業利益64.7%増 本社ビル・政策保有株式売却で純利益242.6%増

決算サマリー 2026.08.31
イノテック、2026年3月期は営業利益64.7%増 本社ビル・政策保有株式売却で純利益242.6%増

※本記事はイノテックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

イノテック株式会社の2026年3月期(連結・通期)は、テストソリューション事業における海外向け需要拡大と国内メーカーの投資回復による大幅増益、システム・サービス事業における組込システムの好調などにより、売上高46,737百万円(前期比+11.3%)、営業利益3,108百万円(前期比+64.7%)、経常利益2,912百万円(前期比+66.0%)となった。政策保有株式および本社ビルの売却により特別利益を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は4,111百万円(前期比+242.6%)と大幅増益になった。2027年3月期は売上高500億円超、連結営業利益は過去最高益(2007年度3,332百万円)の更新を見込むとしている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

2026年3月期の売上高は46,737百万円(前期41,977百万円、前期比+11.3%)、売上総利益は14,246百万円(前期比+12.6%、売上高利益率30.5%、前期30.1%)、営業利益は3,108百万円(前期比+64.7%、売上高利益率6.7%、前期4.5%)、経常利益は2,912百万円(前期比+66.0%、売上高利益率6.2%、前期4.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,111百万円(前期比+242.6%、売上高利益率8.8%、前期2.9%)だった。資料は決算のポイントとして、システム・サービス事業は自動車業界の景気減速の影響を受けながらも組込システムが好調で前期と同水準の利益を確保したこと、テストソリューション事業は海外向けの需要拡大と国内メーカーの投資回復で大幅増益となったことを挙げている。なお、イノテックでは子会社配当を営業外収益として2025年3月期に628百万円、2026年3月期に828百万円計上しているとしている。

項目2026年3月期実績2025年3月期実績増減率
売上高46,737百万円41,977百万円+11.3%
売上総利益14,246百万円(利益率30.5%)12,649百万円(利益率30.1%)+12.6%
営業利益3,108百万円(利益率6.7%)1,887百万円(利益率4.5%)+64.7%
経常利益2,912百万円(利益率6.2%)1,754百万円(利益率4.2%)+66.0%
親会社株主に帰属する当期純利益4,111百万円(利益率8.8%)1,200百万円(利益率2.9%)+242.6%
26年3月期 実績(連結損益・グループ会社別)
出典:イノテック株式会社 2026年3月期 決算説明会資料 P.4

事業別・グループ会社別の状況

事業別の売上高は、テストソリューション事業18,456百万円(前期14,977百万円)、半導体設計関連事業13,729百万円(前期12,992百万円)、システム・サービス事業14,551百万円(前期14,006百万円)だった。テストソリューション事業は、NANDフラッシュメモリ向けテスターの海外需要が増加したことに加え第4四半期に国内向けの需要も回復し大幅増収となったほか、STAr Technologiesはファンクションプローブカード事業を切り離したことによる採算改善や、プローブカード・信頼性試験装置が大手ファンドリ向けを中心に堅調に推移したことにより増収増益となったとしている。半導体設計関連事業では、EDA(三栄ハイテックス)がプリント基板向け設計ツールでWindows11切替需要を取り込み増収となったほか、モーデックは半導体や自動車関連向けを中心に堅調に推移し、下期に研究開発プロジェクトの大口案件を受託したこともあり増収黒字化したとしている。システム・サービス事業では、アイティアクセスは決済ビジネスのサービス収入増加や車載向け受託開発が堅調で増収増益となった一方、ガイオ・テクノロジーは自動車業界の市況悪化によりエンジニアリングサービスが減速し、外注費等のコスト削減が追い付かず減収減益になったとしている。

事業売上高(2026年3月期)売上高(2025年3月期)売上総利益(2026年3月期)売上総利益(2025年3月期)
テストソリューション事業18,456百万円14,977百万円6,420百万円5,180百万円
半導体設計関連事業13,729百万円12,992百万円3,178百万円2,910百万円
システム・サービス事業14,551百万円14,006百万円4,647百万円4,558百万円
連結合計46,737百万円41,977百万円14,246百万円12,649百万円

特別損益・キャッシュ・フローの状況

資料は、政策保有株式および本社ビルの売却により固定資産を圧縮し、特別利益を計上したとしている。本社ビル(土地・建物)の売却による譲渡益総額は63億69百万円で、うち29億10百万円を2026年3月期に計上済み、残り34億59百万円は2027年3月期第2四半期に特別利益として計上予定としている。資金使途は成長投資(M&A・技術投資)、株主還元、借入金の返済などに充当するとしている。特別損益の内訳として、固定資産売却益2,911百万円(前期1百万円)、投資有価証券売却益437百万円(前期は計上なし)を計上した一方、前期に計上していた事業譲渡益337百万円は当期は無かった。営業外収支では、為替差益104百万円(前期は為替差損147百万円)を計上した。研究開発費は2,079百万円(前期2,313百万円)、減価償却費は1,290百万円(前期1,316百万円)だった。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが4,058百万円(前期1,711百万円)、投資活動によるキャッシュ・フローが5,792百万円(前期▲410百万円、固定資産の売却による収入7,172百万円を含む)、財務活動によるキャッシュ・フローが▲7,952百万円(前期▲3,382百万円)で、現金等の当期末残高は8,282百万円(前期6,340百万円)だった。

中期経営計画・グループ再編

中期経営計画(FY2024~2026)の数値目標としてROE10%(8%以上を維持)、ROIC8%(6%以上を維持)を掲げ、業績の目安として営業利益率7~8%、連結営業利益の過去最高益(2007年度:33億32百万円)の更新を挙げている。2026年3月期末時点の経営指標はROE15.9%(本社ビル売却の影響を加味しない場合8.4%)、ROIC6.4%、営業利益率6.7%、D/Eレシオ0.2倍(目安0.5倍以下)、現預金月商比2.2ヶ月(目安2ヶ月以内)だったとしている。グループ再編として、三栄ハイテックスは傘下のジェイ・エス・シーの一部事業を切り出した後、4月に吸収合併したとしている。また、光電融合技術等を有するファイ・マイクロテックと、車載カメラ・ECU・走行シミュレーション向け評価検証用画像インターフェースボードを手がけるネットビジョンを子会社化したとしている。

中計事業戦略の進捗(半導体設計関連事業・グループ再編)
出典:イノテック株式会社 2026年3月期 決算説明会資料 P.29

通期業績予想(2027年3月期)

2027年3月期の連結業績予想は、売上高50,000百万円(前期比+7.0%)、売上総利益15,500百万円(前期比+8.8%、利益率31.0%)、営業利益3,700百万円(前期比+19.0%、利益率7.4%)、経常利益3,700百万円(前期比+27.0%、利益率7.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益4,850百万円(前期比+18.0%、利益率9.7%)としている。資料は、システム・サービス事業は自動車産業低迷の影響を受けつつも高い収益基盤を維持し組込システムの好調もあり増収増益の見通し、半導体設計関連事業はEDAを中心に堅調で増収を見込む、テストソリューション事業は海外向け製品の需要継続と国内の需要回復を追い風に大幅な増収増益を見込むとしている。

項目2027年3月期予想2026年3月期実績増減率
売上高50,000百万円46,737百万円+7.0%
売上総利益15,500百万円(利益率31.0%)14,246百万円(利益率30.5%)+8.8%
営業利益3,700百万円(利益率7.4%)3,108百万円(利益率6.7%)+19.0%
経常利益3,700百万円(利益率7.4%)2,912百万円(利益率6.2%)+27.0%
親会社株主に帰属する当期純利益4,850百万円(利益率9.7%)4,111百万円(利益率8.8%)+18.0%
27年3月期 通期予想(連結損益・グループ会社別)
出典:イノテック株式会社 2026年3月期 決算説明会資料 P.16

株主還元

2026年3月期の配当は中間35円、期末90円(普通配当40円、特別配当50円)の通期125円で、配当性向は39.0%だった。特別配当は本社ビル売却による特別利益計上に伴うものとしている。2027年3月期は中間90円(普通配当40円、特別配当50円)、期末40円の通期130円を予想し、配当性向は32.6%を見込むとしている。配当方針は、通常の利益に対して連結配当性向30%を下回らないこととしつつ、急激な業績変化等がなければ50%程度を目安とするとしている。また、2026年5月14日開催の取締役会において自己株式の取得(上限100万株、上限25億円、取得期間2026年5月15日~12月31日、市場買付)を決議したとしており、2027年3月期の総還元性向は期初予想ベースでおよそ84.2%となる見通しとしている。

中間期末通期配当性向
2026年3月期(実績)35円90円(普通配当40円、特別配当50円)125円39.0%
2027年3月期(予想)90円(普通配当40円、特別配当50円)40円130円32.6%
株主還元(配当政策)
出典:イノテック株式会社 2026年3月期 決算説明会資料 P.35

※本記事はイノテックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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