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イーレックス、2026年3月期は減収も大幅増益 配当22円を維持

決算サマリー 2026.08.15
イーレックス、2026年3月期は減収も大幅増益 配当22円を維持

※本記事はイーレックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

イーレックス(9517)の2026年3月期(2025年4月~2026年3月)通期連結業績は、売上高1,691億円(前期比1.2%減)、営業利益75億円(同5.3%増)、税引前利益89億円(同41.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益53億円(同151.7%増)となった。売上高は高圧販売電力量の増加があったものの、T’dash譲渡影響や低圧の販売量減少、トレーディング売買額の減少、糸魚川発電所休止により前期を下回った一方、期末にかけての電力価格上昇によるデリバティブ評価益の計上などにより税引前利益および当期利益は大幅増益となった。2026年3月期の実績は、当初計画・修正計画をいずれも上回って着地した。2027年3月期の業績予想は中東情勢等による不透明感から未定としているが、配当は22円を維持する方針である。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

2026年3月期の売上高は1,691億円(前期比20億円減、1.2%減)、営業利益は75億円(前期比3億円増、5.3%増)、税引前利益は89億円(前期比26億円増、41.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は53億円(前期比32億円増、151.7%増)だった。売上高は高圧販売電力量の増加や燃料の他社への販売増加があったものの、T’dash譲渡の影響、低圧の販売量減少、トレーディング売買額の減少および糸魚川発電所休止により前期を下回った。営業利益は高圧販売プランのミックス悪化やT’dash譲渡影響、海外事業の下振れがあったものの、前年度の一時的費用の剥落、国内発電事業の安定稼働、燃料の他社への販売増加、デリバティブ評価益の計上により増益となった。

項目2026年3月期(実績)2025年3月期(実績)増減額増減率
売上高1,691億円1,712億円▲20億円▲1.2%
粗利194億円205億円▲10億円▲5.0%
販管費134億円108億円25億円23.5%
営業利益75億円71億円3億円5.3%
税引前利益89億円63億円26億円41.8%
当期利益53億円21億円32億円151.7%
2026年3月期 通期累計ハイライト
出典:イーレックス 2026年3月期 通期 補足説明資料 P.3

計画対比

2026年3月期は当初計画・修正計画をいずれも上回って着地した。売上高は修正計画・当初計画に対しいずれも進捗率96.0%にとどまったが、営業利益は修正計画比105.9%・当初計画比87.4%、税引前利益は修正計画比119.7%・当初計画比119.5%、当期利益は修正計画比133.3%・当初計画比156.1%となった。

項目2026年3月期(実績)通期修正計画進捗率(対修正計画)通期当初計画進捗率(対当初計画)
売上高1,691億円1,761億円96.0%1,761億円96.0%
粗利194億円204億円95.5%183億円106.2%
販管費134億円130億円103.5%121億円111.0%
営業利益75億円71億円105.9%86億円87.4%
税引前利益89億円75億円119.7%75億円119.5%
当期利益53億円40億円133.3%34億円156.1%

事業部門別の状況

イーレックスは単一セグメントのため、部門別の数字はIFRS調整前の社内試算として開示している。売上高は小売・トレーディングが1,905億円(前期比131億円減)、発電・燃料が565億円(同57億円増)、海外が7億円(同6億円増)。営業利益は小売・トレーディングが85億円(前期比50億円減)、発電・燃料が4億円(前期は13億円の赤字から黒字転換)、海外が25億円の赤字(前期は20億円の赤字)、その他連結調整が20億円の赤字(前期は19億円の赤字)、IFRS調整が32億円(前期は11億円の赤字)だった。海外はバイオマス発電所およびペレット工場が稼働を開始したものの、度重なる台風の影響等により稼働率は低水準にとどまった。

区分売上高(当期)売上高(前期)営業利益(当期)営業利益(前期)
小売・トレーディング1,905億円2,037億円85億円135億円
発電・燃料565億円507億円4億円▲13億円
海外7億円0億円▲25億円▲20億円
その他連結調整▲787億円▲833億円▲20億円▲19億円
部門別(売上高・営業利益)の内訳
出典:イーレックス 2026年3月期 通期 補足説明資料 P.7

財務状況

2026年3月期末の資産合計は1,700億円(前期末比167億円増)、負債合計は924億円(同115億円増)、資本合計は776億円(同51億円増)となった。ベトナム事業の建設費用やカンボジア事業への貸付金の増加により非流動資産が878億円から1,062億円に増加した。有利子負債は558億円(前期末452億円)に増加し、親会社所有者帰属持分比率は41.4%(前期末41.8%)となった。

項目2026年3月期末2025年3月期末増減
資産合計1,700億円1,533億円167億円
負債合計924億円809億円115億円
資本合計776億円724億円51億円
有利子負債558億円452億円106億円
親会社所有者帰属持分比率41.4%41.8%▲0.4%
2026年3月期 連結貸借対照表の概要
出典:イーレックス 2026年3月期 通期 補足説明資料 P.10

通期業績予想

2027年3月期の業績見通しについては、中東情勢等による燃料価格の変動や電力価格の先行きの不透明感、電力需要量の合理的な見通しを立てることが困難であることから未定としている。業績見通しの算定が可能となった段階で速やかに公表するとしている。中期的な事業方針に変更はなく、海外事業の本格始動を進める方針である。

株主還元

2027年3月期の配当は22円を維持する方針である。また、株式の流動性向上および投資家層の拡大を目的として、2026年5月より株主優待制度「イーレックス・プレミアム優待倶楽部」を新設する。対象は毎年3月末日および9月末日時点で300株以上を保有する株主で、保有株式数に応じて2,000ポイントから35,000ポイントを進呈し、5,000種類以上の商品等と交換できるポイント制度である。

株主優待制度「イーレックス・プレミアム優待倶楽部」の概要
出典:イーレックス 2026年3月期 通期 補足説明資料 P.38

中長期の成長に向けた取り組み

小売・トレーディングを収益基盤としつつ、アグリゲーション(系統用蓄電池等)や長期脱炭素電源オークション、データセンター関連の取り組み、海外事業(ベトナム・カンボジアでの発電・燃料事業)を加えて収益源の多層化を図る方針である。系統用蓄電池は当社として初の事業となる第1号案件「宮崎県串間市蓄電所」が2026年4月7日に商業運転を開始した。カンボジアでは水力発電所(80MW)の建設が最終段階にあり、2027年1月の商用運転開始を予定している。ベトナムでは新設バイオマス発電所2基(イエンバイ、トゥエンクアン)が2027年度末運開予定であるほか、既設石炭火力へのバイオマス混焼について2026年4月にビナコミンパワー社とMOUを締結した。

※本記事はイーレックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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