※本記事は北洋銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
北洋銀行は2026年3月期(資料表記は2025年度)の決算を発表した。単体の経常利益は359億円(前期比+93億円)、当期純利益は251億円(同+50億円)。連結では経常利益375億円(同+94億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は256億円(同+49億円)となった。資料は「コア業務純益、当期純利益ともに3期連続の増益」「経常利益は2期連続の増益」としている。貸出金利回りの上昇や有価証券利息配当金の増加がトップライン収益を押し上げた一方、信用コストの増加や有価証券関係損益の悪化を吸収したとしている。
業績(2026年3月期 実績・単体)
貸出金のボリューム増加と利回りの上昇により貸出金利息が増加したほか、有価証券利息配当金、日銀預け金利息の増加を主因にコア業務純益は3期連続の増益となった。
| 項目(単体) | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| コア業務粗利益 | 934億円 | 1,085億円 | +151億円 |
| 資金利益 | 795億円 | 947億円 | +151億円 |
| 貸出金利息 | 671億円 | 892億円 | +220億円 |
| 預金NCD利息(▲) | 67億円 | 196億円 | +129億円 |
| 有価証券利息配当金 | 151億円 | 201億円 | +49億円 |
| 役務取引等利益 | 121億円 | 111億円 | ▲10億円 |
| その他業務利益 | 17億円 | 27億円 | +10億円 |
| 経費(臨時処理分除く、▲) | 643億円 | 677億円 | +33億円 |
| コア業務純益 | 290億円 | 408億円 | +117億円 |
| 信用コスト(▲) | 30億円 | 40億円 | +10億円 |
| 有価証券関係損益 | ▲13億円 | ▲34億円 | ▲21億円 |
| 経常利益 | 266億円 | 359億円 | +93億円 |
| 当期純利益 | 201億円 | 251億円 | +50億円 |
連結業績・グループ会社の状況
連結子会社6社合計の経常収益は345億円(前年比+18億円)、純利益は15億円(同+0億円)だった。内訳は札幌北洋リース(経常収益250億円、純利益5億円)、ノースパシフィック(同22億円、2億円)、北洋証券(同21億円、0億円)、北海道共創パートナーズ(同23億円、4億円)、その他2社(同27億円、2億円)。資料は「前年比増収増益、子会社の業績も安定推移」としている。
| 項目(連結) | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 連結コア粗利益 | 1,004億円 | 1,167億円 | +163億円 |
| 資金利益 | 778億円 | 931億円 | +152億円 |
| 有価証券利息配当金 | 139億円 | 192億円 | +53億円 |
| 役務取引等利益 | 182億円 | 180億円 | ▲2億円 |
| 経費(臨時処理分除く、▲) | 687億円 | 727億円 | +39億円 |
| 連結コア業務純益 | 317億円 | 440億円 | +123億円 |
| 信用コスト(▲) | 39億円 | 51億円 | +12億円 |
| 有価証券関係損益 | ▲12億円 | ▲34億円 | ▲21億円 |
| 連結経常利益 | 280億円 | 375億円 | +94億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 206億円 | 256億円 | +49億円 |
与信関係費用・不良債権、有価証券評価損益
信用コスト(連結)は51億円(前年比+12億円)となった。内訳は新規倒産・ランクダウン等60億円(同▲1億円)、回収・ランクアップ等▲27億円(同▲3億円)、貸倒実績率の変動等5億円(同+15億円)など。資料は「信用コストは個社要因により増加も、開示債権比率は低水準を維持」としている。単体の開示債権額は2026年3月末925億円、開示債権比率0.92%。有価証券では、円債の入れ替え等により利回りは改善した一方、有価証券評価損益(有価証券全体)は2026年3月末で▲184億円(うち円債は▲910億円)となった。

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は資金利益の増加を主因に前期比増益を見込むとしている。利益増加要因として、貸出金利回りの改善等(2027年1月に政策金利が0.75%から1.00%に上昇する想定、+167億円)、有価証券運用益の増加(+46億円)、その他資金収支の増加(+4億円)を挙げる一方、利益減少要因として預金支払利息の増加(▲98億円)、新人事制度導入・賃上げ等による人件費の増加(▲13億円)、広告宣伝費・業務委託費等の物件費の増加(▲44億円)を挙げている。
| 区分 | 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期計画 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 単体 | コア業務粗利益 | 1,085億円 | 1,193億円 | +107億円 |
| 単体 | 資金利益 | 947億円 | 1,065億円 | +118億円 |
| 単体 | 役務取引等利益 | 111億円 | 111億円 | ▲0億円 |
| 単体 | 経費(臨時処理分除く、▲) | 677億円 | 738億円 | +60億円 |
| 単体 | コア業務純益 | 408億円 | 455億円 | +46億円 |
| 単体 | 信用コスト(▲) | 40億円 | 40億円 | ▲0億円 |
| 単体 | 経常利益 | 359億円 | 435億円 | +75億円 |
| 単体 | 当期純利益 | 251億円 | 293億円 | +41億円 |
| 連結 | 連結コア粗利益 | 1,167億円 | 1,273億円 | +105億円 |
| 連結 | 経常利益 | 375億円 | 444億円 | +68億円 |
| 連結 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 256億円 | 294億円 | +37億円 |

株主還元
株主還元方針は、1株当たり年間10円の安定配当を維持しつつ配当性向を40%以上とし、四半期配当(第1四半期・第3四半期の配当基準日は都度取締役会にて決議・公告)により経営成績を早期に還元するとしている。総還元性向は50%を目安とし、自己株式の取得は柔軟かつ機動的に実施するとしている。2026年3月期の1株当たり配当金は28円(配当総額105.5億円、自己株式取得額24億円)。2027年3月期は前年度より4円増配の32円を予想している。
| 決算期 | 1株当り配当金 | 配当総額 | 自己株式取得額 |
|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 10円 | 38億円 | 13億円 |
| 2025年3月期 | 19円 | 72億円 | 32億円 |
| 2026年3月期 | 28円 | 105.5億円 | 24億円 |
| 2027年3月期(予想) | 32円 | 開示なし | 開示なし |

政策保有株式の縮減・資本政策
政策保有株式の縮減は着実に進展しており、2026年3月末の政策保有株式の時価は1,134億円、連結純資産比率は28.9%。2026年5月末では933億円、23.8%となった。新縮減計画期間(2026年4月~2029年3月)で連結純資産比率20%未満達成(時価ベース)を目指すとしている。自己資本比率(連結、バーゼルⅢ完全実施ベース)は2026年3月末で11.65%。2026年度(計画初年度)はコントロール水準11.0%程度、下限値10.0%に設定している。
新中期経営計画(2026年4月~2029年3月)
新中期経営計画では、北海道密着戦略・完全デジタル化戦略・ロイヤルティ向上戦略・非金融多角化戦略・人財組織変革戦略の5つの柱を掲げる。2028年度計画(最終年度)は、連結コアOHR 50%程度、親会社株主に帰属する当期純利益500億円程度、連結ROE 11%程度、連結RORA 1.24%としている。政策金利シナリオとして2027年1月に0.75%から1.00%、2028年1月に1.00%から1.25%への上昇を前提としている。

その他のトピック
新事業創出の取組みの一環として、キャリアバンク株式会社に対するTOB(完全子会社化)が2026年4月に成立した。資料は、子会社化による連結決算への影響は現時点で計画には織り込んでいないとしている。
※本記事は北洋銀行が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。